二十四節気で5月6日頃のことを”立夏”といいます。陽射しが強さを増し、花々が共演するこの季節。この時期から梅雨にかけては、見頃を迎える花の一つにハナショウブがあります。凛々しい咲き姿から、多くの人に愛されてきました。​​​​​​​​​​今回は、ハナショウブの魅力をご紹介します。

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二十四節気 立夏 5月6日頃

しっとりと咲くハナショウブ

青空に悠々と鯉のぼりが泳ぐ頃になると、明るい日差しの中に新緑と色鮮やかな初夏の花々がコントラストを描く、カラフルなシーズンの幕開けです。その中でも、初夏から梅雨にかけて咲くハナショウブは、ひときわ目を引く花の一つ。雅な形の大きな花弁にすっと伸びた葉が雨の中でも美しく、清々しい花姿を眺めて夏の到来を実感される方も多いことでしょう。しっとりとした風情が古くから人々に愛され、色彩の魔術師といわれるほど変化に富んだ花色が魅力です。現在でもハナショウブが見頃を迎える5月末頃は、各地の花菖蒲園に多くの人が訪れます。

 

ハナショウブとよく似た花に、同じアヤメ科のアヤメやカキツバタがあります。甲乙つけがたいほど素晴らしいことを指して、「いずれ菖蒲か杜若(カキツバタ)」などとも言いますが、よく見ると違いもあります。花弁の元の部分に、細長い黄色の模様があればハナショウブ、細長い白色の模様があればカキツバタ、そして大きな網目模様があればアヤメの花です。また、生育場所にも違いがあり、カキツバタは湿地帯を好みますが、アヤメは乾地、ハナショウブはどちらでも育ちます。庭に取り入れれば、和の情緒を感じさせてくれる花々。咲かせ比べてみるのも面白いかもしれません。

 

ショウブとハナショウブ

ショウブといえば、5月5日の端午の節句を思い浮かべる方も多いと思います。端午の節句は菖蒲の節句とも呼ばれますが、ここでいうショウブは実はハナショウブではなく、サトイモ科のショウブのこと。ハナショウブと葉の形はよく似ていますが、小さな花が集まった穂状の花を咲かせます。花にはハナショウブのような華やかさはありませんが、その葉に強い香りがあり、邪気を払うとして菖蒲湯や菖蒲枕に活用されました。現在でも端午の節句には菖蒲湯に入る習慣が残っています。菖蒲湯に使う際は、ショウブを刻んで熱湯を注いで煮出しておくと、より一層香りを楽しめますよ。

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