今日は、いつもの料理をちょっとスペシャルに変えてくれる、ハーブのお料理をご紹介します。ハーブを料理に使うというと、なんだかハードルが高そうに思いますが、馴染みのあるシソやショウガを使うのと何ら変わりはありません。一緒に作ってみましょう!

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ハーブってどんな植物? ハーブを摂ることのメリットは?

ハーブってどんな植物?ハーブを摂ることのメリットは?

そもそもハーブとは、生活に役立つ香りのある植物を指す言葉。生活に役立てることが、ハーブを使う醍醐味です。

その昔、薬がなかった時代には、腹痛の時にはこの草を、傷の手当にはこの草を、といったように自分たちに必要な草をどんどん見つけていった歴史があります。成分分析ができるようになった現代では、それぞれの植物がもつ有効成分も分かってきて、より私たちの暮らしを助ける根拠も示されるようになりました。

加えて、ハーブの摂取を続けることにより、本来生まれながらにして持っている自己治癒力を高めてくれる効果もあります。日々の料理やお茶にして摂取することは、心身の健康づくりにも繋がっていますよ。

ハーブをお肉料理に使おう! 気になる組み合わせは?

ハーブをお肉料理に使おう!気になる組み合わせは?

そんなハーブをお料理に使ってみましょう。ただ、ハーブにはさまざまな種類がありますから、組み合わせは? 量は? といろいろ悩んでしまいがち。そこで、今回は肉料理におすすめのハーブについて、ご紹介していきます。

まず、ハーブを料理に使うメリットは、肉類の持つ独特の生臭さを消して、おいしくしてくれること! 香りのある植物なので、臭み消しに役立ちます。牛や羊など、においが気になる肉料理にはハーブを使ってみましょう。

一般的に、お肉料理に向くハーブは、ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、バジル、パセリ、ミント類です。ここで大事なことは、1種類より複数の種類を使ったほうが、まろやかになる点。複数混ぜると、より強さが増しそうな気がしますが、逆です。1つずつの強さが丸くなり、ハーブの香りが複雑になって、調和するんです。意外ですよね。

また、肉料理におすすめのハーブを記述しましたが、それでなければならない訳ではありません。自分好みのハーブを見つけることも、楽しみの一つととらえ、いろいろ試してみてください。

ハーブを料理に使うなら、買うのではなくて育てよう!

ハーブを料理に使うなら、買うのではなくて育てよう!

お料理やお茶に、ハーブが使えることが分かったら、庭やプランターでハーブを育ててみましょう! 種類がたくさんありますから、自分の今ある環境や、ライフスタイルに合ったハーブがきっと見つかります。

自分で育てたハーブを家族と共に食べ、恩恵を受けること。これはガーデンセラピーという自然療法になります。土に触れ、植物を育てることでストレスを減らします。

また、土を持ったりしゃがんだり…と意外と体を使うのも、植物を育てている方は感じてらっしゃるかもしれません。軽く汗をかく運動は、心身の健康を維持する上でとても大切。

加えて、清々しいハーブの香りを感じたり、おいしいものが収穫できれば、一石二鳥以上の効果も期待できます。家族との会話や笑顔も増えますし、お子様の教育にも繋がりますね。

庭をめぐって、ハーブの調達をしよう

さて、そんなハーブを使っておいしい一皿を作ってみましょう。まずは、庭をめぐって、お肉料理に向くハーブの調達から。5種類のハーブを摘んできました。

左から、オレガノ・ローズマリー・ローレル・タイム・パセリ
左から、オレガノ、ローズマリー、ローレル、タイム、パセリ

冬はハーブが少なくなりますが、常緑のハーブたちが重宝しますね。フレッシュハーブは、わざわざ乾燥させる必要はありません。フレッシュを使う場合は、1回の量が多めに。今回のお料理では、片手のひらいっぱいくらいが目安です。

また、ドライハーブを使うこともできます。ドライハーブの場合は、水分が抜けているため、小さじ1~2杯くらいで充分です。

ハーブを飲食する場合、注意してもらいたいことがあります。それは、各ハーブにより食べられる場所が変わること。花・種・葉など、それぞれのハーブによって食べられる部位が異なりますので、調べてから使いましょう。

ハーブとランプ肉のトマト煮の作り方

いよいよ、ハーブとランプ肉のトマト煮を作っていきますね。

【材料】

◯牛肉(ランプ) 200g

牛肉(ランプ)

脂肪分が少なく、柔らかいのが特徴。牛の腰から背中にかけての部位です。

◯オリーブオイル 大さじ1

◯にんにく 1片

◯玉ねぎ、しめじ、じゃがいもなど、お好みの野菜 適量

◯トマトピューレ 200g

◯水 200ml

◯ハーブ フレッシュなら手のひらいっぱい/ドライなら小さじ1~2杯

◯オレガノ、ローズマリー、ローレル、タイム、パセリから、2~3種類

◯コンソメ 小さじ1

◯塩コショウ 適量

◯タコ糸またはだし袋

【手順】

1. 牛肉に塩とコショウを振り、適当な大きさにカットします。

2. フレッシュハーブをまとめてタコ糸でくくるか、だし袋に入れます。

フレッシュハーブをまとめてタコ糸でくくるか、だし袋に入れます

食べる時に茎や葉が残ると、口当たりがよくないので、フレッシュハーブを使用する場合は、タコ糸でくくるか、だし袋に入れておくと後で取り出しやすく便利です。ドライを使う場合は、7の工程時、そのまま入れて大丈夫です。

3. 鍋にオリーブオイルを入れて熱し、すりおろしたにんにくを加えます。

4. 香りが立ってきたら、牛肉を入れて、両面焼きます。

5. たまねぎを加えて炒め、色が変わったら、じゃがいもとしめじを入れて、さらに炒めます。

6. トマトピューレと水、コンソメを加え、軽く混ぜたら、ハーブを投入します。

トマトピューレと水、コンソメを加え、軽く混ぜたら、ハーブを投入します

7. 弱火で20~30分煮込みます。じゃがいもに火が通ったら、味を見て、塩コショウで整えたら完成です。

完成

ハーブがあると、いつもの一皿がちょっとスペシャルになるから不思議です! 毎日の献立に悩んだら、簡単にできるハーブ料理、ぜひお試しくださいね。

Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)

花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。

生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/

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