【クリスマススワッグ】おしゃれ花材「オージープランツ」で手作りする方法

クリスマス気分を盛り上げるボタニカルなアイテムとして人気の壁飾り、スワッグ。旬の花材を束ねて作るスワッグを、オリジナリティのある作品に仕上げるには、花材選びが肝心です。今年のクリスマススワッグは、オージープランツで作ってみませんか? 真夏にクリスマスがやって来る南半球オーストラリアでクリスマスを過ごした経験があり、オーストラリアに自生する植物「オージープランツ」を愛する遠藤昭さんが、オージープランツを贅沢に使ったスワッグと、定番花材のスワッグ作りを提案します。
目次
花材に選ぶ「オージープランツ」が生きる土地、オーストラリアのクリスマス

クリスマスといえば、ホワイトクリスマスとか寒い冬にやってくるものと当たり前に思っていますが、南半球ではクリスマスは真夏!
私もメルボルン駐在中は、サマーホリデーにあたるクリスマスやお正月は、子供たちと海岸に海水浴に行ってBBQをしていました。オーストラリアでもクリスマスは一大イベントで、家々ではクリスマスを祝い、クリスマスの飾りつけをします。

クリスマスツリーといえばモミの木ですが、暖かいオーストラリアにはモミの木やコニファー類はなく、パインツリー(松の木)で代用するか、人工のモミの木を使うことが多かったと記憶しています。最近は日本でもオージープランツが人気で、寒い土地の植物に限らず、ユーカリをクリスマスリースやスワッグに使用していますよね。今年は、我が家の庭で育つ自家採取のオージープランツを使ってクリスマススワッグを作りました。
庭で育つオージープランツを使ってスワッグを作る

まず、庭からドライにしても見栄えがするスワッグ作りに使用できそうな植物を箱いっぱいに集めました。

上写真は、庭のオージープランツです。左から、ユーカリ、グレヴィレア‘ムーンライト’、アカシア・ブアマニー。オージープランツは常緑でドライにしやすいので、庭で育てていればスワッグ作りの素材には困りません。

テーブルに花材を広げてみると、こんなバリエーションになります。中央のキングプロテアはドライフラワー、ピンクッションはアーティフィシャルを用意しました。素材を眺めて、完成イメージを想像します。ちなみに、キングプロテアの原産地は南アフリカですが、オーストラリアでは一般的に育てられている植物です。

まず、大きくしなやかな感じで広がっているグレヴィレア‘ムーンライト’を一番下に置きます。

次は葉が広くて量感があるユーカリです。これは、ユーカリ・シデロキシロン‘ロゼア’という品種です。葉の香りがとても素敵です。平たく置きます。

次はアカシア・ブアマニーを上に重ねます。この時期の葉の先端付近には、つぼみがたくさんついて、絶妙な色合いです。

再びユーカリを重ねますが、ピンクの花と実を生かすので、葉を減らして使用します。

次は、いよいよメインのキングプロテアとピンクッションをのせ、最後にグレヴィレア‘ロビンゴードン’を加えます。

これですべての花材がひとまとめになったので、根元にビニタイを巻いて仮留めします。本締めは麻ひもでもいいですが、今回は重量もある大型のスワッグなので、より強固にするためにワイヤーでしっかり留めました。

仕上げのリボン飾りを2パターンで作ってみました。選ぶリボンと飾りの鈴の違いだけでも、随分とイメージが変わりますね。

以上、オーストラリアンスワッグ作りでしたが、妻がメルボルンで作った思い出のクリスマスリースがあるので、ご紹介しましょう。
オーストラリアの素材で作ったリース

リースを飾る実ものは、すべて当時住んでいたメルボルンの近所の公園で拾ったものを使いました。仕上げに、ニスを全体に塗って、防腐効果を高めておいたので、今も健在。

オーストラリアといえば、ユーカリが象徴的ですが、現地ではユーカリの実をガムナッツと呼び、リース飾りなどクラフト素材によく使用するようです。
定番花材のクリスマススワッグの作り方

オージープランツは最近、苗もドライフラワーも入手しやすくなってきました。しかしまだ、どこでも手軽に手に入るとはいえません。そこで、今年人気のナチュラル素材を使った、定番花材のクリスマススワッグを2つ目にご紹介します。

使用する植物は、右端のモミの木をメインに、コニファー(クジャク)、ユーカリ、コットン、シルバーグルニア、サンキライを用意しました。

次に、アクセントになるモチーフ飾りですが、こちらも自然素材にこだわりました。
リリーフラワー(中央)、松ぼっくり(ゴールド&ホワイト)、姫リンゴ、ドライオレンジです。そして、ゴールドのリボン2m、赤と緑のラッピングペーパー、麻ひも、ビニタイを用意します。
定番クリスマススワッグの作り方手順

①まず、ベースとなるモミの木を置きます。長さ60cmの枝を使用しましたが、大きすぎるので50cmで切りました。枝を整えながら置きます。根元の葉は落としておきます。

②次にコニファーを置き、モミの木の枝とバランスを取ります。

③コットンの枝を置きます。向きが難しいですが、調整しながら置きます。向きの調整が難しい枝ぶりでしたら、表が見えなくなる実は切り取って、後で取り付ければよいでしょう。

④ユーカリです。枝を追加するごとに全体のバランスを見ながら微調整してください。次にサンキライ、シルバーグルニアを順に重ねて置きます。

⑤枝ものの組み合わせは終わりなので、仮留めとして、根元付近をビニタイで巻きます。そして本留めの前に、今一度バランス調整をしましょう。

⑥本留めは、麻ひもでしっかり巻きます。太い輪ゴムでもOKです。右写真のような太いゴムを使用するときは輪にして巻くのではなく、枝先の一カ所に輪ゴムの端を掛け、2本取りの状態で伸ばして巻きつけ、最後に1本の枝に引っ掛けて留めます。これは、花屋さんで見る留め方です。

⑦しっかり結べたら、枝の長さを切り揃えます。次は、飾りつけです。まずは仮置きをしてバランスを取り、針金で固定していきます。

⑧松ぼっくりやリリーフラワーは、針金をU字にして、巻きつけ、固定します。

⑨姫リンゴは、リンゴの軸に巻きつけます。ドライオレンジは異なる房の2カ所に針金を通して固定します。

⑩そして、仕上げに包装します。まずは、2色が見えるように包装紙を少しずらして重ねておきます。その上にスワッグを置きます。

⑪包装紙をバランスよく巻けたら、壁に掛けるための紐を兼ねて、包装紙ごと麻ひもで結んで固定します。最後に、リボンを蝶結びにして完成です。

今回使用したアクセントになる各パーツです。
左上から時計回りに、リリーフラワー、ドライオレンジ、金色に塗られた松ぼっくり、雪化粧のようにペイントされた松ぼっくり、サンキライとコットン、モミの木とコニファークジャク。

では皆さま、メリークリスマス!
Credit
写真&文 / 遠藤 昭 - 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー -

えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【花盛りの4月】
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台にスタートし、春の花が次々と咲き始めています。…
-
イベント・ニュース
【5月の連休は横浜へ!】日本最大級の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」に出かけ…
日本最大級として大盛況の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」が今年も5月3日(土)〜5日(月)の3日間、開催決定! 場所は、2027年国際園芸博覧会の開催を控える横浜市。多彩なコンテ…
-
園芸用品
【プロに聞く!】植物が枯れる主な原因TOP5 世界が注目する最新解決策もご紹介!PR
植物を育てているときの心配ごとといえば、植物を枯らしてしまうこと。初心者は植物を枯らしたとき、しばしば「私は植物を育てるのに向いてない」と思いがちですが、それは早計、極論というもの。植物が枯れるのに…