チキンワイヤーネットで作るクローシュとイースターアレンジ

長く厳しい冬が終わり、光あふれる春の訪れを告げるイースター。パステルカラーに染めた卵を使ったアレンジにクローシュというフードを添えて、イースターらしいフラワーアレンジを飾ってみませんか。イースターのフラワーアレンジレシピを教えてくれるのは、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さん。可愛いイースターアレンジを飾って、春の訪れを楽しみましょう。
目次
イースターのアレンジにクローシュを手作り
イースターは、毎年日付が変動します。それは、「春分の日のあとの、最初の満月の次の日曜日」と決められているからです。2023年は4月9日がイースターです! さあ、春の訪れを大いに楽しみましょう。
イースターといえば、イースターエッグ。イースターカラーで色付けした卵を器にして、可愛らしい小さな花をアレンジしませんか。今年は、海外のガーデニング雑誌で見かけるような、クローシュというフードも添えてみましょう。亀甲に編まれたチキンワイヤーネットを丸めて手作りします。
このクローシュは、もともとは家庭菜園のレタスのような葉物野菜やイチゴなどを、野生動物から保護するために使われるもの。部屋の中では、観葉植物やキャンドルにかぶせて、ペットたちのいたずら防止に使ったり、愛犬のおやつのつまみ食いを阻止するのにも役立ちそうです。インテリアとしても、このクローシュがあると、ちょっとだけヨーロッパの田舎風に見えたりして。
チキンワイヤーのハンドメイドクローシュで、イースターアレンジを楽しみましょう。
準備するもの

- チキンワイヤーネット 幅40×長さ約80cm
*チキンワイヤーネットは、花資材を扱うサイト、ホームセンターなどで購入できます - リボン
- 脚付き器
- 山ごけ
- 吸水性スポンジ
- 生卵 2〜3個
*殻だけを使います - 着色用の色粉(紫、ピンクなど)
- 酢(なくても大丈夫です)
- 容器
- 卵の殻に入れる小石
- 飾り用のフェイク卵(色付き)
- 小さな花、茎の短い花
*今回使用したのはパンジー、ビオラ、プリムラ、ミモザ、球根付きのムスカリ
イースターのアレンジの手順
<たまごの着色>

花器にするたまごを染めます。
- 生卵の、上から1/4あたりで割り、中身を出します。
- きれいに内側を洗い、乾かしておきます。
- 容器(ボウルなど)にぬるま湯(40〜50℃)を入れて、色粉を溶かします。
*色粉の量はお好みで。色の濃さを見て調整してください。
*卵の殻全体が漬かるような深さのある容器のほうが、ムラなく染まります。 - 酢を2〜3滴入れて混ぜます。
- 卵の殻を液の中に入れて、色がつくまで漬けておきます。
- 色がついたら、取り出して乾かします。

<チキンワイヤーネットのクローシュの作り方>
- チキンワイヤーネットを、器の大きさに合わせて筒状に丸めます。その際、器より大きくなるように注意します。
- ネットの亀甲の形を合わせるようにして整えます。
- 左右の両端のワイヤーをからげるようにして留めます。
*ワイヤーの切り口に注意してください。
*難しいようでしたら、セロテープで留めてもかまいません。
- 筒状になったネットの、上から1/3〜1/4くらいのところを絞ります。
- 絞った部分にリボンを巻きます。
<アレンジの手順>
- 器の中に吸水性スポンジ(乾いたまま)を入れます。
花器用の卵を置く場所をあらかじめ決め、その部分のスポンジを少し削ってくぼみを作ると卵が安定します。 - 山ごけをスポンジを隠すように置きます。
- 吸水性スポンジのくぼみに合わせて、着色した卵を置きます。その際、卵の中に小石を入れると安定します。
- 卵の中に水を入れて、ビオラなど茎の短い花を彩りよく入れます。
- 球根付きのムスカリを、山ごけの中から出ているように置きます。
- 飾り用のパステルカラーのフェイク卵を置きます。
- チキンワイヤーネットのクローシュをかぶせます。

出来上がり。

アレンジメントの花材はイースターらしいカラフルで小ぶりな花がぴったり。ワスレナグサやスプレーバラ、デルフィニウム、ユキヤナギやストックなどもおすすめです。ハーブ類などでフレッシュなグリーンをプラスしても素敵ですね。また、ウサギ形のピックなどで飾り付けてもよいでしょう。
イースターバニーとイースターエッグ

イースターは、キリストの復活をお祝いする日ではありますが、同時に春の訪れを祝うお祭りでもあります。
ヨーロッパの冬は厳しく長く、植物も動物も長い休眠のとき。けれども春になれば、木々は一斉に芽吹き、花が咲き、草木で山々はうっすらと色づいて、まさに「山笑う」ときがやってきます。キリストが復活したという姿と重ねて、大いに喜ばしい、ウキウキ、キラキラした季節がイースターです。
この時期ヨーロッパに旅行すると、パティスリーやブーランジェリー、インテリア雑貨店、ブティック、デパートなど、街中のウィンドウがイースターカラーに彩られ、ウサギ、ニワトリ、卵のモチーフをたくさん目にします。ウサギは多産で子孫繁栄の象徴。卵は生命の始まりや復活の象徴ということで、ウサギと卵は、イースターには欠かせないものなのです。ちなみにイースターバニーは、イースターの前にイースターエッグを運んできて、庭のあちらこちらに隠します。子どもたちが卵を探すエッグハントは、ホワイトハウスでも毎年の恒例行事ですね。
大人も子どもも、イースターバニーとイースターエッグを見ると、「あぁ、イースターなんだな〜、春なんだな〜」と感じるでしょうね。
イースターカード

ブダペスト在住中、3月に入ると、文房具店や本屋さんなどでイースターのポストカードやグリーティングカードが売られているのをよく見かけました。イースターバニーや、イースターエッグのカードが並んでいるコーナーは、パステルカラーでとても明るい雰囲気でした。イースターバニーに誘われて、みなさん足を止めて楽しそうにカードを選んでいました。
当時はもうすでにEメールが一般的になっていたのですが、まだまだ郵便でカードを送る習慣があったのだなと、今でも手元に残っているカードを見ると感心します。私もハンガリーの方を見習って、どなたかにイースターカードを送るつもりだったのかなと思いを巡らせましたが、どうも思い出せません。
日本でも、年賀状や暑中見舞いのはがきを出す風習はどんどん薄らいでいます。季節のカードを送り合うというのは、やはり素敵なことだなとあらためて思います。
講師紹介

海野 美規(うんの みき)
パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。http://www.annegarden.jp
『ガーデンストーリー』にて、2017年10月サイトオープン時から季節のアレンジメントと愛犬と健やかに暮らすための料理や工夫などをテーマに執筆中。自宅で定期的にアレンジメントのレッスンを開催。
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