滋養のある食材がたっぷり入ったサムゲタンスープは、体をぽかぽか温めてくれる、この季節に嬉しい料理ですね。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが今回手作りするのは、身近な食材で作れる、愛犬も一緒に味わえるサムゲタン風スープ。家庭菜園で育てたラディッシュも入れて作ります。
目次
サムゲタン風スープでぽかぽかに
サムゲタンというと、丸鶏の中に高麗人参やもち米を入れて煮込む韓国料理。体が温まるということで冬に楽しむ料理のイメージが強いですが、本場韓国では、暑い夏に食べるスタミナ料理として、また、滋養のつく食材がたっぷり入った料理ということで、疲労回復や夏バテ予防、風邪対策にと、一年を通して人気の料理のようですね。日本でもすっかりお馴染みになりました。
先日テレビの料理番組で、身近な食材で作るサムゲタン風スープが紹介されていました。ゴボウを使うと高麗人参に近い風味が味わえるそうで、手軽に試すことができるのは嬉しいですね。ここでは愛犬も食べられるよう、ネギ類を入れないレシピで作ります。
もう暖かい日もありますが、寒暖差のある季節です。寒い日はサムゲタン風スープで、愛犬も一緒にぽかぽかにしてあげましょう。
サムゲタン風スープの材料
- 鶏もも肉 100g
- 長芋 40gくらい
- 新ごぼう 50gくらい
- ラディッシュ 2〜3個
- なつめ 1個
- クコの実 3個
- うるち米 少々
- ショウガ 薄切り1枚
- 水 200cc
作りやすい分量で作って、2〜3回に分けて与えています。
*新ごぼう
新ごぼうは夏ごぼうともいわれて、4〜6月に出回ります。スーパーで早々と新ごぼうが並んでいました。横には新玉ねぎも。最近では、季節の先取りがますます進んでいますね。
新ごぼうは通常のごぼうに比べ、柔らかくて香りがよく、アクが少ないのが特徴です。煮込むと柔らかくなるので、犬の食材に使いやすいです。
*長芋
長芋はすりおろして生で食べられますが、煮込むとホクホクの食感になって美味しいですね。滋養強壮、消化促進、体を潤すなどの効果があるとされています。
*なつめ
なつめは体内の気と血を補う薬膳食材の代表です。漢方薬の生薬としても利用され、滋養強壮、免疫力向上、疲労回復、老化予防などに有効です。もちろん犬が食べても大丈夫。柔らかくして、種を取り除いて与えます。
*クコの実
クコの実は、視力減退、老化防止、慢性の咳に役立ち、滋養強壮、疲労回復におすすめの食材として人気があります。
サムゲタン風スープの作り方
1.新ごぼう、長芋を5cmくらいの長さにカットして、縦に4〜6等分にします。
2.ラディッシュは葉っぱを取り、大きければ2つにカットします。
3.鍋に材料を全て入れ、火にかけます。
4.沸騰したら、アクを取ります。
5.蓋をして弱火で20分ほど煮込みます。
6.お米や新ごぼうが柔らかくなれば出来上がりです。
*人間が食べる場合は、ニンニクや長ネギ、玉ねぎ、クリなどを入れたり、酒・塩・コショウで味つけをして美味しくいただけます。
*犬に与える場合は、肉と野菜を指でほぐし、なつめは種を取り除いてください。熱すぎない、ほどよい温度にしてあげてください。
プチ菜園生活
通常、サムゲタンのレシピでは長ネギや玉ねぎなどの野菜類を入れますが、ちょうど庭のラディッシュが収穫のタイミングだったので、今回はこちらを使ってみました。犬に与える場合は、玉ねぎなどネギ類は絶対に使わないでくださいね。
ラディッシュはプランターにタネを播いて育てました。ハツカダイコンというだけあって、短い期間で収穫できて、栽培が楽しいですよね。
ラディッシュは、サラダに入れたり、ぬか漬けにしたり、そのままでいただくのがやはり美味しいです。ビタミンCやジアスターゼ、アントシアニンなどの栄養素も、できればそのまま摂取したいところです。ですが、少し辛味があるので、そのままでは苦手な犬も多いかもしれません。我が家の愛犬あんも、じつはちょっと苦手。ですが、今回のように調理すれば大丈夫です。
葉っぱにはβカロテンやビタミンB群、カルシウム、鉄などが豊富に含まれ、脂溶性の栄養素を含むので、こちらは吸収率を高める油との調理方法がよいそうです。
育てて収穫、愛犬も一緒に食べられるラディッシュ。プチ菜園生活は楽しいです。
参考文献/『犬と猫のためのメディカルハーブガイド』日本アニマルウエルネス協会
Credit
制作・レシピ・写真・文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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