自宅で野菜を育てる家庭菜園ならではの楽しみの一つが、小さくて柔らかなベビーリーフ。種まきから簡単に育てられるコマツナのベビーリーフで、愛犬の美味しいごはんを作りませんか? ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、コマツナ栽培の記録と、コマツナのベビーリーフで作る鶏団子スープの作り方をご紹介します。
コマツナの種まき

毎年11〜12月になると、葉物野菜の種まきをします。
ホウレンソウ、シュンギク、コマツナ、ルッコラなど、サラダやお鍋に使える葉物野菜を育てるのを楽しみにしています。
今の季節は虫に被害もほとんどなく、成長はゆっくりですがほぼ失敗しないで収穫できます。これら葉物野菜は、真冬以外、通年種まきできますが、我が家では晩秋に播くことが多いです。
今年はコマツナとルッコラを播きました。プランターでも地植えでも、どちらもしっかり芽を出してくれます。
間引く

コマツナもルッコラも、種子がとても小さいですね。こんなに小さな種子からよく芽が出るなあと感心してしまいます。我が家の愛犬あんが、袋から出した種子に興味津々で顔を近付けます。彼女の鼻息で、種子が一気に吹き飛んでしまわないか心配です。
苦土石灰を混ぜておいた土にパラパラ播くと、いくら目を凝らして見ても、どのくらい播いたか確認できませんが、数日後には可愛い芽が出てくるので、そこではじめて、ちゃんと種まきできていたと分かります。発芽してからは、あっという間にびっしりと葉が並びます。
3〜4cmほどに成長したところで、間引きをはじめます。採っても採っても細い茎は減りません。
間引いた苗は、ベビーリーフとして食べることができます。

ベビーリーフって?

ベビーリーフといえば、スーパーでも必ず並んでいる野菜になりました。ベビーリーフは、発芽後約20~30日で生育途中の幼い葉のことで、色々な野菜の幼葉から5~6種類をパック詰めしたものが「ベビーリーフ」として販売されているようです。
成長した野菜とは違う名前で呼ばれることもあります。
例えば、
コマツナ→ピノグリーン
ホウレンソウ→ベビースピナッチ
ロケットサラダ→ルッコラ
など。
コマツナはピノグリーンなんて可愛らしい名前があるのですね。

ベビーリーフは、発芽して小さいうちに収穫するので、幼葉の持つ栄養をまるごと摂取できることや、成長した野菜よりも食感が柔らかいこと、洗ってそのまま盛りつけられることなど、栄養の面からも、調理する面からもメリットがいっぱいです。
犬に与える場合の注意

食感が柔らかいということで、犬に与えるにも好都合です。そもそも犬は野菜などを消化するのが苦手な動物です。生のままでも柔らかく食べられる野菜は嬉しいです。
ただ、ホウレンソウは注意が必要です。ホウレンソウにはカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸を多く含んでいます。3分茹でることでシュウ酸の含有量は半分に減るそうですが、疾患のある場合は与えないほうがよいとされています。
市販されているベビーリーフの中には、ホウレンソウも含まれていることもあるかもしれませんので、注意してください。
家庭菜園のコマツナベビーリーフ

コマツナは、キャベツの鉄とβカロテンを強化したような性質があり、灰汁が少ないため、犬に生で与えても大丈夫な野菜の一つとのこと。成長した野菜のコマツナも、茹でて小さくカットしたり、ミキサーでペースト状にしたりして使うことができますが、ベビーリーフは、洗って小さくちぎるだけで与えることができます。
家庭菜園でコマツナを育てて、愛犬のごはんに取り入れてみてはいかがでしょうか。
コマツナを使ったあたたかメニュー 鶏団子スープ
<材料>

コマツナ 30g(市販の成長したもの)
レンコン 30g
ニンジン 30g
鶏ひき肉 100g
クコの実 5〜6粒
豆乳 50〜70ml
水 300mlほど
コマツナのベビーリーフ(あれば) 少々
鶏団子スープの作り方
- レンコンとニンジンをすりおろします。
- 市販のコマツナは、3cmほどにカットします。
- ①のレンコン、ニンジンと鶏ひき肉を合わせてこね、ボール状に丸めます。
- ③の肉団子とコマツナの茎の部分とクコの実と水を入れ火にかけます。
- コマツナの葉の部分を加えて、一煮立ちさせます。
- 豆乳を加えて火を止めます。

コマツナのベビーリーフは水洗いして、食べやすい大きさにちぎって添えてください。
犬が食べる時には、コマツナをさらに細かくカットして、肉団子も崩してください。また、熱すぎないように注意しましょう。

寒い季節は、飼い主も愛犬も温かくなる鶏団子スープで元気に過ごしましょう。

Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
参考:「愛犬のためのホリスティック食材事典」日本アニマルウエルネス協会監修
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