春を楽しむ、花のマーマレードケーキ【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
花々が咲き始め、庭が一気に華やぐ春。うららかな午後のティータイムに、紅茶といただくのにぴったりのマーマレードケーキを、イギリス菓子研究家でパティシエのTomoさんに教えていただきます。飾り付けにエディブルフラワーを使えば、春の気分が一層盛り上がりますよ。
目次
華やぎをもたらす「エディブル・ムーラン」
春。お花がたくさん咲く季節がやってきました。私にとって、花粉症と闘う辛い季節ですが、そんな私でも大好きな春。外に出るのが嬉しくなりますよね! 今回は、春の気分にぴったりの、エディブルフラワーを飾ったマーマレードケーキを作ります。
飾りに使うのは、花姿が可愛らしい上に、美味しく食べられるパンジー「エディブル・ムーラン」。イタリア貴族の営むナーセリーによって生み出されたという、カラーリングもフリルも可愛い、チャーミングなパンジーです。ガーデニング好きの友人に花を頂きましたが、自分でも育ててみたら、何かと食卓を彩ってくれそうですね。味はというとクセがなく、サラダ用の菜っ葉のような感じ。でも、とっても甘い、花の香りがします。このフリフリのお花を飾ったら、シンプルなケーキが華やぎそうですね!
●『可愛くて美味しいパンジー「エディブル・ムーラン」を育てよう』も併せてご覧ください。
イギリスの国民食 マーマレード
さて、今回のもう一つの主役はマーマレードです。イギリスでマーマレードは大人気。毎年、美味しさを競うコンテストがあるほどです。
これは、イングランド南東部の町、ライで泊まったB&B(民宿、ベッド&ブレックファスト)で出された朝食。イギリスの朝食って最高に美味しいのですよ! 太りますけれどね。
イギリスでは朝食に、薄くスライスした硬めのパンを、カリッカリにトーストします。私は全粒粉を使ったブラウンブレッドが好きですが、そのトーストにバターとマーマレードをのせて食べるのが、最高に美味しいのです。ポイントは、トーストの薄さと硬さ。カリカリ、サクサクの、クリスピーな食感のトーストに、たっぷりのバターとマーマレードという組み合わせがたまりません。日本で人気のある、ふわふわ、モチモチのパンでは、あの美味しさは再現できません。もしも薄くて硬めのパンが見つかったら、ぜひやってみてくださいね。
イギリスの有名な児童書『くまのパディントン』の主人公、パディントンもマーマレードが大好きで、マーマレードは物語の上でかなり重要な役割を担っています。私の子供時代のお気に入りの本で、チャーミングなパディントンが可愛くて、何度も読み返しました。映画もあるので、ぜひご覧になってみてくださいね!
我が家には、私たちが越してくる前から夏みかんの木が生えていて、よくマーマレードにしていたのですが、まだ幼い子供たちには苦みが苦手だったらしく、人気がないので作らなくなってしまいました。その代わり、庭のユズを使ったマーマレードを毎年作っています。こちらは手土産にしても喜ばれ、あっという間に消えてなくなります。
今回のケーキには、市販のマーマレードを使用しました。もし、皆さんのお手製のマーマレードがあったら、ぜひ使ってくださいね。お手製マーマレードケーキなんて、とっても素敵です。では、作っていきましょう!
マーマレードケーキの作り方
材料(18cmの丸型使用)
- 無塩バター 120g(室温に戻す)
- きび砂糖 120g
- 卵 2個
- オレンジの皮 1個分(よく洗う)
- オレンジピール 20g(刻んだもの)
- オレンジマーマレード 大さじ1と1/2
- 薄力粉 140g
- ベーキングパウダー 小さじ1
〈アイシングの材料〉
- 粉糖 100g
- オレンジジュース 25gほど
飾り用 エディブル・ムーラン 適量
作り方
- オーブンを180℃に予熱する。型にオーブンペーパーを貼り付ける。
- 柔らかくしたバターにきび砂糖を入れ、白っぽくなるまでよく混ぜる。
- 卵を溶いて、少しずつ2に入れ、その都度よく混ぜる。
*卵の量が多いため、最後のほうは少し分離することもありますが、2でしっかりと白っぽくなるまで混ぜていれば大丈夫。 - オレンジの皮をゼスター(おろし器)でおろし入れて、混ぜる。
- 薄力粉とベーキングパウダーを一緒にふるい入れ、さっくりと混ぜる。
- 粉が8割程度混ざったら、マーマレードとオレンジピールを入れて、さっくりと混ぜる。
- 用意した型に入れ、予熱したオーブンで約40分焼く。
- 竹串を挿してみて、何もついてこなければ完成! 型に入れたまま、冷ましておく。
- 冷ましている間にアイシングを作る。
ボウルに粉糖をふるい入れ、オレンジの絞り汁を入れて、混ぜる。
- ケーキを型から取り出し、アイシングをかける。その上にエディブル・ムーランを飾る。
完成!
美味しい紅茶と一緒に、召し上がってくださいね。
花苗協力/石井フラワーガーデン
Credit
写真&文/The Pudding Party Tomo
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
新着記事
-
ガーデン&ショップ
「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回目となる「東京パークガーデンアワード」が、東京・世田谷区にある都立砧公園でキックオフ! 作庭期間は、2024年12月中旬に5日間設けられ、書類審査で選ばれた5名の入賞者がそれぞれ独自の手法で、植物選びや…
-
宿根草・多年草
花束のような華やかさ! 「ラナンキュラス・ラックス」で贅沢な春を楽しもう【苗予約開始】PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…