ハーブの束「ブーケガルニ」を使おう! 野菜とチキンのハーブ煮込みの作り方

ブーケガルニという数種類のハーブの束を使って作る料理をご紹介します。ハーブが入ると、いつものお料理がぐんっとおいしくなるから不思議。料理上手になった気もしてしまいますが、これはハーブのなせる業! ハーブをおいしく食べて、心身の健康づくりに役立てるガーデンセラピーを一緒に始めましょう。
ガーデンセラピーとは?
植物と共に暮らすことは、メリットがたくさんあり、ストレスを減らして、病気の発生を抑え、健康づくりにも役立ちます。単なる趣味や娯楽ととらえられがちな、ガーデニングやアロマセラピーなどは、私たちの心身の健康維持にとても大きな役割を持っているのです。
このように暮らしの中で植物から癒しを得ることを「ガーデンセラピー」と呼びます。ガーデンセラピーは、園芸・食事・芳香・森林・芸術療法の5つの自然療法の総称。今回はその中の1つ、食事療法をご紹介していきますね。
ハーブで減塩! ガーデンセラピーの食事療法って?
一般的に、食で健康管理をすることが、広い意味での食事療法ですが、ガーデンセラピーにおける食事療法は、自分で育てたハーブや野菜を調理し、体調や気分に合わせて食べたり、ハーブティーを飲んだりすることを指します。これを日々実践することで、ストレスを減らし、心身の健康づくりにつなげる、というわけです。
実は、ハーブを使った料理には減塩作用があること、ご存じですか? 後で紹介する野菜とチキンのハーブ煮込みの味付けは、塩コショウのみ。塩は小さじ1程度しか入れていなくても、すごくおいしく仕上がるのです。これはハーブのおかげ。ハーブは減塩を実践していくうえで、物足りなさをカバーしてくれる優れものなのです。
ハーブには、「香りづけ」と「辛みづけ」の働きがあり、料理の味を引き締め、風味を引き立たせる作用があるのです。そして仕上げにハーブをお皿に乗せるだけで、彩りも加えてくれます。見た目でおいしさを演出することもできます。ハーブを自分で育てて癒され、ハーブの香りによって減塩にもつながるなんて、一石二鳥以上!
今回の主役・ブーケガルニとは?

今回ご紹介する野菜とチキンのハーブ煮込みの主役は、ブーケガルニ。ブーケガルニとは、ハーブを束にして、糸で縛ったもので、「香草の束」という意味があります。煮込み料理を作る際によく使われ、素材の臭みを取ったり、料理に香味をつける役割を担っています。
一般的には、パセリやローズマリー、タイム、セロリなどのハーブを使用します。生のフレッシュハーブを使った場合は香りがとても良いお料理となりますが、フレッシュハーブがそろわない場合には、ドライ(乾燥)のハーブでもOK! 乾燥を使用する場合には、水分がないため、使用するハーブの量は少量にしてくださいね。
ブーケガルニの作り方
ブーケガルニは、その家に伝わる味があったり、地域によって違ったりとバリエーションもさまざまで、特にこれがないと! という決まりがありません。
私はというと、分量や種類は決めていないのですが、最低でも5種類は庭を回ってハーブを見つけてきます。というのも、1種類だけで作るより、2種類・3種類とハーブを組み合わせることで、風味を増す作用があるからです。相乗効果で、おいしい一皿にもなってくれますよ。
今回、用意したハーブはこちら。

オレガノ、チャイブ、ローリエ、タイム、ローズマリー、レモングラス、パセリの7種類です。
特に注目していただきたいのが、レモングラス。ハーブティーとして飲む場合には、レモングラスは葉の部分を使用しますが、今回使用するのは茎の部分。レモングラスは冬の寒さに弱く、鉢上げをして冬越しをさせなければなりません。その前に地上部をほとんど切って収穫をする必要があるのですが、他の季節には株元は切れないので、晩秋ならではのご褒美収穫です。
先ほど申し上げた通り、これがないといけない! という決まりがないので、いろいろ試してみて味比べしてみるのも面白いかもしれませんね。ぜひ自分にぴったりのブーケガルニを見つけてください。
ブーケガルニの作り方は、とても簡単。

摘んだハーブを束ねて、タコ糸で縛るだけ。この時、程よい力加減で結びましょう。煮込み料理の場合、火にかけている間にこのタコ糸がほどけてしまうと、お鍋の中でハーブがバラバラに。自然に葉が落ちるくらいならいいのですが、私は、お鍋を開けてびっくり…ハーブが枝だけになって浮いている…ということも、経験があります(笑)。
ブーケガルニで簡単おいしい! 野菜とチキンのハーブ煮込みの作り方
ブーケガルニができたら、野菜とチキンの煮込みを作りましょう。
【材料】
◯鶏モモ肉 500g
◯玉ねぎ 1個
◯にんじん 2本
◯じゃがいも 4個
◯オリーブオイル 適量
◯塩 小さじ1程度
◯コショウ 適量
◯ブーケガルニ 1束
◯水 500ml程度
【作り方】
1. 野菜と鶏肉を適当な大きさにカットする
2. オリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんじんを入れて炒め、そのあと鶏肉を入れてさらに炒める
3. じゃがいもとブーケガルニを鍋に入れ、野菜が浸るくらいの水を加えて、中火で20~30分煮込む

4. 火を止めてブーケガルニを取り出し、塩コショウで味を調えて完成

作り方や材料はシンプルですが、ブーケガルニのおかげで、素材の味が活きたおいしいお皿に変身します。ぜひお試しくださいね。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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