蚊の季節に! フレッシュレモングラスのチンキで虫除けスプレー
気温が高くなってくると、いよいよ虫が活発に動き出す季節がやってきます。蚊やノミ、マダニなどの虫は、感染症を媒介することもあるので、なるべく刺されたくないものですね。そこでハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが手作りするのが、虫除けスプレー。自宅で収穫したレモングラスでチンキを作り、精製水で薄めます。人にも犬にも使えるので、夏が来る前に、虫除けスプレーを手作りしてみましょう。
目次
蚊の季節
気温・湿度の高い日が増えてきました。いよいよ蚊、ノミ・マダニが活発になる季節がやってきます。先日も、ペットたちのフィラリア予防の案内が動物病院から届き、薬の服用を始めました。
虫の季節を前に、今年もそろそろ虫除けスプレーを作ろうと思います。
虫除けスプレーの作り方は、精油を使うもの、ハーブ蒸留水を使うもの、チンキを使うものなどがあります。今回は、手作りチンキを使ったスプレーをご紹介しましょう。
チンキとは
チンキというのは、ハーブをアルコール(ウォッカ、ホワイトリカーなど)に漬けて成分を抽出したものです。チンキ剤、またはティンクチャー(tincture) とも呼ばれます。
アルコールに漬けることで、お湯では抽出されないハーブの有効成分を効率よく引き出すことができます。長期保存できるのも嬉しいところです。
これからの季節でしたら、増えてしまったフレッシュハーブを間引きがてら収穫して使ったり、余ったハーブティー用のドライハーブを使ってもできますよ。
フレッシュレモングラスのチンキ
今回は、虫除けスプレーなので、防虫効果のあるレモングラスのチンキを作りましょう。私は、鉢植えのレモングラスを収穫して作ります。
<材料>
- レモングラス(生葉) 1束
- ウオッカ 200mlほど
(ホワイトリカーなどアルコール度数40度くらいのものでOK)
<作り方>
- 煮沸消毒した瓶の中に、レモングラスをカットして入れます。
- ウオッカを注ぎます。ひたひたになるぐらいまでが目安です。
- 冷暗所において、1日1回、瓶を振ります。2〜3週間で出来上がりです。
出来上がったチンキは遮光瓶に入れて保存するとよいでしょう。
チンキを使った手作り虫除けスプレー
手作りしたレモングラスチンキで、ペットも使える虫除けスプレーを作る方法をご紹介します。
<材料>
- チンキ 5ml
- 精製水 50ml
<作り方>
- スプレー容器に、チンキと精製水を入れてよく振ります。
- なるべく早めに使い切ります。
犬はシュッシュッというスプレーの音にびっくりしたり、香りを嫌がることがあります。犬にスプレーする際には、一度飼い主の手のひらにスプレーしてから、犬の被毛に軽く撫でるようにしてつけてください。
皮膚刺激のある成分も含まれていますので、肌の弱い人も犬も、様子を見ながら少量から使ってみましょう。
また、妊娠中の方や、イネ科アレルギーの方は使わないようにしてください。
レモングラス
レモングラスについては、ガーデンストーリーでもたくさんの記事が掲載されています。私もいつも参考にしています。
レモングラスはイネ科の植物。熱帯アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどでよく利用されているハーブです。トムヤムクンやラクサーなど、タイ、シンガポールをはじめアジアの代表的な料理にも使われていることはよく知られています。そのほか、胃腸の不調やインフルエンザなどの感染症の予防、発熱・炎症の緩和などに効果があるとされ、メディカルハーブとしても用いられます。
レモングラスは、シトラールという虫が嫌う成分を含んでいますので、虫除けスプレー作りにはおすすめのハーブです。
また、レモンのような爽やかな香りは、ハーブティーにしても美味しくいただけます。シンガポールの人気のカフェでは、紅茶にレモングラスの茎をマドラーのようにして、丸ごと使っているのを見かけました。「わー、こんな使い方もある!」と感心したのを覚えています。
レモングラスの株分け
レモングラスは暑さに強く、害虫もつきにくく、手間のかからないハーブ。私も地植えにしていたところ、大きく育ち、周りの植物の邪魔になってしまいました。そこで、株分けしてコンパクトに仕立て直すことに。5〜6月が株分けに適した時期です。愛犬あんが見守る中、レモングラスを掘り上げてみました。
根がぎっしりです! いくつかに分けて、一つは鉢植えにして、あとはあまり邪魔にならないところへ植えました。
ひと株あると、何かと便利なレモングラス。皆さんも庭や鉢植えで育ててみませんか?
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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