二十四節気で3月5日頃のことを”啓蟄”といいます。冬ごもりの虫たちが目を覚ますこの頃。野山では山菜が芽吹き、桃のつぼみが膨らんでいます。最近では庭植え用の山菜の苗も出ています。そんな季節の風物詩をご自分で育てて味わってみませんか。
二十四節気 啓蟄 3月5日頃
山菜ガーデンのススメ
山菜ガーデンを作ろう
柔らかな春の陽に誘われて、虫たちが土の中から現れる季節です。桃の節句もちょうどこの頃ですが、桃の花より一足先に姿を現すのが山菜類。フキノトウにワラビ、ゼンマイ、ウルイ、ギョウジャニンニク…。山菜は古くから、野原や山裾に自生するものが採取されてきましたが、最近では山菜の苗が販売されており、故郷を懐かしむ思いとともに庭で栽培を楽しむ人が増えています。
山菜は林床の木漏れ日の中で育つものが多く、植物選びに悩みがちなシェードエリアの素材として最適です。日本に自生しているものばかりなので、とても育てやすく、よく増え、一度植えたら毎年姿を現す宿根草ばかりです。野山の中では落ち葉や動植物の死骸など、自然の堆肥を栄養として育っていますので、庭でも有機肥料を適宜与えるとよいでしょう。植えた年は株を充実させるために収穫を我慢し、山菜採りは2年目から楽しみましょう。
「春の苦味」の効能
ワラビやゼンマイを料理する際は、必ずアク抜きが必要です。重曹や灰を全体にまぶし、熱湯を注いで一晩さらしてから料理をします。フキノトウやウルイはそうした下処理の必要がなく、生でも火を通しても美味しくいただけます。料理人の間では「春は苦味を盛れ」といわれますが、草木の新芽を食べると身体が冬から春へ、季節の変わり目をスムーズに移行できるといわれています。
実際、近年の研究では特有の苦み成分はフキノール酸、ジカフェオイルキナ酸など、抗酸化作用の高いポリフェノール類であることが分かっています。これらの成分は胃腸の働きを促したり、精神的ストレスを改善し、生活習慣病などからも身体を守る効果が期待できます。「春の苦味」を庭で育てて、季節の到来を味わいましょう。
山菜パスタを味わおう!
お手軽山菜パスタの作り方
【材料】フキノトウ(他山菜類なんでも)、パスタ、塩、ベーコン、鷹の爪、ニンニク、オリーブオイル
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩を加え、パスタを茹でます。
- ベーコン、ニンニク、鷹の爪をオリーブオイルで炒めます。
- 縦に刻んだフキノトウを後から加えて炒めます。苦味をやわらげたい場合はさっと塩茹でし、少々水にさらしてから使います。
- 茹で上がったパスタと具材を和えれば完成。
フキノトウはチーズとよく合うので、お好みでパルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズを削りかけても美味しくいただけます。
コレがオススメ! 庭で育つ美味しい山菜
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