ノンシュガー・ノンオイルで愛犬と一緒のおやつ! 季節の果実のクラフティー

梅雨時は、ブルーベリーやサクランボ、ビワ、プラムなど、さまざまな果実の実る季節。旬の果物は栄養価も高く、何より美味しいので、ぜひ味わいたいものですね。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんに、愛犬と一緒に楽しめる、ヒトにもイヌにも優しくて美味しい旬のビワを使ったクラフティーの作り方を教わります。
目次
果実を楽しむスイーツ、クラフティー

果実の季節です。サクランボやブルーベリー、ビワ、プラムなど、店頭にも色とりどりの果実が並びますね。ご自宅の庭で収穫した果物を、季節とともに楽しまれている方も多いのではないでしょうか。
旬の果物を使ったスイーツは、心もウキウキしてきます。愛犬も一緒に食べることができたら、もっと楽しい! 愛犬も食べられるように、ノンシュガー・ノンオイル、果物の甘さだけで楽しめるスイーツが嬉しいです。
そこで、今が旬のビワのクラフティーを作ることにしました。

クラフティーとは、フランスのリムーザン地方発祥の家庭で作られる伝統のお菓子です。季節の果物をグラタン皿に並べて、卵液を流し込んでオーブンで焼くだけの、簡単で素朴なお菓子。
そもそも「クラフティー(clafoutis)」という名前は、クギにくっつく(claufir)という意味の古いフランス語に由来するそうで、厳密には、コレーズ県産のサクランボを入れたもののみが、本家本元の「クラフティー」なのだそうです。それ以外は「フランニャルド」と呼ばれるとか。この名前も、なんだか可愛らしいですね。本物の「クラフティー」ではなくても、モモやイチゴ、ブルーベリー、洋梨、リンゴなど、その季節その季節の果物を楽しめるお菓子は、やはりとびきりの美味しさです。

今回は、旬の果実ビワで手作りしました。ビワの優しい味わいが、我が家の愛犬あんも食べやすいようで、このビワのクラフティーはお気に入りです。焼きたても美味しいですが、この時期ですと、冷たく冷やしてもいいですね。あんは、少し冷たいほうが、のどごしがよいようです。
とてもカンタンですので、ぜひお試しください!
ビワのクラフティー 材料

- ビワ 5〜6個
- 卵 1個
- 牛乳 200ml
- 小麦粉 大さじ2
- 甘酒(甘麹) 大さじ2
砂糖の代わりに甘酒(甘麹)を使って、ほんのり甘くしました。牛乳が苦手な場合は、豆乳に代えてみてください。
人間用のレシピでは、砂糖や生クリームなどを入れて、もっとリッチな味わいにしますが、犬用は、ノンシュガーでなるべくヘルシーにします。
このレシピは、人間も犬も食べられます。人間用には、食べるときに粉砂糖をふりかけると美味しいです。

ビワのクラフティー 作り方
- オーブンを180℃に温めておきます。
- ビワの皮をむき、半割りにして種子を取り除きます。
- グラタン皿にカットしたビワを並べます。
- 卵液を作ります。
ボウルに卵を溶きほぐし、牛乳、甘酒、小麦粉を入れて混ぜます。
- 卵液を網でこします。
- ビワを並べたところに、卵液を流し込みます。
- 180℃で30〜40分焼いて、できあがり。

犬に与えるときは、ビワを小さくカットして少しずつ食べさせてください。
小さなココット皿に、あらかじめ小さくカットしたビワを入れて、犬用に作ってもいいですね。


ビワ、犬が食べてもいい?

そもそも、ビワを犬が食べてもいいかどうか、心配に思う方もいらっしゃるかもしれません。ビワについては、実の部分は問題ないそうです。
犬に与えてはいけないものとしては、ブドウ、干しブドウ、ネギ類、チョコレート、アルコール、香辛料、キシリトールなどがあります。そのほか、与えるのに注意が必要なものとして、アボカド、牛乳、イカ、タコ、エビ、カニ、生魚、生卵の白身などがあげられます。また犬によっては、どのようなアレルギーがあるか分かりませんので、初めて食べる食品は十分注意が必要です。
ビワは中国原産のフルーツで、栄養素がバランスよく含まれていますが、特にビワの葉は、さまざまな薬効があることで知られていて、漢方でよく使われてきました。
ただ、種子と葉には「アミグダリン」と呼ばれる青酸中毒となり得る成分が含まれているということで、ビワ茶については、摂取する量にもよりますが、十分な注意が必要とされています(2018年に国民生活センターよりビワを原材料とする茶についての注意喚起が出されています)。犬には実の部分だけにしておきましょう。

犬が食べても大丈夫な実の部分にも、いろいろな栄養素が含まれており、特に、βカロテンやβクリプトキサンチンが多いといわれています。βカロテンには皮膚や粘膜の免疫力を高めたり、被毛をきれいに保たせたりする効果があります。そして、βクリプトキサンチンには強力な抗酸化作用があり、いつまでも若々しい健康状態を保つのに役立つということです。

旬の食べ物は美味しく、そして栄養価も高いので、愛犬と一緒に、ヘルシーな味を楽しみましょう。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
参考:
『お菓子の由来物語』猫井 登/著
『愛犬のためのホリスティック食材事典』日本アニマルウェルネス協会/監修
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