春になると、あちこちで見かける可愛らしい黄色い花・タンポポ。雑草ともいわれる野草ですが、じつは、私たちの生活に役に立つハーブだということをご存じですか? 今回は、タンポポの効能に加えて、花を活用して作る「タンポポ蜜」の作り方をご紹介します。
目次
雑草のイメージが強いタンポポ、じつはハーブです

空き地、土手、道端のコンクリートの隙間まで、春になると身近な場所でよく見かけるタンポポ。可憐で明るさを感じさせる黄色い花から、真っ白な綿毛のタネまで、可愛らしい姿ですが、繁殖力の強い野草です。環境省の要注意外来生物に指定されているし、雑草のイメージも強い…そのタンポポが、じつはハーブ!
そもそもハーブとは、私たちの生活に役に立つ、香りのある植物の総称。タンポポも古くから暮らしの中で活用されてきました。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、肝臓や胆のうの不調に利用されていますし、日本でも明治時代頃まで、花を天ぷらにしたり、茎をきんぴらにして食べていたそうですよ。
和名は西洋タンポポで、英名は「Dandelion(ダンデライオン)」といいます。ギザギザの切れ込みが入ったタンポポの葉を、荒々しいライオンの歯並びに見立てた名前です。原産地のヨーロッパでも、葉・花・根と全草が利用されてきた歴史があります。
タンポポの薬効・効能は?
タンポポは、全草に薬効成分があり、多糖類の一種・イヌリンや、ビタミン・ミネラルなどを含みます。葉・花・根を使用し、薬効が集中しているタンポポの根を乾燥させたものが、中国伝統医学で使われる生薬・「蒲公英(ホコウエイ)」です。
タンポポのお茶は、利尿作用が高く、体内の毒素や老廃物の排出を促す作用があり、むくみや膀胱炎の予防・ケアに使われています。タンポポは、フランス語で別名・ピサンリ。意味は、おねしょ。優れた利尿作用があることから、こう呼ばれているそうですよ。
また、ヨーロッパでは健胃薬として知られており、肝臓や腎臓、消化器系の働きを高め、消化不良や便秘を解消する作用も。また、葉や根がハーブティーとして流通しており、特に、タンポポの根を炒って抽出した「タンポポコーヒー(タンポポ茶)」は、カフェインを含まないので、代用コーヒーの一つとして、妊娠中・授乳中の女性に人気があります。
さて、気になるその味は? 麦茶に近いような感じです。
※キク科のアレルギーがある方は使用を避けましょう。
※胆汁管や胆のうに炎症などの症状がある方はタンポポ根の使用は避けましょう。
タンポポ蜜を作ってみよう!

我が家の庭では、タンポポの花がいっぱい咲いていて、ミツバチたちがせっせと蜜を集めている様子が見られます。ということは、おいしいのかしら? と思って調べてみると、タンポポ蜜というものが作れることが判明! さっそく試してみました。
【材料】
◯タンポポの花 100個(60g程度)
◯水 250ml
◯砂糖 400g ※今回は素焚糖を使用しました
◯オレンジ 1/2個
◯レモン 1/2個
◯保存瓶 ※今回使用しているビンは、容量340mlです
【作り方】
1. タンポポを摘みます

タンポポの花が咲く期間は、約3日。朝につぼみを開き、夕方には閉じるので、摘み取るのは花が咲いている時間にしましょう。摘むと、親指が黒くなってしまうので、気になる方は手袋をしてくださいね。また、虫がいないか、虫に食われている跡がないかなども見ながら、摘んでください。
2. ざるに並べて、虫のチェックをしましょう

タンポポの花には、アリや虫が付いていることが多いので、このまま家の中に入れるのは、危険です(笑)。ざるやトレイに並べて、振ってみると、虫たちが出てきます。この作業をして、いったん外に放置しておきましょう。
3. 鍋にタンポポと水を加えて、6時間ほど放置します

私は洗わずに使用しました。洗ってしまうと、せっかくの花粉が流れてしまいます。洗いたい場合は、軽く洗う程度にしましょう。

6時間後には、水に色が染み出しています。
4. オレンジとレモンの皮をむき、鍋に入れます

5. 火にかけて沸騰したら、砂糖を投入。弱火にして40~50分コトコト煮ます

とろみがついてきます。ここで煮詰めすぎると、飴になってしまいますので、様子を見ながら時間を調整してください。
6. フィルターなどを使用して濾し、保存瓶に入れて、完成です

タンポポ蜜の使い方
作っている時、花粉の香りが漂ってきて、幸せな気持ちになりました。味は、さっぱりしたはちみつのよう。オレンジ・レモンと一緒に煮たので、爽やかさもあります。個人的には、はちみつより好みかもしれません。私は、ヨーグルトに混ぜたり、お湯にといて飲んだりと、甘味が欲しい時に使っていますよ。作ったものは、早めにお召し上がりくださいね。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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