お手軽さっぱりデザート レモンポセット【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
クリーミーだけど、レモンの風味が爽やか。ムースのような食感のレモンポセットは、3つの材料を使って短時間でできるという、超お手軽デザートです。口いっぱいに広がる幸せを、ササッと作ってみませんか。イギリス菓子研究家でパティシエのTomoさんに教えていただきます。
目次
中世から伝わるポセット

今回は、まだ暑さの残るこの季節にぴったりのサッパリとしたデザート、レモンポセットをご紹介します。
材料は、たった3つ。レモン、生クリーム、砂糖です。誰でも作れるほどとっても簡単なのに、素敵なデザートになるという、このポセット。じつは、中世から伝わる、歴史の深いものです。といっても、昔はデザートというより滋養のある飲み物だったようで、材料も今とは少々異なります。面白いことに、昔はもっと手間をかけた贅沢なものでしたが、時の流れの中で変化して、現在のように簡単に作れるものになりました。
シェイクスピア劇にも登場

ポセットは、16世紀イギリスのシェイクスピア劇、例えば『マクベス』などのセリフにも登場します。その頃は滋養たっぷりの飲み物といった感じで、砂糖、牛乳、アルコール(エールや、サックというシェリーに似たもの)を混ぜたものだったようです。現在のエッグノッグに近い姿ですね。それから、パンでとろみをつけるのが流行り、さらに裕福な家庭では、牛乳が生クリームに置き換わりスパイスも加えられるという、贅沢なものになっていったと考えられています。
ピンチを救う簡単デザート

私がこのポセットを知ったのは、イギリス修業時代のこと。働いていたホテルで、予定にない団体のお客様が急に入った時に、先輩パティシエのダニーが「簡単にできるデザートがあるんだよ!」と、作るところを見せてくれました。その作り方はというと、ダブルクリームと呼ばれる、乳脂肪分の高いイギリスの生クリームを寸胴鍋に大量に入れて、砂糖とレモンを加えるだけ。ダニーはその液体を小さなグラスに分け入れると、冷蔵庫にしまったのでした。
こちらは、その簡単すぎる作り方に拍子抜け。これはデザートになるの? 飲み物じゃないの?? ちゃんと固まるの?? ゼラチン入れてないけれど……と、頭の中は、はてなマークだらけ!
さて、3時間の休憩時間をはさんで仕事場に戻ると、その液体は固まって、ちゃんと美味しいデザートになっていました。ポセットは、乳製品にレモンを加えると固まるという性質を使った、面白いデザートなのです。

イギリスには、ポセットに似たシラバブというデザートもあります。こちらはシェリーやブランデーといったアルコール入り。大人のデザートですね! いつかご紹介できたらと思います。
ポセットはさっぱりしていますが、コクもあるので、涼しくなってからでも美味しいですよ。冬でも、温かい室内で、食後のデザートにいただくとよいでしょう。
ポセットは手順が簡単すぎるからか、レストランなどでは、ショートブレッドやビスケット、もしくはベリーなどを添えて出されることが多いようです。ご家庭でもお好きなものを添えて、素敵なティータイムにしてみてくださいね!
では、作っていきましょう!
レモンポセットの作り方
【材料】(4~6人分)

- 純生クリーム 400ml
- グラニュー糖 120g
- 国産レモン 2個(しっかり洗う)
【作り方】
- レモンの皮をすりおろし、レモン汁を絞る。

- 純生クリームと砂糖を鍋に入れて混ぜ、火にかけてふつふつと沸騰したら、弱火でそのまま1分沸騰させる。

- 火からおろし、レモン汁とレモンの皮を入れて混ぜる。

- すぐにトロリとしてくる。そのまま少し冷ましておく。

- 粗熱が取れたら好みのグラスに注ぎ、冷めたら冷蔵庫に入れて、3時間ほど冷やし固める。

- ベリーやビスケットなどを添えて、召し上がれ!

とっても爽やかでクリーミー。チーズケーキやムースより簡単で、気軽に作れるので、ぜひぜひ作ってみてください! サッパリデザートで夏の疲れを癒やしてくださいね。
Credit

写真&文/The Pudding Party Tomo
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
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