美味しいものの多い秋の味覚の中でも代表格の一つが、栗。十五夜に次いで美しいとされる十三夜は、別名「栗名月」とも呼ばれます。そんな栗は、犬も一緒に食べられる食材の一つでもあります。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、今回愛犬あんのために手作りするのは、秋に美味しい、ホクホクの栗ごはん。栗ごはんを味わいながら、栗名月を眺めてみませんか?
目次
秋の楽しみ
収穫の秋ですね。お米、麦などの穀物、サツマイモ、サトイモなどイモ類、落花生など豆類、キノコもフルーツも豊富です。たくさんの食物の収穫時期を迎えて嬉しい季節です。
栗も秋の味覚の代表の一つ。私も愛犬あんも、栗が大好きです。ホクホクの茹で栗を一緒に食べるのが、この時季の楽しみです。
パリの街角で、焼き栗の屋台を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。私はオペラ座の近くで、焼き栗を買ったことがあります。日本でお馴染みの「天津甘栗」に比べると、パリの焼き栗はちょっと物足りない感じでしたが、ホクホク熱々でほんのり甘く、これはこれでなかなかのおいしさでした。パリのパティスリーの芸術品のような栗スイーツとはだいぶ違うスイーツ。素朴な味が人気なのだと思いました。
そんな栗の季節、茹で栗や焼き栗もいいですが、栗ごはんもおいしいですよね。頑張って皮剥きをして、おいしい秋の味覚を楽しみましょう。
栗、犬が食べてもOK
栗は、犬も食べられる食材です。与える場合は、鬼皮・渋皮をむいて柔らかくしたものにしましょう。渋皮にはタンニンが多く、抗酸化作用があるのですが、消化不良を起こすこともあるので、取り除いたほうがよいでしょう。
また、栗は炭水化物やビタミンB1、ビタミンC、食物繊維などを多く含みます。そのほか、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。貧血の予防や骨の強化にも効果が期待されます。
ただ、高カロリーなことや、消化しにくい食材なので、柔らかくして、細かく刻んだり、裏ごししたりして、少しずつ与えるようにしましょう。
栗ごはんの材料
- 栗 約500g(正味300gほど)
- 米 2合
犬も食べるので、味付けはしません。飼い主が食べる場合は、お好みでごま塩を少々添えてください。
栗ごはんの作り方
- 栗を水につけておきます。
- 栗の鬼皮、渋皮をむいて、すぐに水にさらしておきます。
栗の丸いほうに包丁を刺してひっかかりを作り、鬼皮を剥きます。
- 30分ほどしたら取り出して水気をふきます。
- 炊飯器に洗ったお米と水を入れ、その上に栗を並べます。
- スイッチを入れて通常モードで炊いたら出来上がり。
栗の皮をむく前に茹でるなど、ご家庭のレシピで作ってください。
犬用には、食べるときに栗は小さく刻みます。栗の与えすぎに注意しましょう。
犬が食べる場合、ご飯がかたいようでしたら、小鍋に少し水を入れて火にかけ、やわらかくします。
今回は、ボウルにやわらかくした栗ご飯と、焼いた真鯛、枝豆、卵焼きを添えて、和風のワンプレートにしました。消化しやすいように、すべて食べやすい大きさにしてあげましょう。
十三夜、栗名月
2024年の中秋は9月17日です。みなさんは十五夜のお月さまをご覧になりますか?
9月の満月を「ハーベストムーン」と呼びます。ハーベストムーンは、いつもより黄色くオレンジ色に輝いて、おいしそうに見えます。まさに、ハーベストムーン、収穫の月です。「芋名月」ともいいますね。
旧暦8月15日の中秋の名月を愛でる風習「十五夜」は、中国から伝わりました。それに対して、日本独自の「十三夜」という風習があります。十三夜は、旧暦9月13日の月を愛でるもので、2024年は10月15日がその日にあたります。
十三夜にお月見をするようになった明確な理由は定かではないそうですが、 旧暦8月15日の頃というと、日本では台風の時期に重なるため、秋晴れとなることが多い旧暦9月に2回目のお月見を設定したとする説があります。
十三夜では、この時季に収穫される栗や豆を供えることから、「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。
十三夜には、栗ごはんを食べて、愛犬と一緒にお月さまを愛でてはいかがでしょうか。
Credit
制作・レシピ・写真・文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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