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【シェフのクリスマスレシピ】簡単で美しくおいしい4品

【シェフのクリスマスレシピ】簡単で美しくおいしい4品

クリスマスの食卓を華やかに彩るレシピ、4品をご紹介。予約の取れないフレンチの人気シェフ伊藤仁美さんが、お家でも簡単にできて、美しく、おいしいレシピを教えてくれます。庭にハーブを育てている人は、ローズマリーとミントを収穫してきてくださいね!

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レシピ① クリスマスの香りのお酒「ヴァン・ショー」

クリスマスの香りのお酒「ヴァン・ショー」

フランスで料理の修行をしていた頃、クリスマスは必ず「ノエル休暇」といって、フランスのレストランはお休みでした。日本でいうお正月のような感じで、フランスの人々は、クリスマスには家で家族と過ごすのが一般的です。一方、外国から修行に来ている私たちスタッフは、地方へ足を伸ばしたり、パリにもこの頃だけ立つクリスマスマーケットに散策に出かけたりしていました。私はこのマーケットが大好き! この時期にしか売っていないクリスマスグッズを見たり、買ったり、束の間の休日が本当に楽しかったです。マーケット散策のお供は、ホットワインと決まっています。フランスでは「ヴァン・ショー」と呼ばれ、スパイスがたっぷり入っていて香りがよく、身体も温まり、マーケットのキラキラに包まれながら、とっても幸せな気分になれます。暖かなお家で飲むなら、すっきり冷やしてもおいしいですよ。ミントを入れた爽やかなクリスマスのお酒をご紹介します。

【材料】

クリスマスの香りのお酒「ヴァン・ショー」
  • 赤ワイン 400cc
  • オレンジ 1切れ
  • レモン 2切れ
  • スターアニス 3〜4個
  • クローブ 5〜6粒
  • ブラックペッパー(ホール) 小さじ1
  • シナモンパウダー 小さじ1
  • 砂糖 大さじ1(味をみてお好みで増やしてください)
  • ミント 1つかみ

【作り方】

1.スパイス類をクッキングペーパー(破れないもの)などで包んで紐で縛ります。

2.ミント以外の材料を全部鍋に入れて、砂糖を煮溶かします。

3.砂糖が溶けたらミントを鍋に入れて、そのまま放置します。火にかけなくてもミントの香りがワインに移って、爽やかな飲み心地になります。

食前酒としても、デザートとしてもおいしいですよ。

レシピ② 宝石のようにきらめくゼリーが美しいサーモンマリネ

サーモンマリネ

クリスマスカラーといえば、赤と緑と白。その3色を入れて、クリスマスの食卓にぴったりにアレンジした、サーモンマリネの作り方をご紹介します。サーモンマリネは、塩と砂糖、そしてお庭のミントが、臭い消しにとっても重宝します。周りに散らしたゼリーもミントがほんのり香って、スッキリ食べられます。

【材料】

サーモンマリネの作り方

<サーモンマリネ>

  • サーモン かたまり
  • 塩と砂糖 2:1(分量はサーモンの大きさに合わせて)
  • ミント 1つかみ

<ミントゼリー>

  • スパークリングワイン 200cc
  • 砂糖 20g
  • ミント 1つかみ
  • レモン汁 少々
  • 板ゼラチン 8g

<ミントクリーム>

  • 生クリーム 100ml
  • 刻んだミント 少々
  • 塩 少々
  • レモン汁 少々(お好みで)

【作り方】

1.サーモンにミントをまぶし、さらに塩と砂糖を混ぜたものをまぶして、そのまま冷蔵庫の中で一晩寝かせます。塩は水分を抜いて臭みを取るためのもので、写真くらいにたっぷりかけても塩味はキツくならないので大丈夫です。砂糖は味をまろやかにするために入れます。ここでのミントの役割は香りづけではなくて、やはり臭み消し。ミントの香りはサーモンにはつきません。


一晩たつと、こんな風に水分が抜けて色が鮮やかに、身がしまった感じになります。

2.ミントゼリーの材料を鍋に入れてゼラチンと砂糖を煮溶かし、冷蔵庫で固めます。

3.生クリームを固めに泡立てて、ミントと塩、お好みでレモン汁を入れて混ぜます。

サーモンマリネの作り方

4.薄くスライスしたサーモンをお皿に並べ、周りにミントゼリーを散らし、中央にミントクリームをのせ、完成。お好みでイクラを飾っても。

レシピ③ 柔らかジューシーなチキンのコンフィ

チキンのコンフィ

クリスマスといえば、チキン。オイルに材料を入れて待つだけの簡単なチキン料理ですが、ふっくらジューシーで柔らかに仕上がります。油で煮るのでしつこいかと思いきや、びっくりするくらいさっぱりとしていてベタベタもしません。1時間以上はかかるので、これを火にかけている間に、ほかの料理を作りましょう。

【材料】

チキンのコンフィの作り方
  • 鶏もも肉 500g(2枚)
  • ジャガイモ 1個
  • 玉ねぎ 1/2個
  • ニンニク 1かけ
  • 舞茸 100g
  • ローズマリーの枝 2〜3本
  • 塩 (分量は写真で解説)
  • カレー粉 大さじ1
  • サラダ油 たっぷり(鍋に材料を入れてかぶるくらい)

【作り方】

1.鶏もも肉に塩を振ります。塩の分量は、普段より多めを意識してください。普段の料理で肉に下味をつける時は、左の写真のようにまばらに塩を振りますが、今回は右の写真のように表面全体が白くなるくらいに塩を多めに振ります。ここで振った塩が他の材料にも行き渡って全体の味となるので、多めに。

2.鍋に材料を全て入れます。ジャガイモも玉ねぎも皮付きのままでOK。皮が出汁(だし)の役目を果たして味をよくしてくれます。食べる前には玉ねぎの皮は外します。カレー粉はカレー味にするためではなく、ローズマリーとともに臭み消しの役目と、味に複雑性を出すためのスパイスです。

しばしばこの連載で、ハーブの使い方として、ぐつぐつ煮ると苦味やエグミが出るので最後に入れる、とお話ししてきましたが、油には味が溶け出さず、香りだけを移すことができるので、この料理の場合、ローズマリーは最初から鍋に入れて大丈夫です。

3.サラダオイルを材料がかぶるくらいに入れ、一度強火で沸かしてから弱火にして、約1時間半煮ます。ふたはしません。暖炉やストーブの上において調理してもOKですが、オイルがあまりぐつぐつしない火加減で煮ます。弱火のオイルで煮る調理方法をコンフィといいます。

チキンのコンフィの作り方
薪ストーブの上でチキンのコンフィを調理。

4.煮えたら材料を取り出し、玉ねぎは皮をむき、鶏もも肉は熱したフライパンで皮だけをカリッと仕上げに焼き上げ、盛りつけたら完成です。

チキンのコンフィの作り方

レシピ④ 冷やご飯でOK!ミントとツナのサラダ

ミントとツナのサラダ

クスクスがあればクスクスを使って、なければ冷やご飯でできる爽やかなサラダです。ミントはツナの臭み消しとして入れますが、不思議なことにミントを結構な量入れてもミントのスッとした感じは一切なく、ツナ特有の匂いを完全に消し、旨味だけを感じさせてくれます。ミントはそのものの味や香りも楽しめる食材ですが、臭み消しとして使うと、とてもいい働きをしてくれます。

【材料】

ミントとツナのサラダの作り方
  • ★プチトマト 3個
  • ★玉ねぎ 1/8個
  • ★オリーブ 2粒くらい
  • ★枝豆(きゅうりでもOK) 大さじ1くらい
  • ★ミント 1茎
  • オリーブオイル 大さじ1
  • 冷やご飯 お茶碗半分くらい
  • ツナ 大さじ1くらい
  • 塩 少々
  • カレー粉少々

【作り方】

  1. ★の材料を全てみじん切りにします。
  2. カレー粉を除き、全ての材料を混ぜ合わせます。
  3. お皿の縁に香り付けとしてカレー粉を振って完成。
クリスマスレシピ

どれも手軽にできておいしいこと間違いなしなので、ぜひクリスマスやお客様が集まる年末年始に作ってみてください。

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ミントは鉢で【ガーデナー阿部容子さんのアドバイス】

ミント
Paul Maguire/Shutterstock.com

今回のレシピで活躍したミント。栽培しやすく人気のハーブですが、ものすごく繁殖力が強いので、ミント農家になるつもりがないなら、鉢植えで育てることをおすすめします。ミントは地下茎で広がり、一度地植えにすると他の植物を駆逐しながら生育して、庭中がミントに占領されてしまいます。鉢植えで育てていても、鉢を直に地面に置くと鉢底から根を出して広がっていってしまいます。また、鉢皿を敷いていたとしても、ミントはとても水を欲しがる性質で、茎を自ら地面のほうへ倒し、茎から発根して地植えで生育していこうとします。ミントを見ていると、領土拡大の強い「意志」を感じるくらい、本当に繁殖力の強い植物です。でも、今回シェフが教えてくれたように、料理にはとても重宝するので、ぜひ鉢植えで、デッキかタイルなどの上に置いて育ててみてくださいね。

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