花粉の季節にも役立つ!? 愛犬と一緒に腸活。ホームメイドのケフィアヨーグルト

ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さん。愛犬あんのために、ごはんやおやつを手作りしています。そんな海野さんが今回作るのは、ケフィア。日本では販売がないため、手作りするしかありませんが、作り方はとっても簡単! 腸内環境を整え、花粉症などのアレルギー症状の改善効果が期待できるケフィア作りをご紹介します。
目次
犬の花粉症
春爛漫! いつも愛犬と行く公園もたくさんの花が咲いて、散歩が楽しくなってきました。
嬉しい季節ではありますが、花粉症の症状に悩まされている方も多いのでは? 私も花粉の飛散が多いという日は、目の痒み、くしゃみ、鼻水で、マスクの下が赤くなることがあります。

愛犬のあんは、散歩に行こうと家から外に出て少しの間、歩きながら、「クッション! クッション!」とくしゃみを連発することがあります。先日も、オーバーアクション気味なあんのくしゃみに、近くを歩いていた女子高生たちが、「えー花粉症?」と心配してくれました。
犬にも花粉症の症状が出ることがあるそうです。犬の主な症状は、鼻炎よりも、皮膚のかゆみや発疹などが一般的。もちろん、くしゃみや鼻水、結膜炎といった症状もあると考えられていますが、それよりも多いのは皮膚炎だそうです。
あんは今のところ、痒みや発疹はありません。くしゃみも花粉症によるものかどうか定かではありませんが、心配なところです。
犬の花粉症対策
愛犬が花粉症かどうかは、動物病院で検査していただくといいのですが、日頃から気をつけて対策をしておくことも大切ですね。
例えば…
- 散歩から帰ってきたら、ブラッシングをしたり、念入りに体を拭く
- シャンプーの回数をこの時期は増やす
- 家の中で暮らす犬の場合は、人間が花粉を持ち込まないようにする
- フローリングなどはこまめに掃除をする
など、人間の花粉症対策と同じことを、犬のためにもしっかり行うようにしたいです。
また、人間では、腸内フローラを改善することが花粉症改善に繋がるといわれています。近年では犬の腸内フローラと疾患の関連についての研究が世界中で行われているんですよ。
アレルギー疾患と腸の免疫機能
体に入ってきた病原菌やウイルスなどの異物を排除する仕組みが「免疫」です。免疫が働くことで、体は感染症やがんなどの発生から守られています。そして、大切なのは免疫には体に有害な異物を見分ける能力があるということです。
この免疫機能に乱れが生じ、本来なら反応しなくてもよいものまで過剰に攻撃してしまっているのが、花粉症などのアレルギー疾患です。
アレルギー疾患の要因には、食生活の変化や住環境の変化、環境汚染、ストレスの増加、感染症や微生物による刺激の減少、腸内フローラ(細菌叢)の変化などが指摘されていて、胃腸の機能を正常に保つことは、全身の健康には不可欠。腸の免疫機能を十分発揮させるには、腸内の細菌バランスが整っていなければならないのです。
プロバイオティクスが大切
有害なものの増殖を抑え、さまざまな疾患のリスクを低減させてくれるとされる善玉菌「プロバイオティクス」が十分でない場合、腸内の細菌バランスが乱れ、身体の免疫系に影響を及ぼし、疾患へのリスクが高まります。
このアンバランスを解消するために、食べ物を通じて積極的にプロバイオティクスを体内に取り込むことは、腸の健康、全身の健康にとても有効ということが近年の研究で分かってきました。
プロバイオティクスというのは、人間や動物の体にいい働きをする生きた微生物のこと。例えば、体にいいと聞く乳酸菌とかビフィズス菌などの菌をまとめてプロバイオティクスといいます。プロバイオティクスは腸で活躍しますが、人間や動物の腸にはなんと100兆個ものいろいろな菌が棲んでいるのだそう!
最も手軽にプロバイオティクスが摂れる食品といえば、ヨーグルト。そのなかでも、ケフィアはスーパーフードとして古くから愛されてきました。
ケフィアとは?

ケフィアは、黒海とカスピ海に囲まれた山岳地帯のコーカサス地方で伝統的に食べられてきた発酵乳です。ケフィアの起源は1,000~2,000年も昔にさかのぼり、コーカサス地方の人々が山羊の乳を革袋で運んでいるときに乳酸菌や酵母菌の力で自然発酵して、ケフィアが生まれたと考えられています。
ヨーグルトは2種類以上の乳酸菌が発酵してできた「単独発酵乳」ですが、ケフィアは、乳酸菌と酵母が複数の微生物と共生しながら発酵してできた「複合発酵乳」です。
ケフィアの乳酸菌は、生きて腸まで届きやすいとされています。ケフィアに含まれている複数の乳酸菌と酵母が腸に届くことによって、消化を助けて整腸作用を促します。
また、ケフィアには多数のビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、乳酸カルシウムが含まれていて、体の治癒を促進させる効果が大いに期待できる食品です。
ケフィアを手作り

ヨーグルトよりもすごい! となれば、毎日でも食べたいと思うのですが、ケフィアは、日本ではスーパーマーケットなどで販売することができないそうです。そういえば、私がいつも行くスーパーでも見かけません。
ということで、ケフィアはケフィア種菌を使って手作りします。
作り方はとても簡単です。
<材料>
- 牛乳 1ℓ
- ケフィア種菌 1包
*ケフィア種菌は、インターネットで購入できます。
<作り方>
*ヨーグルトメーカー(発酵器)を使う場合
- 消毒した内容器に、牛乳を200mlほど入れます。
- ケフィア種菌を1包入れて、よく混ぜます。
- 残りの牛乳を入れて、全体が均一になるようによく混ぜます。
- 蓋をして、発酵器本体に入れて、25℃24時間にセットしてスイッチを入れます。
*牛乳パックのまま作る場合
- 1ℓの牛乳パックに、そのまま種菌1包を入れます。
- 封をして、パックをよく振って混ぜます。
- 室温で24時間置きます。
牛乳パックをそのまま使って作る方法は、手軽でよいのですが、季節によって気温が一定に保てないので、出来上がりの味や状態に差が出るようです。ヨーグルトメーカーなどのほうが、安定して作ることができます。また、牛乳パックに直接巻くことができる専用の電気ウォーマーもあります。

出来上がったら、冷蔵庫で保存。牛乳の賞味期限内に食べ切るようにします。
ケフィアは、やや柔らかめ。酸味があまりなく、とても食べやすいです。
愛犬のあんには、蒸したさつまいもにケフィアをかけたり、ジャーキーを小さく切ってトッピングしておやつにします。もともとヨーグルトが大好きなので、ケフィアもとてもよく食べてくれます。

これで、愛犬も飼い主も、元気な腸になって、花粉症も怖くない! となれば嬉しいのですが。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
参考:『ホリスティックケア・カウンセラー養成講座テキスト』
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