新しい年を晴れやかに迎えよう! 南天を主役に新春の紅白アレンジ

新しい年の始まりは、華やかでおめでたい、紅白のフラワーアレンジメントを飾って迎えませんか? フラワー&フォトスタイリスト、海野美規さんのWeb上アレンジメントレッスンで、2023年の始まりに作るのは、縁起のよい南天(ナンテン)をたっぷり使った新春にふさわしい作品。材料はシンプルですが、水引も添えたアレンジは、お正月にぴったりです。むずかしい決まりやテクニックは一切なし。ちょっとしたコツと自由な発想で、アレンジメントをもっと楽しみましょう。
目次
新年は紅白のアレンジで
新しい年を迎えました。みなさま、明るく健やかな一年でありますように。
新年は、紅白の花のアレンジで晴れやかにスタートしましょう!
お正月の頃には、鮮やかな赤い実をつけた植物がたくさんあります。今回は、「紅」には赤い実がたわわな南天を、「白」には小さな丸い花のガーデンローズ(スプレーウィット)を選びました。


バラ以外の白い花の候補としては、チューリップ、スイートピー、スイセン、ツバキなどはいかがでしょうか。コチョウランも素敵ですね。白い花の雰囲気によって、アレンジが和テイストになったり、洋テイストになったり。お好きな白い花を選んでください。

お正月に欠かせない南天

「南天」はお正月に飾る縁起のよい植物の一つ。庭にあるという方も多いと思います。
南天は「難(なん)を転(てん)ずる」に通じるということで、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから玄関先や庭に植えられてきました。鬼門と呼ばれる南西の方角に置くのがよいとも。そういえば、実家でも、はじめは玄関脇から栽培をスタートしました。今は鳥のおかげ(?)で、他の場所でも大きく育っています。

漢方では、乾燥させた果実を南天実(なんてんじつ)といい、咳止め剤(鎮咳剤)として利用されています。葉には殺菌・防腐の作用があり、お赤飯の上に添えてあるのをよく目にしますね。
アレンジに使った花

紅→南天・・・葉も実も使います。
白→バラ・・・季節はずれに庭に咲いていたスプレーウィット。

南天は水揚げがよく、カットしても長もちします。とても使いやすい花材です。南天だけをボリュームたっぷりに活けるのもいいですね。
今回はシンプルな白い器を使って活けていきます。
紅白の水引を添えると、よりお正月らしく華やかになります。
アレンジの手順
1.器に水を入れます。

2.南天を入れてみます。
実がたっぷりとついた枝は重く、今回使ったような高さのない器だと、南天がうまく収まらないことがあるかもしれません。そのような場合は、束にして輪ゴムで結ぶ方法がおすすめです。
バランスを見ながら、だいたいの長さと量を器に入れて様子を見ます。今回は、左側にボリュームがあるスタイルにしました。長さと量が決まったら、いったん取り出して、束にした茎を輪ゴムで結わえます。

もう一度長さを揃えて器に入れます。

3.続いて白い花を入れます。南天同様、白い花もまとめて入れるようにします。このようにグルーピングする(同じ花をまとめる)ことによって、赤と白の区別がよりはっきりして、紅白を強調することができます。


4.紅白それぞれの花が入ったら、全体のバランスを見て、南天の葉を入れていきます。器の空いているところや、もう少しボリュームが欲しいところに、それぞれの花や葉を加えて整えたら、出来上がり。



紅白の花だけでも華やかですが、水引を添えると、ぐっとお正月らしさがアップします。


南天といえば…

南天といえば、のど飴を連想する方も多いのではないでしょうか。
私も子供の頃から、キッチンに南天のど飴の缶があり、いつも目にしていました。テレビCMの「ナンテンのどあめ〜」のフレーズも覚えています。大人になってから、庭にある「この赤い実が、あののど飴なんだ」と改めて認識して、意外と身近にある植物だったんだなと思いました。
南天の赤い実を乾燥させたものは、「o-メチルドメスチシン」を含んでいて、せき止め効果の高い生薬として、古くから利用されてきたそうで、現在ではその効果を厚生労働省から認められ、医薬品の有効成分の一つとして定められているとのことです。また、葉にも殺菌・防腐効果があることでも知られています。
ただ、微量ながら有毒な成分もありますので、赤い実や葉をそのまま口にしないように気をつけましょう。ペットの誤飲誤食にも注意してあげてくださいね。

みなさまにとって2023年がよい年でありますように。
Credit
アレンジ作成・写真・文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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