庭にあるローズマリー活用レシピ! ローズマリーシロップを作ろう
シソ科の常緑低木・ローズマリー。地中海沿岸原産のハーブで手入れもしやすく、庭に植えるのにもおすすめの植物です。ローズマリーは、独特な強い香りがしますので、「これを飲むって、おいしいの…?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、おいしくアレンジする方法があるんです! 今回は、ローズマリーをシロップ(コーディアル)にしてみましょう。
目次
ローズマリーってどんなハーブ?
ローズマリーは、鼻につんとくるような清涼感ある強い芳香成分を持っていて、軽く触れただけでも、さわやかな香りが楽しめるハーブです。病害虫にやられることもほとんどなく、育てやすいので、庭植えにも人気があります。すでに育てているという方も多いのではないでしょうか?

ローズマリーは「記憶のハーブ」と呼ばれていて、程よい刺激が、脳の血流量を増やし、集中力アップに役立ってくれます。他にも消化促進作用・利尿作用・防腐作用・血行促進作用もありますよ。
また、抗酸化作用が強いハーブの1つ。私たちの体は、呼吸によって、酸素を取り込んでいますが、そのうち約2%が活性酸素になるといわれています。活性酸素は殺菌力が強く、体内で細菌やウイルスを撃退する働きを持っていますが、増えすぎると細胞を傷つけ、シワやしみなど肌の老化、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の原因となってしまうのです。これを「酸化」と呼びます。
また、活性酸素を増やす要因は、呼吸だけではなく、ストレス、食品添加物、タバコ、多量飲酒、紫外線なども影響します。体内に活性酸素を無毒化する仕組みはあるものの、現代人は入ってくる活性酸素の量が多すぎて、処理が間に合っていません。
というわけで、私たちはこの活性酸素から体を守る「抗酸化」をいかにできるかが、健康維持のカギ! そこで活躍するのがハーブたち。ハーブには抗酸化作用を持つもの多く、日々摂取することで酸化を抑えてくれるといわれています。特に、ローズマリーには抗酸化成分が豊富に含まれているんですよ。育てているなら摂らないなんてもったいない!
ハーブを育てて使う・ガーデンセラピー
このように、日々取り入れることで、私たちの身体に優しく作用してくれる、植物の力は偉大! 庭でハーブを育て、ハーブティーにして飲んだり、料理に使ったりと、生活の中に取り込み、ハーブが持つ有用成分を健康づくりに役立てる取り組みが、「ガーデンセラピー」という植物療法です。

ガーデンセラピーは、園芸・食事・森林・芸術・芳香という5つの自然療法の総称。1つ1つの療法は昔から存在していますが、活用のアプローチが違うだけで、元をたどれば、すべて植物につながっているのです。今回の主役・ローズマリーを例にとってみましょう。ローズマリーを育てることは、指先を使う園芸療法。そして庭作業をしていると、とてもいい香りに包まれ、リフレッシュすることができます。これは芳香療法に。育てたローズマリーを使って、フレッシュハーブティーを楽しむことは食事療法に。植物を育てること・ガーデニングは単なる1つの趣味にとどまらず、心身の健康づくりにもつながっています。
ガーデンセラピーで大切なことは、継続すること! 時々どこかでハーブティーを飲むのではなく、日々の暮らしの中に取り入れ、細く長く続けることで、身体への作用も実感できるようになります。ぜひガーデンセラピーを続けてみてください。
庭で採れたローズマリーをおいしく飲む方法は?
独特な香りがするローズマリー。これを飲むとすごい味がしそう…、想像がつかない、と思っている方も多いかもしれません。ローズマリーを単体で飲むと確かに味が強いので、少しアレンジをしてみましょう。
私がよく作るのがローズマリーのシロップ。コーディアルとも呼ばれる、ハーブの有用成分が含まれた、イギリスの伝統的な飲みものです。水やお湯、炭酸などで割って飲んだり、かき氷のシロップや、お菓子作りの甘味料としても使えます。

気になる味は…ローズマリー独特のつんとした香りはほのかに残り、甘すぎず、スッキリサッパリした印象です。このシロップを炭酸で割った「ローズマリーソーダ」はお客さまにもとても好評ですよ。
ローズマリーシロップの作り方
そんなローズマリーシロップの作り方をご紹介しましょう!
【材料】
- フレッシュのローズマリー(葉だけ) 8g程度
- てんさい糖 50g
- 水 100ml
- レモン汁 大さじ1
【作り方】
1. フレッシュのローズマリーを軽く洗い、茎から葉を取り鍋に入れる

2. 水を加えて火にかけ、沸騰したら弱火にして、5分ほど煮出す
3. 煮出した液体をこし、鍋に戻し、てんさい糖を加える

4. 再び鍋を火にかけ、てんさい糖が溶けたら、火を止める
5. レモン汁を加えて、完成

てんさい糖で作ると、写真のように茶色になります。砂糖はお好みのものを使ってください。作ったら、密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管し、早めに使い切りましょう。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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