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抱えるほどの花を豪華にたっぷり活けてみたいけれど、花屋でそれだけの本数の花を買うのはなかなか勇気がいるもの。そんなお財布の心配を解消する画期的アレンジを、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんがご提案。鉢植えアジサイをそのまま使い、豪華で見栄えがするのに長もちでお財布にやさしいアレンジメントです。合わせる切り花次第で雰囲気が変わるので、アジサイを主役に何度もアレンジメントが楽しめますよ!

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梅雨時はアレンジメントを思い切り楽しんで!

例年になく早い梅雨入り。今年はバラなどいろいろな植物の開花も早めでした。せっかくの見頃の花が雨でうなだれてしまってガッカリ、というガーデナーの方もいらっしゃるかもしれません。そんなときこそ、アレンジメントです。庭の花を少し早めに切って、室内で思い切り楽しんでみてはいかがでしょうか。

春は、ビオラ やムスカリ、ヒアシンスなど、茎の短い可愛らしい花が多く、小さなアレンジが楽しめますが、初夏からはシャクヤク、バラ、アジサイ、ユリなど、大ぶりな花が主役となります。今年はすでにアジサイが急ピッチで開花準備をしています。フラワーショップにも、大輪の花が揃ってきますね。今回は、そんな大ぶりの花を楽しむ、バスケットを使ったアレンジをご紹介したいと思います。

小輪のアジサイ「伊予手まり」
小輪のアジサイ「伊予手まり」。

大きなバスケットにたっぷり花を使ったアレンジは、とても豪華な印象になります。ただし、バスケットを満たすには、それなりにたくさんの本数の花が必要。なかなか高価なアレンジになってしまいそうだなぁという心配を解消するために、私は鉢植えの花を鉢のままバスケットに入れて、切り花とコラボさせることがあります。バスケットの半分を「鉢植えの花エリア」に、半分を「切り花エリア」にします。切り花は水を入れた容器に投げ入れでも、吸水性スポンジを使って活けても、どちらでもOK。鉢植えは水下がりの心配もなく、花も長もち。切り花のほうが早く終わりますが、また新たな花とコラボさせるのもよし、そのまま鉢花として飾ってもよし。長く楽しめますよ。

今回は、人気の小輪のアジサイ「伊予手まり」の鉢植えと、切り花のバラとクレマチスを使ってアレンジをしましたが、ラベンダーやシュガーバインなど、他の鉢植えやポット苗でも同様にアレンジメントに応用できます。

鉢植えアジサイと切り花のアレンジ

<用意したもの>

・バラ/12本

・鉢植えのアジサイ「伊予手まり」/1鉢

・クレマチス/2本

・大手毬/2本

・ペパーミント(茎は長めがよい)/3~4本

・やや大きめなバスケット

・ガラスの瓶(プラスチックのカップでも)/2~3個

鉢植えアジサイとバラのアレンジ

バラの切り花を用意する場合、自分で育てた庭に咲いているバラを切って使えるのはとても素敵ですね。もちろん、この季節はフラワーショップでも美しいバラに出合えます。そして今では花の通販サイトも充実していて、ネットでも購入することができます。

ローズファームkeiji 和ばら

今回私がアレンジに使ったのは、「Rose Farm KEIJI」さんの「WABARA(わばら)」です。庭に咲くようなたおやかな雰囲気を味わえる素敵なバラで、農園から直送してくださるので、とても新鮮! つぼみから徐々に咲いていく姿や、豊かな香りも楽しめます。

ローズファームkeiji 和ばら

数ある魅力的な「WABARA(わばら)」の品種の中から色味の好みに合わせて、そのとき最もいい状態の花を選んで送ってくれます。

<アレンジの手順>

  1. バスケットにセロファンを敷いておきます。
  2. アジサイ「伊予手まり」の鉢植えを、そのままバスケットに入れます。バスケットから鉢の縁が出ないよう、鉢のサイズとバスケットのサイズのバランスに注意します。逆に、バスケットの中に潜り込んでしまうような小さな鉢(苗ポットなど)でしたら、バスケットの中で高さ調節をしてください。
    鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方
  3. バスケットの空いているところに、ガラスの瓶(水入り)を2つ入れます。
    鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方 鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方
  4. バラ、クレマチスをガラス瓶に入れていきます。
    鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方
  5. 大手毬の枝を入れます。
    鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方
  6. 鉢植えのアジサイと水に入れた切り花が分離して見えないように、間にペパーミントを入れます。
    鉢植えアジサイとバラのアレンジの作り方
鉢植えアジサイとバラのアレンジ

バスケットから鉢植えが浮き上がって見えないように、隙間をペパーミントなどで埋めるように活けると、植物とバスケットが馴染んで一体感が出ます。バスケットの縁から、植物があふれ出るような感じにしましょう。

ジヴェルニー・モネの庭のチャーミングなバラ

フランス、ジヴェルニーのモネの庭
フランス、ジヴェルニーのモネの庭。Gardens by Design/Shutterstock.com

私がまだ20代の頃、ちょうど6月のバラの季節にジヴェルニーのモネの家の見学に行きました。パリ・サンラザール駅から電車に乗って、ヴェルノン駅で降り、そこからバスでモネの家へ。モネの庭には、スイレン、ユリ、ゼラニウム、ポピーなどたくさんの種類の花が咲き、いろいろな色のバラが満開でした。天気がよく、汗ばむような日だったせいか、バラの香りでむせるような感じだったのをよく覚えています。モネの庭は、特にスイレンの池があるエリアは、きちんと整いすぎていないというか、鬱蒼としているというか、自然な感じで、植物たちがのびのびと、とても生き生きしているように見えました。

バラ

その当時、私はパリスタイルのフラワーアレンジメントの勉強中で、バラといえば「トライアンギュラー型」とか「ラウンド型」など、カチッと整ったデザインで、改まったシーンのアレンジメントの主役という印象でした。でもモネの庭のバラは、ひゅるひゅる、ふわふわ、自由でナチュラルで、私がこれまで持っていたイメージとは異なり、気取らない、もっとずっとチャーミングな花に感じました。「バラって、もっとカジュアルに活けてもいいのかも。そのほうがもっとしなやかな素敵なアレンジになるのかも」と、なんだかちょっとショックを受けて帰ってきたことを覚えています。そんなわけで、モネの庭のバラをきっかけに、私の中のバラのイメージがガラリと変わりました。

鉢植えアジサイとバラのアレンジ

雨で庭のバラが堪能できず残念と思っていらっしゃる方がいらしたら、ぜひアレンジメントで楽しんでくださいね。

Information

Rose Farm KEIJI
https://www.wabararose.com/#home

Credit

写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/

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