現代社会に生きる私たちは、ストレスにさらされており、心身のバランスを保つためには、セルフケアが欠かせません。病気になる前に、精油の力を活用する「アロマセラピー」で予防を始めませんか? アロマセラピーはいくつかのルールを守れば活用の幅は無限大! 今回は、香りの元・精油を使って、香りに癒やされ、気になる汗のにおいもケアできちゃう、デオドラントボディスプレーを手作りする方法をご紹介します。
アロマセラピーってどんなもの?
アロマセラピーという言葉を、リラックスの1つの方法として捉えている方が多いのではないでしょうか? 実際、気持ちを明るくしたり、緊張を和らげたりする作用がありますが、その作用にはエビデンス(科学的根拠)があり、正確にアロマセラピーを訳すと「芳香療法」という意味になります。

そうした精神的な作用だけでなく、アロマセラピーで使われる精油を分析すると、湿布に含まれている鎮静成分を持っていたり、火傷の炎症を抑える消炎作用を持っていたりと、私たちの健康維持に作用する成分を持ち合わせていることが分かります。しかも、1つの植物の中に、複数の作用があることにも驚きです。
また、現代人にとってのセルフケアのキーワードの1つは、ストレスに抗うこと。自分の状況やその日の気分によって精油を使い分けられる知識があると、よりアロマセラピーの作用を体感することができますね。
私はというと、精油がない生活は想像ができないほど、毎日お世話になっています。些細なことだと思うかもしれませんが、香りの力は偉大! 1日のストレスや体調の変化は、その日のうちにアロマセラピーでケアすることを意識しています。
気になる汗のにおいも、精油でケアしよう
気温が上がる夏は、汗をかく機会も多くなりますね。汗には暑い時や、運動をした時に、上昇した体温を下げ、身体の機能を維持する大事な働きがあります。暑い時に激しい運動を行うと、1時間に2リットルほどの汗をかくとも言われています。
この時の汗はエクリン腺というところから出ていますが、エクリン腺から出たばかりの汗は、99%が水分で無臭なのです。ですが、皮膚の上にいる常在菌が、汗に含まれる皮脂を分解することにより、嫌なにおいが発生する仕組みになっています。つまり、嫌なにおいの原因は「菌」。
そこで、活躍するのが「抗菌作用」を持つ精油です。
抗菌作用を持つ精油
ユーカリ・ティートリー・ラヴィンツァラ・サイプレス・ペパーミント・タイム・レモングラス・ゼラニウム・ローズ・ラベンダー など
精油を使ってデオドラントボディスプレーを作ろう
上記で抗菌作用のある精油をピックアップしましたが、精油はそのままでは使えません。肌に直接つけるのは厳禁! 精油を使う時は、アルコールやジェル、塩、オイル(植物油)などで希釈して使用します。
今回は、無水エタノールと精製水で精油を希釈して作っていきましょう。

【材料】
◯精油 20滴まで
◯無水エタノール 20ml
◯精製水 80ml
◯ビーカーなど精油を混ぜる容器(100ml入る量のもの)
◯竹串
◯遮光スプレービン 100ml
*プラスチック容器は、アルコールが漏れる・精油の香りが移る可能性がありますので、遮光ビンがおすすめ
【作り方】
1. 使用する精油を決める
上記で紹介した、抗菌作用のある精油から1~2種類選びます。1種類だけより、2種類混ぜたほうが香りもまろやかになりますよ。
今回は合計2種類・20滴入れます。割合は均等に各10滴ずつでも結構ですし、好きな香りを多めにして、15滴と5滴でもOK。計20滴になるようにお好みでアレンジしてみましょう。
私は、ラヴィンツァラ15滴とティートリー5滴で作りました。
<精油の選び方のコツ>
心地がいいと感じたものを選ぶこと! 香りの趣向は人それぞれなので、効果効能を期待して苦手な香りを我慢して入れるより、ご自身の好みで選んだほうがアロマセラピー(芳香療法)作用も高まります。
2. ビーカーに無水エタノールを計量する
3. 2のビーカーに、選んだ精油を20滴入れる
その際、精油のビンを振らずに、ビンを斜めにし、自然にぽとりと垂れてくるのを待ちます。

4. 竹串でよくかき混ぜる
5. 精製水80mlを計量し、ビーカーにゆっくり入れ、竹串でよくかき混ぜる
6. 遮光スプレービンに移し入れて、完成

手作りデオドラントボディスプレーの使い方と使用上の注意
このスプレーは、全身どこでも使えます。直接スプレーしてもいいですし、厚めのペーパータオルに取ってふき取りもおすすめ! ですが、精油を使った手作り品ですので、お肌に付ける前に、注意していただく点をまとめておきますね。
●作ったアイテムは直射日光を避け、保存しましょう。
●保存料などの添加物が入っていませんので、1~2週間程度で使い切りましょう。100ml使い切らない場合には、半量にして作ってください。手作りで作る場合、使い切る量をこまめに作ることが大切です。
●使う前にパッチテストを行い、異常がないかどうかを確認してから使いましょう。また、使用中に違和感があったら、使うのを止めましょう。
●今回ご紹介したレシピは15歳以上の大人が使用する分量です、
●自然の恵みが詰まった精油ですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。
●精油は薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
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