フラワーショップ「Bear(ベア)」の熊坂英明が届ける、花の最旬ニュース。花市場で出合った旬の花からセレクトした、珍しかったりおもしろかったりする花やグリーン、実ものを、独自の視点で語り、紡ぎ、ブーケやアレンジで紹介していきます。
KIZUNAというバラ
2011年の東日本大震災後に
フランスのオールドローズ協会から
日本のために贈られたつるバラ
”KIZUNA”
1862年に日本から持ち帰った
1包みのノイバラのタネがリヨンの
バラ育種の名家より150年の歳月を経て
新しく作出されたバラが日本に贈られた
アプリコットピンクの
カップ咲きの花を房状につけ
優しい香りがする
つぼみと開花したものとで
形と色が微妙に変化し
さまざまな表情で楽しませてくれる
切り花向きの品種ではなく
花首が柔らかいので
通常よく目にするスプレーバラに比べ
くたっと顔を垂れていて知らないと
元気がないように見えるかもしれないが
もちろん元気でふくよかな花から
いい香りがする
当然育成も曲者で
切り花用として育てるには
いろいろと苦労があるようなので
切り花用に生産している農家は
ほとんどない
ただこの花には心を引きつける
何かがあるような気がする
モダンな器にノスタルジックに
自然な動きのまま花瓶に飾るのもいいが
野バラの実とパニカム
白ヤマブキの葉を足してざっくりと
バラの俯く表情はそのままに
飾らずにさりげなく
背の高い花器に入れてあげれば
座った位置からちょうど
クライミングローズを見上げるような感覚で
花顔を見ることができる
飾るたびに色々なものを
思い出させてくれる
そんなバラ
あなたの記憶を呼び戻す
その花はなんですか・・・
Credit

熊坂英明
『ベア(Bear)』主宰。1997年より家業の生花店(東京・方南町)を継ぎ、短期渡欧や独学でヨーロピアンデザインを学ぶ。色、香り、形などで本質を感じる“花”をコンセプトに、多種多彩な花を品よく紡ぐスタイルが人気。黒と茶でまとめられたシックでスタイリッシュなショップには、同じ花でも季節によって産地を使い分ける、こだわりの花が並ぶ。ウエディングやディスプレイなども手掛けるほか、旬のおすすめ花を本サイトで発信中。
http://www.fs-bear.com
https://www.instagram.com/bearflower_scape
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