ハロウィンやクリスマスとともに、日本でも定番になりつつある「イースター」。淡いパステルな色味の「卵」や「ウサギ」が可愛い、春を感じるイベントです。今回はそんなイースターにピッタリな、アメリカの定番卵料理「デビルドエッグ」をご紹介。神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんが教えてくれます。
目次
イースターとは?
本来、イースターとはイエスキリストが十字架にかけられて処刑され、3日後に復活したことを祝うキリスト教のお祭りです。宗教的な意味合いの強い行事ですが、近年はクリスマスやハロウィンのような季節イベントとして、日本でも認知度が上がっています。日本人は真面目で大人しく思われがちですが、じつは楽しそうなものはすぐに試してみる「パーティーピープル」気質があるのかしら? 異教のコトでも垣根なし。そんな日本のマイペースな、たくましさが大好きです♡ 私的には可愛くて、美味しくて楽しいのなら、どんな宗教でもウエルカム!
イースターは年によって日付が変わる移動祝日。「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」がイースター当日。今年、2021年は4月4日です。クリスマスには「赤と緑」、ハロウィンには「オレンジと黒」といったテーマカラーがあるように、イースターカラーは「パステル」。春らしい淡く優しい色合いが象徴的に使われます。
子どもも大人も張り切るイースター
イースターは、大人も子どもも大好きな春のビッグイベント。カラフルに染められた卵やお菓子を草むらに隠して、子どもたちが一斉に探す「エッグハンティング」はイースターの恒例行事です。
殻付きのゆで卵に絵の具などで色を塗ったり、絵を描いたりする「エッグカラーリング」や、スプーンの上に生卵をのせて徒競走をする「エッグ&スプーンレース」、長い柄のスプーンを持ち、芝生の上の卵を転がして競う「エッグローリング」などなど。イースターは日に日に明るさを増していく、気持ちのよい「春の気候」を存分に楽しめる、屋外でのアクティビティが充実しています。
雑誌ではクラフトやお花のアレンジ、パーティー向け料理など「イースター特集」が組まれるので、それも毎年のお楽しみ。家族や仲のよい友人とのパーティーやピクニックに心が躍り、子どもだけではなく大人もワクワクするシーズンです。
この時期、街ではイースター商戦が繰り広げられます。チョコレートメーカーからは、揃って期間限定「イースターパッケージ」が販売され、スーパーの棚がとても華やかに。日本でもカルディなどの輸入商品を扱うお店で、卵やウサギを象ったイースター用のお菓子を見かけますので、ぜひ探してみてください。
シンボルは「卵」と「ウサギ」
カラフルな「卵」と、可愛らしい「ウサギ」が象徴的なイースター。一説では「Easter」という英単語は、神話に登場する春の女神「Eoster」(エオストレ)に由来しているといわれます。このエオストレは野ウサギたちを従えていたそう。なんだかディズニープリンセスのようなキャラクターを想像しちゃう♡ ウサギは「繁栄と豊穣」の象徴、卵は「多産」「復活」「新しい命」の象徴といわれています。
そう! イースターの卵は「復活」のシンボル。処刑の3日後に復活したイエス・キリストと重ねて考えられています。パステルカラーの「卵」とふわふわの「ウサギ」、どちらも春を連想させる優しさを持つモチーフ。今年はイースターで春の訪れをお祝いしてみませんか? イースターパーティーには卵料理をお忘れなく!
悪魔の卵?「デビルドエッグ」
アメリカのホームパーティーのド定番「デビルドエッグ」。デビルドエッグなんて、なんとも不吉な名前の料理ですが、濃い味付けや辛いスパイス味を意味する「Devile」が語源です。可愛いスイーツのような見た目で、前菜、サイドディッシュ、そしておつまみにもなり、とても優秀。実際は料理とはいえないくらい簡単で、ぜひレパートリーに加えていただきたい一品です。年中無休で大活躍のデビルドエッグですが、おそらくアメリカで一番好んで食べられるのが、このイースターシーズン。
ちなみに、アメリカではこのデビルドエッグ専用のお皿が売られています。そのくらいポピュラーな料理なのです。卵形の窪みが付いているので、デビルドエッグ以外に使い道がないのですが、ホームパーティーには欠かせない存在。これを使うとやっぱり可愛いし、ゲストとの会話も盛り上がることでしょう。アメリカのスーパーや食器店などで、わりとよく見かけます。撮影用にと家の中を探してみたら、母と私、合わせて4枚のデビルドエッグプレートを持っていました。こんなに必要かしら。一家に一皿! いかがでしょうか?
天然素材で卵をカラフルに!
せっかくのイースターです。カラフルにやっちゃいましょう! 肝心の「デビルドエッグ」レシピをご紹介する前に、紫キャベツとターメリックを使った色づけをご紹介します。
■ 紫キャベツのパープルエッグ
材料
- 紫キャベツ(適当に刻む) 3枚ほど
- 水 2カップ
- お酢 1カップ
- 砂糖 大さじ1
作り方
材料をすべて鍋に入れ煮立てたら、火からおろし、紫キャベツを取り出す。殻を剥いたゆで卵を入れ、冷蔵庫で5時間ほど漬け込む。
※漬け込んでいる間、何度か卵を回すように向きを変えると色むらが防げます。
■ ターメリックのイエローエッグ
材料
- ターメリックパウダー 大さじ1
- 水 2カップ
- お酢 1カップ
- 塩 小さじ2
作り方
材料をすべて鍋に入れ煮立てたら、火からおろす。殻を剥いたゆで卵を入れ、冷蔵庫で5時間ほど漬け込む。
※漬け込んでいる間、何度か卵を回すように向きを変えると色むらが防げます。
※ ターメリックは色素が強く、白いキッチン用品や服などに付くとシミになるのでご注意!
ルーシーの基本のデビルドエッグ
デビルドエッグには、たくさんのバリエーションがあります。私が子どもの頃から食べているのは、スイートレリッシュ(さまざまな料理に使いやすいようにミジン切りにしたきゅうりのピクルス。比較的スーパーでも手に入りやすいので、ぜひ探してみてください)が入る南部風で、甘塩っぱく何個でも食べられる味です。うちの卵サンドはこの味付け! 最高に美味しいので、おすすめです。
材料
- ゆで卵 6個
- マヨネーズ 大さじ2
- スイートレリッシュ 大さじ2
- ハーブソルト 適量
- 黒こしょう 適量
- ディル 適量
- パプリカパウダー 適量
作り方
- 卵は固ゆで(12分程ゆでる)にする。殻を剥き、冷めてから横半分にカットし黄身と白身に分ける
- 黄身をフォークなどで潰し、スイートレリッシュ、マヨネーズ、ハーブソルト、黒こしょう、刻んだディルを加え、混ぜる
- 白身に②を詰める
- パプリカパウダーを振り、ディルを飾って完成!
冷蔵庫で数時間冷やすと味が馴染み、さらに美味しくなります。
ルーシーの「メキシカン」デビルドエッグ
こちらは、アボカドを使ったメキシコのディップ「ワカモレ」風のデビルドエッグ。みじん切りにした玉ねぎと、爽やかなライムがクセになる味です。マヨネーズは使わずに、酸味のあるサワークリームを混ぜ込みます。アボカドを足すので量が増えます。余った具は、サンドイッチやチップスのディップにどうぞ!
材料
- ゆで卵 6個
- アボカド 2個
- ライム(レモン)汁 大さじ1
- サワークリーム 大さじ1
- 塩 小さじ1/2程
- 玉ねぎ(みじん切り) 大さじ3
- パクチー 適量
- 胡椒 適量
- お好みで飾りのミニトマト
作り方
- 卵を固ゆで(12分程ゆでる)にする。殻を剥き、冷めてから横半分にカットし黄身と白身に分ける
- アボカドの果肉をボウルにいれ、ライム汁をかけて、フォークなどで軽く潰しながら混ぜ、黄身、サワークリーム、塩、玉ねぎ、刻んだパクチーを加え混ぜる
※しっかりとライム汁で和えないと、アボカドが変色するので注意!
- 白身に②を詰め、カットしたミニトマトをのせる
- 全体にパクチーと胡椒を散らして完成
ルーシーの「カレー」デビルドエッグ
材料
- ゆで卵 6個
- マヨネーズ 大さじ2
- カレー粉 小さじ1/4
- クミンパウダー 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1/3
- お好みでピンクペッパーやスプラウトを飾る
作り方
- 卵を固ゆで(12分程ゆでる)にする。殻を剥き、冷めてから横半分にカットし黄身と白身に分ける
- 黄身をフォークなどで潰し、マヨネーズ、カレー粉、クミンパウダー、砂糖を加え、よく混ぜる
- 白身に②を詰め、ピンクペッパーとスプラウトを飾って完成
お好みですが、口金を使って絞り出すと綺麗です。
サンドイッチにも
パーティーの翌日、デビルドエッグが残っていたら、刻んでパンに挟んで朝ご飯に! 今回のレシピは卵サンドのフィリングにもピッタリです。その場合は、少しマヨネーズを多めにすると滑らかになります。
フィンガーフードのように、パクっと食べられる「デビルドエッグ」。想像力を働かせれば、家にあるものでいくらでもアレンジできる、ポテンシャル高めの簡単料理です。ジャパニーズスタイルに挑戦するなら、スイートレリッシュの代わりに「らっきょう」がおすすめ。麺つゆに漬け込んだ卵をからしマヨネーズで和えた「煮卵風デビルドエッグ」も美味しそう!
今年もお花見は難しそうですね。お家でデビルドエッグを作り、イースターパーティーなんていかがでしょうか? ぜひお試しください。
Credit
写真&文 / ルーシー恩田
ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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