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スイートピーの季節です。香りの花で春を呼び込んで | 花のある週末、はじめませんか Vol.23

スイートピーの季節です。香りの花で春を呼び込んで | 花のある週末、はじめませんか Vol.23

こんにちは! 「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?

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1月のおすすめは「スイートピー」

1月のウィークエンドフラワー.その1/スイートピー(和名:麝香連理草 英名:Sweet pea)
●原産国: イタリア・シチリア島
●主な生産地: 宮崎県、岡山県、大分県、神奈川県 ほか

2021年初めてのコラムとなります。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

冬の澄んだ空気のなか、いち早く春を告げる存在が「花」。フラワーショップには、早くも春の花々が溢れています♪ 今回、紹介するウィークエンドフラワーは、旬を迎える春の香りの花「スイートピー」。蝶のように舞い咲く花姿と甘いフレグランスで、人気を欲しいままにする春の妖精。心までくすぐられるような、フリフリのフリルと甘やかな香りが特徴です。

そして、1月21日は「スイートピーの日」。「スイートピー」と聞いて、反射的に「はーる色の汽車にの―って♪」と口ずさむ方は、昭和の方ですね(笑)。スイートピーは、1月後半が一年でもっとも香り豊かで、美しく輝いているそう。そして、松田聖子さんの、かの名曲『赤いスイートピー』がリリースされた日にちなんで、1月21日に制定されたそうです。

スイートピーは、その名前のとおり、sweet(甘い)pea(豆)と、豆の花の仲間です。同じ時期に「豆の花」も出回りますので、見比べていただくと”一族”であることがよくわかります。

数年前、岡山のスイートピー生産者さんを訪ねたことがあります。初めて見るスイートピーのハウス、地面からにょきにょきと、天に向けて明るい緑色が這い伸びる姿は、まるでジャックと豆の木! そして、頭上に舞い咲く可憐な花からは、まるで吐息のような甘く濃密な香りが降り注ぎます。愛らしい花姿から想像ができないほど、ハウスの中は生命力に溢れていたことが印象的でした。

スイートピーのハウス栽培

フラワーショップに並ぶスイートピーは、ピンク、紫、赤、白…とカラーバリエーションがじつに豊富! たくさんの種類からどれをチョイスしようか迷ってしまったときは、

● 好きな色を1色だけまとめて
● 美しくグラデーションする2色をチョイス
● 斑入りのタイプやアンティークカラーなど個性的な色合い

といったポイントに絞って、選んでみるとよいですよ。ラブリーな雰囲気になりがちなスイートピーですが、色のチョイス次第で大人っぽくも飾れます。今回は、この3つのポイントに沿って、飾り方を紹介しましょう。

春の香りをワンプレートに集めて~春の球根花とスイートピー

春を代表する香りの花は、スイートピー以外に、ヒヤシンス、スイセン、ムスカリ、フリージアなどがあります。どの花も、まるで朝の目覚めのような透明感溢れる香り。それらを集めてみれば、春の息吹ならではの、青く清廉な香りのハーモニーです。今回は、美しいラベンダーカラーのスイートピーに、人気急上昇中の「球根つきムスカリ」と、懐かしい雰囲気の水栽培の「ヒヤシンス」を合わせてみました。

春の球根花とスイートピーのアレンジ

■材料(花材費合計=1500円前後)

●花材(画像上・左から)

*球根つきムスカリ/2本
*水栽培のヒヤシンス/1本
*スイートピー‘ラベンダー’/3~4本

●器とコーディネイトについて

いろいろな種類の花を、小さな器を集めたプレートに小分けにあしらうアレンジは、簡単ながら、おしゃれに見えるテクニックのひとつでおすすめです! 今回は、清潔感溢れる白いトレーに、色違い、形違いのカラーグラスを利用して器にしました。ラベンダーカラーのスイートピーが溶け込むホワイト&ブルーの花合わせで、冬の凛とした空気感と春の甘さをミックスしています。

■3ステップでアレンジ

① トレーなど大きめのプレートに、グラスを複数個並べます。ヒヤシンスは、フラワーショップで購入した時のままの器です。

② 球根つきのムスカリは、根が浸るくらいの浅水でOK、水替えの必要もなく楽ちんです。

③ スイートピーは3~4本をふんわり手で束ねて持ち、グラスの高さに合わせて茎をカット。花がバラバラにならないよう、どちらか片側に寄せるようにあしらいましょう。

■スイートピーを長く楽しむコツ

まず、フラワーショップでよいスイートピーを見分けるポイントは、
*茎が硬い
*花1輪1輪が大きめで、フリルがしっかり
*花弁が透けていない
*ちゃんと香りがする
の4点です!! よく分からない場合は、店員さんに選んでもらいましょう(笑)。

そして、長く楽しむコツは、
*必ず茎を切り戻してからいけましょう。スイートピーは糖が大好き! なので、切り花鮮度保持剤の使用でぐっと長く楽しめます。ぜひ、試してみてください。
*茎の下の方の花から傷み始めます。花弁が透けてきたら、早めに摘み取ります。
*乾燥が苦手なので、エアコンの風が直接当たらない場所に飾りましょう。乾燥が気になる際は、さっと霧吹きをするのもよいでしょう。

切り花鮮度保持剤の小袋
切り花鮮度保持剤の小袋。最近は購入時に付けてくれるフラワーショップが増えました。

純白とラベンダーで雪景色のようなアレンジ

春まだ遠い、美しい雪の世界にしばし思いを馳せてみました。水彩画のような透明感は、スイートピーならでは。ピュアな色と香りを部屋に描くように、たっぷりと飾りましょう。

各色6本ずつ、12本くらい飾るとこのくらいのボリュームになり、リビングのなかでも映えると思います。純白のスイートピーは‘クリスタル’という品種です。

スイートピーのアレンジ

日本のスイートピーは、生産量、品質共に世界一を誇る花の一つです。ニューヨークをはじめ、海外でも大人気! 近年ではバレンタイン時期を中心に輸出も盛んです。

冬場でも日照量の多い温暖な地域で生産され、宮崎県が日本一の生産量を誇ります。岡山県や大分県も産地として有名。そして、日本のスイートピー栽培の発祥地は神奈川県だそうで、次に紹介するスイートピーはその神奈川県オリジナル品種‘リップルショコラ’。この「リップルシリーズ」は、今から15年ほど前に開発された品種群です。同時期に宮崎県で開発された「式部シリーズ」などと合わせて、個性的な複色系もスイートピー人気を支えています。香りが一段と華やかなことも、複色系の特徴です。

個性的な複色スイートピーで、スイート&ビターに

複色スイートピーのアレンジ

個性的な色合いのスイートピーは、濃色系の器にまとめていけるとモダンな印象に。春のフレグランスフラワーの一つ、フリージアをしのばせて、フレッシュな香りのブレンドを楽しんで♪

■材料(花材費合計=2000円前後)

●花材(画像上・左から)
*スイートピー‘リップルショコラ’/10本
*フリージア‘アヌーク’/2~3本
*ユーカリ・ポプラス/1本を小分けにカット

■3ステップでアレンジ

① スイートピーをまとめ、器の片側に寄せながらふわっと活けます。

② 小分けにしたユーカリの葉を、逆サイドに活けます。

③ 最後に短くカットしたフリージアをあしらえば、できあがり!

スイートピーは、花言葉が「門出」「やさしい思い出」であることから、3月の卒業・送別シーズンに贈られる花でもあります。これからしばらく、スイートピーが楽しめるシーズン、嬉しいですね。

この週末は、フラワーショップから部屋に、春を連れて帰りませんか?
寒い季節、部屋に花が香っていると、ホーッと心が癒やされて、幸せな気持ちになりますよ。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

Credit

記事協力

小川典子

(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/フラワーシーンプロデューサー。会社勤めの傍ら23歳から本格的にフラワーアレンジを学び、(株)ワコール、キリンビール(株)の花部門、食品部門のマーケティング職を経て、2010年より「フラワーバレンタイン」や「WEEKEND FLOWER」など、花の消費拡大プロモーションを担う。雑誌、WEBなどの連載、講演多数。
「WEEKEND FLOWER」 http://www.floweringjapan.com/weekendflower/
インスタグラム、@weekendflower_official 

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