愛らしい魅力ふりまくラナンキュラスと、春の花をテーブルに | 花のある週末、はじめませんか Vol.25

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
2月のおすすめは「ラナンキュラス」
2月のウィークエンドフラワー / ラナンキュラス (和名:花金鳳花 英名:Buttercup)
●原産国: 中近東(西アジア)からヨーロッパ南東部の地中海沿岸
●主な生産地: 宮崎県、長野県、香川県 ほか
ひと降りの雨が、長い冬の眠りについていた大地をやさしく揺り起こすようです。二十四節気でいうと、もうじき「雨水(うすい)」。雪が雨へと変わり、雪解け水が流れ出すころ、昔から農耕を始める時期の目安とされてきました。澄んだ空気にきらめく陽射しからは、草木が柔らかく芽吹くような春の気配を感じますね。
花屋さんでは、鮮やかな黄色のミモザがふわふわと微笑み咲き、ひと足早いサクラが薄紅色のつぼみを膨らませています。春の花々がひしめくなかで、昨今チューリップに続き、春の主役に躍り出てきた花といえば「ラナンキュラス」!
ふんわりまあるい花姿に、花好き女子たちはもうメロメロ。パステルカラーからビタミンカラーまでカラーバリエーションが豊富なことに加え、この10年ほどの間に、日本人育種家により魅力的な新品種が次々とデビュー。長野県の生産地「フラワースピリット」が生み出したセンセーショナルな超大輪のローヌシリーズや、宮崎県「綾園芸」の変わり咲きのモロッコシリーズ(画像下)、ピカピカの光沢が珍しいラックスシリーズなど、目を見張るような品種が話題をさらい、世界的にも高い評価を得ています。
コケティッシュな変わり咲きで、ビターテイストのアレンジに

画像は、ラナンキュラスと同じキンポウゲ科のアネモネや、スイートピーやスカビオサといった、春風をはらんだような柔らかな質感の花たち。春の花のスイート&ビターな雰囲気は素敵だと思うのです。
パープルというと、なんとなく秋のイメージの色ですが、春先にもじつにさまざまな美しいパープルの花に出合えます。雪のような純白とあわせて、すっきりとしたモノトーンの色合いも、今の季節の澄んだ空気感に似合うなーと思います。このクシュクシュとしたモロッコ咲きのラナンキュラスも、瞳がネイビーのアネモネもすっごく素敵! コケティッシュな魅力に惚れ惚れしてしまいます。
■材料(花材費合計=2000円前後)
●花材
*ラナンキュラス‘リナセティ’/2本
*アネモネ‘マリアンヌパンダ’/2本(プレート分含む)
*スカビオサ‘プリティーパープル’/2本
*スィートピー‘クリスタル’/1~2本
*ローズゼラニウム/1/2本(上部)
●器について
モノトーンの花が映える白い器をチョイスしました。つぼ型の花器は、花がいけやすい形状なので、ひとつ持っていると便利です。
●コーディネイトについて
花の濃いパープルにあわせて、同じく濃いパープルのプレートにレースペーパーをプラスして、ビターチョコレートを。レースペーパーは常備しておくと、いつものスィーツタイムがちょっとおしゃれに。うっかり折ってしまったアネモネの花をプレートにのせたら、あら素敵です❤
■3ステップでアレンジ
① 最初に、器の口元にローズゼラニウムをいけます。器に対して垂直に立てず、自分の方に向かってくるような角度で入れましょう。分岐しているゼラニウムの葉が、花留めの役割になります。
② 器の中央にラナンキュラスを挿し、その左右にやや低めにもう1本のラナンキュラスとアネモネをバランスよく挿します。
③ 濃いパープルのスカビオサは、ポイントとしてさらに低めにあしらいます。そうすることでアレンジ全体がキュッと引き締まります。最後に、花と花の隙間を埋めるように小分けにカットしたスィートピーを入れて、できあがり!

同じ花をバレンタインにいただいたお菓子の缶に、アレンジしてみました。中にグラスなどを仕込めばOK、ちょっとした花をいける際に重宝します。

■ラナンキュラスを長く楽しむコツ
2月は、ラナンキュラスの花もちがとてもよいベストシーズンです。さらに、長く楽しむために、ちょっとしたコツを紹介しましょう。ご参考まで!
*固いつぼみの状態のものより、開花しているものを選びましょう。植物の性質上、その方が茎がしっかりしています。
*栄養と水が不足すると茎が折れやすくなります。切り花鮮度保持剤をぜひ使用しましょう。花が大きく、色鮮やかにきれいに咲きます。
*必ず茎を切り戻してからいけましょう。
グラスを並べるだけ!春のハッピーイエローをテーブルに
変わり咲きのラナンキュラスは、まだまだ流通量が少なく、もし運よく出会えたとしても1本がとても高かったり…! そこで、最旬の、手に入りやすい定番ラナンキュラスと、春の花々のテーブルフラワーを紹介しましょう♪
ふわふわと重なるシルクのような花弁で、甘い雰囲気がお得意のラナンキュラス。イエローやオレンジ色など元気印のビタミンカラーを選べば、甘さは控えめに。ビビッドな花色を囲めば、会話がいっそう弾みそうです。

■材料(花材費合計=1500円前後)
●花材
*ラナンキュラス‘オンフルール’(オレンジ色)/1本
*ラナンキュラス(山吹色)/2本
*ラナンキュラス(黄色)/2本
*チューリップ‘モンテオレンジ’/2本
*ラッパスイセン‘レプリート’/2本
(ハゴロモジャスミンの蔓は、鉢物からカットして使用)
※下の画像は、画像上の右手2つのグラス分の花材です。

●器について
シンプルなグラス複数個に小分けにいけて、プレートの上にのせました。小さなアレンジを複数個並べるときは、今回使用したハゴロモジャスミンのような、蔓のグリーン(アイビーや利休草、スマイラックスなど)があると、全体をつないで、ひとつのシーンを作ってくれますよ。
●コーディネイトについて
ぽこぽこと丸くかわいらしいラナンキュラスは、ややもすると子どもっぽい花あしらいになってしまいがち。合わせる花に、少し癖のあるものを選ぶと大人っぽい表情に。今回は個性的な八重咲きのチューリップとラッパスイセンをチョイスして、アレンジのスパイスにしました。また、器がシンプルなグラスなので、プレートやコースターを、ラナンキュラスの原産地でもある中近東を意識したモロッカンテイストでコーディネイト。案外合いますね(笑)。

■3ステップでアレンジ
①ペットボトルなどを活用して、切り花鮮度保持剤を正しく希釈した水を用意します。複数個のグラスに、6~7分目ほど注ぎます。
②グラスそれぞれに2~3輪の花を挿し、グリーンをあしらいます。ラナンキュラスのつぼみは、少し長めに飛ばしてもかわいいでしょう。


③プレートの上にのせたり、テーブルに散らしたりしながら、食器類とバランスを見て並べます。長めに流すグリーンがあると、より豊かな雰囲気にコーディネイトがまとまります。
同じ花材をひとつの器にまとめてみました。ハゴロモジャスミンの蔓の下の方をガラスの器に沈めると、葉模様がアレンジと一体化して美しいですね~。

ラナンキュラスの花言葉は「とても魅力的」。春の花贈りにもぴったりの花ですね。
春まであともう少し、このウィークエンドはどんな花と過ごしましょうか。はんなり香る梅の花を求めて、密を避けながら梅見に出かけるのもよいですね♪

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
Credit

小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
「WEEKEND FLOWER」 http://www.floweringjapan.com/weekendflower/
インスタグラム、@weekendflower_official
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ファンが集う会員制度です。
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