1月のお菓子ガレット・デ・ロア。愛犬用には、カボチャとリンゴ入りのパン・デ・ロワ

1月に食べる、美味しくて楽しいお菓子、ガレット・デ・ロワ。パイ生地タイプのものが一般的ですが、これをパン生地にアレンジして、犬も一緒に食べられるパン・デ・ロワを作りましょう! レシピを教えてくださったのは、ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さん。パン・デ・ロワにはカボチャとリンゴも入れて、ほんのり甘くて栄養のある、季節のおやつを楽しみましょう。
目次
1月のお菓子「ガレット・デ・ロワ」
年が明けると、ケーキ屋さん、パン屋さんに、ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)という名前のお菓子が並びます。
ガレット・デ・ロワは、1月6日のエピファニーの日に食べるお菓子です。エピファニー(公現節)とは、クリスマスから12日目の1月6日に、東方の三賢者によってキリストが生まれたことをみんなが知る日。これをお祝いして食べた甘いお菓子ということです。
ガレットは、円形に平たく焼いたお菓子の総称です。サブレやクッキー、クレープなどもガレットと呼ばれます。そしてロワは王様。ガレット・デ・ロワは「王様のお菓子」という意味のフランスのお菓子です。伝統的なガレット・デ・ロワは、アーモンドクリームが入ったパイ生地のケーキ。このタイプが一般的なのかと思っていましたが、南仏では、ブリオッシュ生地にリンゴなどのフルーツを入れてリース型で作る、どちらかというとパンのようなものもあるそうです。
ガレット・デ・ロワに類似するお菓子は、フランス以外にもスペイン、ポルトガル、ベルギー、スイスなどに古くから存在しているとのことで、国や地方によって、いろいろなガレット・デ・ロワがあるようです。
今年は、南仏のブリオッシュ・デ・ロワを真似して、ノンシュガーでバターなし、犬も食べられる「パン・デ・ロワ」はいかがでしょうか。
冬至にカボチャを食べる風習
パン・デ・ロワに、犬も大好きなカボチャとリンゴを入れて、ほんのり甘くしたいと思います。
カボチャというと、収穫は夏の終わりから秋ですが、他の野菜に比べて保存がきき、保存中の栄養価の損失が少ないのが特徴です。
冬至の頃になると野菜の収穫は終わり、昔はハウス栽培もないのですから、野菜が品薄となります。そんな時期に、保存しておいたカボチャはとても貴重な食材でした。「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」といわれますが、「冬至にカボチャ」は、緑黄色野菜の少ない冬にカロテンやビタミンの多く含まれるカボチャを食べて、抵抗力をつけようとした昔の人々の知恵だったということです。冬至にかぼちゃを食べる風習は、江戸時代中期に根付いたそうです。
このカボチャにシャキシャキのリンゴもたっぷり加えて、ジューシーにさらにおいしくしましょう。
パン・デ・ロワの材料(直径20cmエンゼル型1個分)

- 国産強力粉 250g
- 白神こだま酵母 5g
<酵母用のぬるま湯(35℃) 大さじ1> - ぬるま湯(35℃) 200ml
- カボチャ 100g(皮と種を取り除く)
- リンゴ 1/3個
- ヨーグルト 大さじ3
パン・デ・ロワの作り方
- カボチャを適当な大きさにカットして、レンジで柔らかくします。フォークなどで粗く潰しておきます。
- リンゴを5mm角ほどにカットし、ヨーグルトと和えます。少し時間をおき、コーヒーのドリッパーなどで水切りをしておきます。
- 白神こだま酵母にぬるま湯を入れて溶かします。
- エンゼル型に油(分量外)を薄く塗っておきます。
- ボールに強力粉を入れて、③とぬるま湯を入れてよく混ぜます。
- 表面が滑らかになるまで捏ねます。
- ボールに生地を戻して、ラップをして1次発酵へ(30℃前後で40分くらい)。
- 生地が2倍くらいに膨らんだら、ボールから取り出し、空気を抜いてひとまとめにして15分のベンチタイム 。
- 生地を綿棒で長方形に伸ばします。
- 生地の手前に、①のカボチャと②のリンゴをのせます。
- フェーブを入れます。
※フェーブはガレット・デ・ロワの中に隠し入れる陶器でできた小さなフィギュアのこと。
- 手前から生地を巻いていきます。
- エンゼル型にロール状にした生地を入れます。
- 二次発酵へ(40分くらい)。
- 170℃で40分ほど焼きます。
出来上がり。

犬には、フェーブが入っていないことを確かめてからあげましょう。
ガレット・デ・ロワに欠かせないフェーブと王冠

ガレット・デ・ロワに欠かせないのは、フェーブと王冠です。
フェーブは、ガレット・デ・ロワの中に1つ隠し入れるもので、陶器でできた小さなフィギュアです。ガレット・デ・ロワを切り分けて、フェーブが入っていた人が当たり。その人は紙の王冠をかぶって、その日の王様、女王様になれます。そしてその年は幸運に恵まれるのだそうです。
家族や友人が集まる機会が多い1月いっぱいはこのお菓子が売られているということですから、何回も王冠をかぶるチャンスがあります。


もともとは、フェーブ=そら豆ということで、白い陶器製のそら豆だったそうですが、いつの頃からか、可愛い動物やカラフルなスイーツのフェーブが登場して、たいへんな人気になっているとか。
フランスでは、有名なパティスリーやブーランジェリーのオリジナルロゴの入ったフェーブもあるようです。

私の持っているフェーブは、この4つ。なんとも愛嬌のあるキツネとオオカミとセントバーナード。もっと仲間を増やしたいと思ってしまいます。小さなフェーブは、ガレット・デ・ロワの季節だけでなく、一年中飾っておきたくなる可愛さです。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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