植木鉢だって花器になる! サボテン形植木鉢を使って切り花をアレンジ!
フラワーアレンジの花器として使えるのは、何も花瓶ばかりではありません。お気に入りの缶やボトル、そして植木鉢でも、可愛いアレンジになりますよ。今回フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんに教えていただくのは、可愛らしいサボテン形の植木鉢を使ったアレンジメント。ちょっぴりユーモラスな植木鉢の印象に合わせたカラフルな花をラフに飾って、季節のアレンジを楽しみましょう!
目次
「落とし」を入れて植木鉢を花器に
数年前から育てているサボテンが、どんどん伸びてしまい、今の鉢ではかわいそうになってきました。何かいい鉢がないかと探していたところ、サボテン形(!)の素敵な植木鉢を見つけました。
これはサボテンを植えるのにぴったり!
とても可愛らしいので、サボテンを植える前に、この植木鉢に似合うような切り花のアレンジをしたいと思います。
植木鉢も、「落とし」を入れれば花器に使えます。植木鉢は、サイズ、デザイン、素材のバリエーションが豊富です。おしゃれなものがたくさんありますから、ぜひ花器にも利用してみてください。
アレンジに使った切り花
- ロータス・ブリムストーン
- パイナップルリリー(ユーコミス・プンクタータ)
- ジニア‘ペルシャンカーペット’
- メキシカンライオンズイヤー(ディクリプテラ・スベレクタ)
ロータス・ブリムストーンは、マメ科の植物で、枝葉は柔らかく、ひゅるひゅると伸びています。葉っぱにうぶ毛があり、グリーンの色目が優しい雰囲気です。
“ひゅるひゅる感”を生かして、ラフなスタイルにします。パイナップルリリーの淡い色合いと、鉢のセメント色によく合い、涼しそうな感じになりました。
ジニアの元気な黄色・オレンジ色をアクセントに。
アレンジの手順
- 鉢の中に、ガラスやプラスチックの入れ物(落とし)をセットして、水を入れます。
- ロータス・ブリムストーンを全体に入れます。
1本ずつ入れていくと、ふわっと仕上がります。
- ジニアを入れます。
- パイナップルリリーを入れます。
小さめなパイナップルリリーの場合は、あちらこちらに散りばめるというより、一カ所にまとめて入れたほうが存在感があります。
- シルバーリーフのメキシカンライオンズイヤーを入れて、全体を整えます。
小さな鉢にはサボテンを植えました。
スノーウィ、サボテンに隠れる『タンタン アメリカへ』より
2021年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。オリンピックの開会式の中で一番の楽しみは、私はなんといっても選手入場です。本当にたくさんの国があるものだと改めて思います。旅行したことのある国はほんの少し。まだまだ行ってみたい国がたくさんあります。
世界中を旅することは難しいですが、本の中では楽しむことができますね。私は1929年に誕生したベルギーのコミック『タンタンの冒険』が大好きです。主人公のTintinタンタンと相棒の白い犬Snowyスノーウィ(仏語名:Milouミルゥ)が、事件を追って世界各国を飛び回るというストーリー。綿密な観察と研究に基づいたおもしろい内容と絵が、今でも世界中で愛されています。
タンタンは何度も悪党たちに捕らえられて危機一髪。でも、いつもスノーウィの大活躍で脱出します。
『タンタン アメリカへ』では、禁酒法施行の真っただ中、マフィアの首領アルカポネとその手下たちと戦います。インディアン、カウボーイ、ギャング、マフィアと、入れ替わり立ち替わり登場します。西部劇の映画で見るような、サボテンが生えて岩がゴツゴツした荒野が舞台です。
敵を追ってタンタンとスノーウィがインディアンの村に入り、馬に乗った大勢のインディアンたちに追いかけられるというシーンがあるのですが、スノーウィは恐ろしくなって一人、大きなサボテンの中に隠れてしまいます。いつも強気なスノーウィも、タンタンを見捨ててしまったことを後悔して、しょぼんとする可愛いシーンです。ハラハラドキドキの場面でも、スノーウィの様子やセリフで、ニヤッと笑ってしまうところがとても好きです。
豊かな表情と、ちょっと生意気でいたずら好きなところなど、スノーウィの細やかな描き方から、作者のエルジェは、かなりの愛犬家なんだろうなと思います。
タンタンの冒険は、ソビエト、アメリカ、アフリカ、インド、中国、中東、月、北極へと繰り広げられます。全部で24作。タンタンとスノーウィと一緒に、世界一周を楽しんではいかがでしょうか。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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