手作り出汁パックを使って 愛犬も喜ぶ旨味と香り豊かな真鯛のあんかけ

夏の暑さに食欲が落ちるのは、人間に限った話ではありません。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが今回手作りするのは、夏バテ気味な犬も美味しく食べられる、手作り出汁パックを使った旨味たっぷりの真鯛のあんかけ。出汁の旨味や香りは、犬にとってもごちそうだと考えられています。もちろん人間も食べられるので、作り置きしておくと美味しい出汁がいつでも手軽に楽しめますよ。
手作り出汁パック

夏の暑い時期に食欲が落ちるのは犬も同じようで、愛犬あんも冬に比べると食べる量が少なくなります。なんとか食べて欲しいと、あれこれ考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
こんな季節には、和風出汁スープを活用してはいかがでしょうか? 出汁パックを手作りして、犬のごはんを美味しくしましょう。
犬のごはんは味つけをしないので、食材本来の味がとても大切です。かつお節、干ししいたけ、煮干し、昆布でとった出汁が美味しいのは間違いないですね。和風出汁スープをベースに、季節の野菜や白身の魚を入れて作ります。香りもよく、なんだか料亭の一品みたいです。暑い日でも、愛犬もとても食欲が増します。

出汁パックを手作りしておくと、いつでも使えて便利です。また、出汁スープは、製氷皿で小分けにして冷凍しておくと、さらに便利に使えます。

真鯛のあんかけの材料
<出汁パック>

- 干ししいたけ 約2g
- 昆布 約4g
- かつお節(薄削り) 約8g
- 煮干し 約2g

材料を粉砕するのには、ミルサーを使用します。粉砕した材料を不織布のお茶パックに入れれば、手軽に使える出汁パックになります。
<真鯛のあんかけ>

- 真鯛(刺身用を厚めにカットして使いました) 2切れ
- 葛粉(片栗粉でも大丈夫です) 小さじ1/2
- 枝豆(ゆでておく) 適量
- ニンジン(ゆでておく) 適量
- クコの実 3〜4個
- 出汁スープ 100ml
手作り出汁パックと真鯛のあんかけの作り方
<出汁パック>
- 干ししいたけは、軸を取り除き、手で適当な大きさに割ってミルサーに入れ粉状にします。粉砕した材料は小皿などに取り出しておきます。
- 煮干し、かつお節もそれぞれ同じようにします。
- 昆布は、手で割ってミルサーに入れ、細かくしすぎず粗いチップ状にします。
- 不織布のお茶パックに、粉砕したそれぞれの素材をブレンドして入れます。
私のブレンドは次の通りです。
干ししいたけ 小さじ1/2
昆布 小さじ1
かつお節 大さじ2
煮干し 小さじ1
- 保存はジップロックに入れて冷凍庫、または冷蔵庫で。

もちろん人間の料理用にも使えます。犬用の場合は、さらに少し薄めてもよいでしょう。
※昆布にはヨウ素が含まれるので、与えすぎには注意しましょう。
<真鯛のあんかけ>
- 出汁スープを作ります。水500〜600mlを鍋に入れ、出汁パックを1つ入れて火にかけます。
- 沸騰したら弱火で5〜6分煮出します。
- 今回使うのは100ml。残りは冷蔵庫に入れて保存したり、製氷皿に入れて小分けにして冷凍しておくと、また手軽に利用できます。
- 出汁スープに真鯛、ゆでた枝豆とニンジン、クコの実を入れて煮ます。
- 真鯛に火が通ったら取り出します。
- 葛粉(片栗粉でも)を小さじ1/2くらいの水で溶き、回し入れます。
- スープにとろみがついたら出来上がりです。

犬が食べる際には、具材を食べやすい大きさに崩してください。

犬の味蕾

舌の表面には味蕾(みらい)と呼ばれる味覚を感じる器官があります。この味蕾により、人間は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」などを感じることができます。そしてこれらの味が複雑に混じり合って、“美味しさ”を楽しむことができるのです。
人間の味蕾の中にある味細胞の数は数千~1万個程度とされ、大人になるにつれて次第に減少するといわれています。では犬の味蕾はどうかというと、人間の約1/5、1,700個ほどだそうです。
また、犬も人間と同じように「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」に加えて、近年の研究では「旨味」も感じているということが分かってきているそうです。犬たちも、「お出汁がきいていて、美味しいわ!」と感じている!? のかと思うと、とても興味深いですね。
人間と比べて味覚は少し鈍いけれど、犬は嗅覚が優れている動物です。食事に対しても、まず匂いで美味しいものであるかどうかが、判断の重要なポイントになるようです。国産のドッグフードの中にはかつお節が使われているものもあるように、かつお節、昆布、干ししいたけ、煮干しの出汁の香りは、(好みはあるでしょうが)食欲が増す、とても好きな香りでもあるようです。我が家の愛犬あんも、出汁の香りが好きなようで食が進みます。
「旨味」という味覚を持ち、出汁の香りを好む犬。あれこれ調味料で味付けをしない料理を食べる犬たちは、私たちよりも食材本来の旨味や香りを楽しみながら食事をしているのかもしれません。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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