冬の手荒れ対策に夜の集中ケア! フランキンセンスのハンドクリームの作り方
アロマセラピーで使用する精油は、単に香りを楽しむだけにとどまりません! 精油の香りを付けた化粧水やルームスプレー、ヘアワックスなど、日用品を手作りすることができちゃいます。加えて、お肌の悩みや、心の状態にもプラスの作用をもたらしてくれます。そこで今回は、この時期荒れてくる手を集中ケアする目的で、フランキンセンス精油を使って、ハンドクリームを作っていこうと思います。
目次
アロマセラピーとは?
アロマセラピーは、日本語では芳香療法と訳されます。植物から採れる揮発性の芳香物質・精油を使って、暮らしの中で香りを楽しみながら、心身の健康を保つ目的で、古代から長く続いてきた植物療法の一つです。精油は手に入りやすいものだけでも数百種類あり、それぞれの香りで私たちにもたらされる恩恵(作用)が変わります。アロマセラピーでは、香りを楽しむのはもちろん、精油の持つ作用を活用して、日用品を作ることもできます。
添加物もなく、安全安心のものを作れるのも魅力。また、季節や心身のバランスによって分量を調整したり、テクスチャーを変えたり、香りを変えたりと、私は、日々精油を使った手作りアイテムを楽しんでいます。
集中ハンドケア用クリームを作ろう! 材料とおすすめの精油
水仕事が多い女性は、日頃から手が荒れがちになりますね。冬はなおさらです。そして、土いじりをする方はさらに手荒れが進み、ハンドクリームが手放せないという方も多いかもしれません。
そこで今回は、ハンドリームの作り方をご紹介していきます。私は日中、こまめに塗りなおすことが難しいので、夜の集中ケアとして、これを厚塗りし、綿100%の手袋をして寝ることにしています。寝ている間に、手袋はどこかにいってしまいますが(笑)、朝起きると、手がふっくらしている印象です。特に冬は、このケアを数日さぼると手がしわしわになってくることを実感しており、自家製ハンドクリームが手放せません。
材料は、3つだけととてもシンプル。
ホホバオイル
南米などの砂漠に生えているツゲ科・ホホバの堅果を圧搾して採れるオイル(植物油)です。人間の皮膚表面を覆う酸性皮膜を整え、肌のバランスを保ちます。浸透が早く、べたつくことがありません。肌を保護して柔軟に保ってくれます。
写真の精油は、未精製なので色がついていますが、精製された白色のものも売られています。ホホバオイルは、低温になると固まります。これは成分によるもので、変質したのではありませんので、ご安心ください。使用する時に固まっていたら、常温に戻して置いておくか、ぬるめの湯煎にかけて溶かしましょう。
みつろう
みつろうとは、ミツバチが巣を作るときに分泌する、ろうの成分。ビーワックスとも呼ばれます。人の皮脂にも含まれる成分なので、肌馴染みもよく、保湿作用に優れています。手作りアロマグッズではよく使われるアイテムで、軟膏やハンドクリームを作る際に使います。脱臭や漂白をしているものは白く、それを行っていない未精製のものは黄色い状態で売られています。未精製のみつろうには、ほんのりハチミツの香りが残っています。
皮膚再生作用のある精油
冬の間のかさつきをケアしてくれるのは、皮膚再生作用を持つ精油。植物100%である精油は、前述したように肌によい働きをもたらしてくれます。今回は、フランキンセンス・オレンジ・ラベンダーを組み合わせていきます。
〇フランキンセンス
カンラン科の樹脂から採れる精油です。皮膚の再生を促し、皮膚にハリを与えしわやたるみの予防におすすめの精油。また、肌を引き締める作用や、皮脂バランスを取る作用もあるので、スキンケアにぴったり!
香りは、ウッディ・スパイシーな香りの中に、ほのかに柑橘の香りがします。オリエンタルな雰囲気を感じるかもしれません。ただ、香り自体はそこまで強くはありません。これだけで使うより、次にご紹介するオレンジやラベンダーなど、ほかの精油と合わせることによって深みが増しますよ。
〇オレンジ
スイートオレンジの皮を圧搾して採った精油です。オレンジには血行を促し、老廃物を排出する働きがあり、肌の調子を整えてくれます。肌のくすみが気になる時にも〇。また、オレンジ精油の主成分であるリモネンは保湿力が高いため、肌にうるおいをプラスしてくれる作用もあります。
甘いオレンジの香りは、気持ちをホッとさせ、リラックスと安眠を促す作用があります。圧搾法で採られた精油は、光毒性がありますので、肌についたまま日光に当たるとシミの原因になります。オレンジの精油を使用した場合は、ナイトケアクリームとして使いましょう。
〇ラベンダー
真正ラベンダーの花から採れる精油です。ラベンダーは新しい細胞の成長を促す作用があります。かさついているお肌や、乾燥性の湿疹ができている時にも、おすすめです。また、庭仕事でやりがちな、枝葉による傷がついた肌の修復にも〇。
香りは、フローラルの中に青い香りが楽しめます。通経作用があるので、妊娠中の方は使用を避けましょう。
この3つの材料は、アロマショップで購入可能です。精油を選ぶ際には、専門家のいるお店で、実際に香りを確かめられると安心ですね。
冬の集中ハンドケア! 精油ハンドクリームの作り方
それでは、作っていきましょう。
【材料】
◯ホホバオイル 30g
◯みつろう 4g
◯精油 フランキンセンス 3滴/オレンジ 2滴/ラベンダー 1滴
◯ガラスやアルミ缶など耐熱容器 30g用
◯ビーカー
◯竹串
【作り方】
1. ホホバオイルとみつろうをビーカーに入れて、湯せんにかけます。
2. みつろうが溶けたら火から下ろし、粗熱が取れるのを待ちます。
3. 粗熱が取れたら、精油を入れて、竹串でよくかき混ぜます。
その際、精油は振らず、自然にポタポタと垂れてくるのを待ちましょう。精油は量が多ければいいというものではありません。適量を守らないと、逆に皮膚刺激になってしまうこともあります。今回は、オイルの量に対して精油の濃度が1%以下になるようなレシピになっています。精油を振ってしまうと、この濃度が不正確になるので、垂れるまでゆっくり待ってくださいね。
4. 手早く容器に移し替えて、完成です。
ハンドクリームは、指関節2つ分ほど手に取り、しっかり手指に擦り込みます。作ったものは、2カ月程度を目安に使い切りましょう。
<注意点>
手作りアイテムは、使用前にパッチテストを行い、自己責任でお楽しみください。また、精油は薬ではありません。健康状態が気になる方は医師にご相談ください。
Credit
写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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