突然ですが、妻を愛していますか? その愛は妻に伝わっていますか? シャイボーイが多い日本では、「愛してるよ」とストレートに言える夫は少ないようですが、言葉以外にも愛を伝える方法はあります。プレゼント? 家事をする? それも悪くはありませんが、妻側からすれば、どうも付け焼き刃感が否めません。ではどうすればいいのか。花を育てましょう。愛する妻のために、花を育ててください。
目次
世界で初めての愛妻家宣言は日本人だった?!
1月31日は「愛妻の日」です。え? いつからそうなったの、初めて聞いたんだけど…と思われるかもしれませんが、2004年に日本愛妻家協会によって定められたので、もうそういうことでお願いできれば幸いです。同協会によると、名誉会長を務めるのは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。日本書記によると、1,900年前に妻の弟橘姫(オトタチバナヒメ)の訃報を旅先で聞き、人目もはばからず「吾が妻恋し・・・」と叫んだことが伝えられています。これが同協会によって世界で最初の愛妻家宣言と認められ、名誉会長に就任しました。
協会の活動理念は、簡単に言うと「『サステナブルな夫婦環境を保全するワイフコンシャスなライフスタイル』という感じ」だそうで、事業計画の一つに、1月31日の「愛妻の日」午後8時、夫は食卓について妻へ感謝とねぎらいの言葉をかけることが挙げられています。ぜひ妻へ言葉をかけ、何ならその食卓のご飯を作って片付けして、マッサージもしてあげたらいいと思います。でも、恥ずかしくって(もしくは恐くて)言えないという場合には、次の方法をご提案します。
妻をいたわる植物を育てよう
植物の香りのなかには人の心身へ作用するものが多くありますが、なかでも女性の身体によい影響を与える種類がいくつかあります。女性は主に50代前後に更年期というものが訪れ、それまで何でもなくできていた家事や仕事、人付き合いなどが急にハードに感じられることがあります。具体的には、異常な身体の火照りや発汗、倦怠感、めまい、頭痛、動悸、イライラ、憂鬱などじつにさまざまな症状が表れます。こうした更年期の症状に効果があるのが、バラの香りです。
更年期に効果的なバラの香り
更年期の症状は、エストロゲンという女性ホルモンが年齢とともに減少することが要因にあげられますが、バラの香りをかぐことによって、エストロゲンが分泌されることが近年の研究によって分かっています。ある検証では、1カ月間バラの香りに包まれる生活をしたところ、エストロゲン数値が約2.5倍以上増えたという結果が報告されています。ただしバラは、花屋さんで売られている切り花と、栽培用のものとでは種類が異なり、切り花には香りのあるものがあまりありません。妻の身体を気遣うなら、香りのあるバラを育てるのが最善の方法です。存分に香りを楽しめるように、庭をバラでいっぱいにしてみてはいかがでしょうか。お医者様のように処方はできなくても、ガーデニングなら誰でもできます。妻のために、まずは香りのよいバラを選んでみましょう。
エストロゲンに効果的なバラのダマスク香
バラの花を選ぶ際、参考にしていただきたいのがバラの香りの名前です。バラの香りは品種によって少しずつ異なり、その特徴によって「スパイシー香」や「ティー香」「フルーティー香」など、香りにも名前があり、いくつかに分類されています。その中で最も有名なのが「ダマスク香」。ダマスクローズという香水の原料となる香りで、甘く濃厚です。エストロゲンを分泌させるのは、正確にいうとバラの香りのなかでもゲラニオールという成分で、ダマスク香の成分の一つ。日本が生み出した名花に大輪の‘芳純(ほうじゅん)’という品種がありますが、この花はダマスク香に分類される花で、ゲラニオールを多く含んでいることが分かっています。
気持ちを落ち着かせるティー系の香りもおすすめ
バラの香りの第一人者であるパフューマリー・ケミストの蓬田勝之氏の研究によると、「ティー系」と呼ばれる香りには鎮静効果やストレス軽減、免疫向上などの効能があることが分かってきました。リラックス効果のある香りの代表としてはラベンダーがよく知られていますが、ティー系のバラの香りは、その4〜5倍の鎮静効果があることが脳波の測定実験によって証明されています。イライラしたり不安になったりすることが多い場合には、「ティー系」のバラがおすすめですが、嬉しいことに、近代に生まれたモダンローズのほとんどに、この香りは含まれているそうです。
ローズゼラニウムの香りも効果あり!
バラの香りにさまざまな効能があることはお分かりいただけたと思いますが、とはいえバラが咲く時期は限られています。主にバラの開花期は一季咲きは5〜6月。四季咲きは10〜11月にも咲きますが、いつでもバラの香りをかげるわけではありません。でも大丈夫。一年中香りをかげる植物があります。それがローズゼラニウム。フウロソウ科の常緑低木で、暑さに強く一年中緑の葉を茂らせ、蝶々のような可愛い花も咲かせます。葉にはバラと同様にゲラニオール成分が多く含まれ、この植物の香りにも更年期症状を改善したり、髪や肌の状態をよくする効果があることが、日本アロマ環境協会から発表されています。
丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめ。暑さには強いですが、寒さには弱く、霜にあたると枯れてしまうので、鉢植えで育てて冬は室内に入れて香りを楽しむとよいでしょう。葉っぱを手でちょっとこするだけで香りが立ち、簡単にゲラニオール効果が得られます。
愛が深まるかも?! 男性に効果的な香りもあり!
一方、愛妻のほうから夫をいたわる植物としておすすめのものもご紹介しておきましょう。それはジャスミン、ローマンカモミール、クラリーセージ。長崎大学大学院と日本アロマ環境協会の共同研究によって、これらの植物の香りには、減少することで男性更年期障害の原因となるテストステロンを分泌させることが分かりました。テストステロンは男性ホルモンの一種で、活力や恋愛意欲の向上、筋肉量の増加などの働きがあるといわれています。テストステロンは男性が自身の好みの異性を見たときに多く分泌されるといわれているので、これらの植物の香りを夫にかがせるときには、妻が目の前にいることをおすすめします。妻へ恋したときの気持ちが蘇り、愛が深まるでしょう。
ガーデニングで夫婦円満に
1月31日は「愛妻の日」ですが、愛はその日一日で伝わるものではありません。日々、相手を思いやりながら植物を育てて、花の香りをともに楽しんでみてはいかがでしょうか。植物たちが夫婦円満を応援してくれますよ。バラはもちろん、さまざまな植物の育て方をガーデンストーリーではたくさんご紹介していますので、ぜひご参考に。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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