サクサクが楽しい! メルティングモーメント【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
イギリスの焼き菓子やプディングの魅力をもっと知ってもらいたい、と活動する、イギリス菓子研究家でパティシエのTomoさん。今回は、とってもイギリスらしくて、手軽に作れるホームスイーツをご紹介します。サクサクの焼き菓子を温かい紅茶と楽しむ季節が、もうすぐやってきますね。
目次
口の中でとろけるビスケット

メルティングモーメント。「とろける瞬間」というドラマティックな名前のこのお菓子は、オートミールを使ったサクサクと口溶けのよいビスケットです。赤いドレンチェリーがのった、ノスタルジックな見た目。紅茶のお供にぴったりの美味しいお菓子なのですが、作る度に、この素朴すぎる見た目が本当にイギリスらしいなと思います。
このビスケットは、1920年代に、ある無料配布のレシピブックに作り方が掲載されたことで広まったといわれています。それはBe-Ro社のホームベーキングのレシピブック。同社はベーキングパウダーや、小麦粉にベーキングパウダーを混ぜたセルフレイジングフラワーを販売する会社で、当時、家庭ではまだあまり使われていなかったセルフレイジングフラワーを一般大衆に向けて売り出すために、その粉を使って焼いたスコーンやケーキの展示販売をしたり、家庭でお菓子を焼けるように無料レシピブックを配ったりしたのだそうです。今ではすっかりおなじみのBe-Ro社のセルフレイジングフラワーですが、そんな歴史があったとは驚きですね。
約100年前に配布が始まったBe-Ro社のレシピブックですが、現在ではなんと第41版が出版されています。今は有料での販売ですが、イギリスのホームベーキング入門に欠かせない一冊となっています。

ところで、同じ〈メルティングモーメント〉の名前で、2つのビスケットの間にアイシングやクリームをはさんだものがありますが、こちらはオーストラリアやニュージランドでよく見られるものです。最近はイギリスでもこのサンドタイプが人気のようで、これはこれで可愛いのですが、でも、私はイギリスの昔ながらのスタイルのほうが好きです。
イギリスではやっぱり紅茶

紅茶のお供と言いましたが、イギリスでは紅茶の時間はとっても大事。町ではコーヒーのチェーン店も増えましたが、家では紅茶党が大多数です。イギリスの茶葉は日本で買えるものもあるので、よかったら試してみてください! 安価なティーバッグのものでも(日本で買うと割高にはなりますが)甘みとコクがあってとても美味しいです。
ここで、イギリス流のカジュアルな紅茶の淹れ方をご紹介しましょう。まず、大きめのマグカップにティーバッグを入れ、お湯を注いでしばらくしたら、ティーバッグをティースプーンでマグカップに押さえつけて、ギュッギュッと絞ります。ティーバッグを取り出したら、ミルクをたっぷりと入れて出来上がり!
ティーインストラクターの方にしてみたら、きっと驚きの、渋みが出そうな淹れ方ですよね。でも、私の周りのイギリス人は皆こうしていました! イギリスではティーバッグが一般的で、ティールームで出てくるティーポットも、リーフティーが入っていることは少なくて、ほとんどの場合ティーバッグです。気軽に楽しめるのがティーバッグの利点。ただ、リーフティーでちゃんと淹れた紅茶はやっぱり美味しいな、と感じるのは事実です……。
それでは、紅茶にぴったりのサクサクのお菓子を作ってみましょう。
メルティングモーメントの作り方
材料(約15個分)

- 無塩バター……120g
- きび砂糖(グラニュー糖でも可)……90g
- 卵……1個
- バニラエッセンス……小さじ1
- 薄力粉……140g
- ベーキングパウダー……小さじ1
- オートミール……50g
- ドレンチェリー……適量
作り方
- バターと卵を常温に戻しておく。オーブンを180℃に予熱する。
- バターに砂糖を入れ、木べらでよく混ぜる。

- 卵にバニラエッセンスを入れてよく混ぜ、その卵液を少しずつバターの中に入れて混ぜていく。

- 3の中に、ベーキングパウダーを合わせた薄力粉をふるい入れ、さっくりと混ぜる。

- オートミールを別のボウルやバットに入れ、その中に4のビスケット生地を丸めて入れ、オートミールをまぶす。形を整え、ベーキングペーパーを敷いた天板に間隔を開けて置いていく。

- ドレンチェリーを1/4にカットし、ビスケット生地の真ん中にのせ、上から少し押して、全体を平たくする。

- 180℃のオーブンで約20分焼く。

焼き上がり!

我が家では、腹ペコの子どもたちが一気に何枚も食べてしまうほど、口当たりの軽い、素朴なビスケットです。紅茶と一緒に召し上がれ!
Credit

写真&文/The Pudding Party Tomo
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
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