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フラワー&フォトスタイリスト、海野美規さんのWeb上アレンジメントレッスン。季節の花をサラリと活ける感覚を身につけて、素敵な大人になりましょう。むずかしい決まりやテクニックは一切なし。ちょっとしたコツと自由な発想で、アレンジメントが上手になりますよ。今回はガーデンフラワーとしても人気のワスレナグサのアレンジをご紹介します。

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春の花ワスレナグサ

ワスレナグサ

春のふんわりした空気に包まれるようになりました。

2021年のイースター(復活祭)は4月4日です。いよいよ春本番ですね。

庭の花がいろいろ咲いています。あまり目立たない小さな花も、のびのびと手を広げるように、大きな花の間から茎を伸ばしています。

小さな花のワスレナグサ。よく目を凝らさないと見逃してしまいそうなくらい細い茎と、星のようなブルーの花が可愛らしいですね。主役というより、主役を引き立てる名脇役的な花ですが、色合わせや高低差など、花壇のアレンジも寄せ植えの鉢の中のアレンジも、とても楽しくさせてくれます。春のガーデンシーンには欠かせない花ですね。

ワスレナグサとイースター

いつもは脇役のワスレナグサを、今回は切り花で主役にしたアレンジをご紹介したいと思います。

他の花を組み合わせると主役の座を奪われかねませんので、なるべくワスレナグサ1種だけのアレンジに。ほんの少しクリスマスローズを見え隠れする程度に使っています。でも、主役はなんといってもワスレナグサです!

素朴な可愛らしいワスレナグサに合わせて、器にはモスシートを使い、ナチュラルな雰囲気にしました。イースターエッグを添えれば、復活祭にもぴったりのアレンジに。

準備するもの

<使った花>

ワスレナグサ
  • ワスレナグサ
  • クリスマスローズ

ワスレナグサが切り花で手に入らない場合は、ポット苗のものを使ってもいいですね。もちろん、庭に咲いている花を摘んで合わせても素敵です。

<器の準備>

ワスレナグサのアレンジ
  • 水を入れられる器(プラスチック、ガラスなど)
  • モスシート
  • ラフィア
  • 両面テープ

モスシートとは?

モスシート

モスシートとは、苔むしたような風合いが演出できるフェイクの苔風のシートです。花資材を取り扱っているショップのサイトや、100円ショップ、ホームセンター、園芸店などで購入できます。本物そっくりなもの、人工芝のようなものなど、いろいろなタイプがあります。今回は、直径15cm×高さ14cmのプラスチックの器を使っています。花の雰囲気や器のサイズに合わせてモスシートを選んでくださいね。

アレンジの手順

  1. 器に両面テープを貼ります。
    ワスレナグサのアレンジの作り方
  2. モスシートをしっかり巻き付けます。
    ワスレナグサのアレンジの作り方
  3. ラフィアを巻きます。ラフィアは多めのほうが、ざっくりした雰囲気が出ます。
    ワスレナグサのアレンジの作り方
  4. 器に水をたっぷり入れて、ワスレナグサを1本ずつ入れていきます。クリスマスローズも加えて、全体にドーム形になるように整えます。高さは、器と1:1くらいを目安にします。
    ワスレナグサのアレンジの作り方
ワスレナグサのイースターアレンジ
イースターエッグを飾って。
ワスレナグサのアレンジ
モスシートを人工芝風のものにすると、少し雰囲気が変わります。

パリのフローリストのアレンジ

パリの花屋さん
パリの花屋さん。Elena Dijour/Shutterstock.com

私が住んでいた1990年代のパリ。当時から洗練された素敵なフローリストがたくさんありました。色使いといい、花の組み合わせといい、たくさんの花をたっぷり使った、豪華なブーケやアレンジメントがとてもとても魅力的でした。その頃、すでに私は日本のアレンジメントスクールで講師見習いをしていました。ですので、渡仏する前からパリのフローリストには憧れでいっぱい! 日本の雑誌で紹介されていたフローリストを、パリに着いたら一軒一軒全部見て回ろう! と意気込んで行きました。

パリのフローリストは、雑誌で見た通り。店内には豊富に花が並べられていて、その配置も、店内のインテリアも、「うわ〜」と声を上げてしまうくらい素晴らしく、「ぜったいパリのフラワーアレンジメントを勉強したい!」と思いました。

素敵なフローリストのひとつ、「comme à la campagne」(田舎のように)というフラワーショップがありました。豪華な花を取り扱うフローリストが多い中で、「comme à la campagne」は、店名のように田舎風な素朴な花アレンジを得意とするフローリストで、とても気になる存在でした。

帰国後、ある女性ファッション誌で「comme à la campagne」の記事を目にしました。そこで紹介されていたのが、ワスレナグサのアレンジ。そのアレンジが、とびきり素敵で可愛らしく、またまた衝撃を受けてしまいました。

ワスレナグサ1種だけのアレンジメントで、一見地味な感じですが、清々しく洗練されていて、見れば見るほどに愛おしくなるようでした。器は、細い茎のツゲを隙間なくたくさん貼り付けて、ラフィアで留めて。ツゲの小枝は、きれいに切りそろえられていて、田舎風な雰囲気の中にも、きちっとした印象でした。そんなところも垢抜けた感じのデザインでした。

春の庭

庭の花が次々に色づく今月は、あのパリのフローリスト「comme à la campagne」のワスレナグサのアレンジを再現してみようと思いました。皆さんもぜひ、フラワーアレンジで春を楽しんでくださいね!

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Credit

写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/

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