新年の花、やわらかなピンク色のヒヤシンスで迎える早春のアレンジ

本日ご紹介するのは、フラワー&フォトスタイリスト、海野美規さんのWeb上アレンジメントレッスン。穏やかで明るい年になってほしいという願いを込めて、優しいピンク色のヒヤシンスでお正月に飾るアレンジメントを作りましょう。むずかしい決まりやテクニックは一切なし。ちょっとしたコツと自由な発想で、アレンジメントが楽しく、上手になりますよ。
2021年はピンク色の花でスタート

お正月には、ヒヤシンスをどんと飾ろうと決めていました。しかも、この優しい淡い‘チャイナピンク’という名前のヒヤシンスを。
2021年は穏やかで明るい年になってほしい、そういう年にしたいと願って、華やかな優しいピンク色の花を飾りたいと思います。
正統派の縁起のよい花飾りに加えて、2021年の始まりにピンクの花飾りもぜひ取り入れてみませんか。ヒヤシンスの早春の香りと、優しい花色をお楽しみください。

2種類のアレンジで使った花

- ヒヤシンス‘チャイナピンク’
- 麻ひも
- 水引き
- 青りんご(フェイク)
- 山ごけ

ヒヤシンスは早春の花。庭のヒヤシンスが咲くのはまだまだ先のことですが、切り花としては、12月になるとお花屋さんで見かけるようになります。
切り花として売られているヒヤシンスには、丸のままではなく、切りそいだ状態の球根がついています。この部分は最初は切り落とさず、つけたままにしておけば、固いつぼみも徐々に開いてきます。
たっぷりの水に入れると茎が傷みやすいので、水はそこから3~4cmほど(水切れに注意)。

先端のつぼみまで満開になると、頭が重くなって、茎がぐにゃりとしてきます。そうなったら短くカットして楽しみましょう。アレンジメントの作り方手順<その2>では、短くなったヒヤシンスのアレンジもご紹介します。
ヒヤシンスで迎える早春のアレンジメントの作り方手順

ここでは、2種類のアレンジメントの作り方をご紹介します。
<その1>ワインクーラーにすっぽり収まるようにアレンジ

ヒヤシンスは茎が柔らかく、満開になると上部が重くなってきますが、筒形の器にすっぽり収まるように活けると安定します。
写真の器は、もともとワインクーラーなので、口径が少し広がっています。ヒヤシンスの花が先まで開いてきても、そのボリュームを支え、茎が伸びてきても曲がることなく保てます。きれいな茎も見ることができて、爽やかなアレンジになります。
- ワインクーラー、または筒形のガラスの器を用意します。
- ヒヤシンスの葉を2〜3枚残して、葉と花を分けます。
- 花を束ねます。
茎を真っ直ぐにして揃えるか、同じ方向に斜めに(スパイラル状に)まとめるようにします。 - ②で取った葉も加えます。
- 麻ひもで結びます。
あまりきつく巻きつけると柔らかい茎が傷むので、緩めに。 - 器の高さ2/3くらいに収まる長さにカットします。
- 器に3〜4cmほど水を入れて、束ねたヒヤシンスを活けたら完成。

*麻ひもを紅白の水引きにかえると、カジュアルながらお正月らしい雰囲気になります。

<その2>短いヒヤシンスを脚付きガラス器にアレンジ

ヒヤシンスが満開になって重くなったら、さらに短くカット。こんなアレンジで楽しんではいかがでしょうか。
- 山ごけを器に入れます。
底から3〜4cmくらいまで、器の側面に沿って入れます(底面には入れなくてかまいません)。 - 器に合わせた長さにカットしたヒヤシンスを垂直に入れます。
- 茎や葉も入れます。
- 最後に、 山ごけの上にフェイクの青りんごを入れます。こうすることで、ヒヤシンスが固定されます。

お正月らしい松を添えて。

優しさと思いやりと若々しさ、永遠の憧れのピンク色

色使いとデザインが美しいエルメスのスカーフ。これまでどのくらいの枚数が発売され、世界中でどのくらい売れたのか、想像もつきません。もっとも売れたものとしてギネスブックに認定された柄があるそうです。「ブリッド・ド・ガラ(式典用馬勒)」と呼ばれるものがそれで、1957年の発売以降、今までに60色近くも色を違えてプリントされています。
ブリッド・ド・ガラの中で最も人気なのは、なんといってもピンク色のスカーフ。縁取りが淡いピンクで、馬勒がグレイ、配色がとてもきれいなんですよね。私も20代の頃、よく首に巻いていました。普段あまりピンクを選ばない私も、このスカーフは大好きでした。ピンクのスカーフは、顔を明るく元気に見せる効果がありますから、これから年齢を重ねていくうえで、強い味方になってくれそうです。

何年か前、知り合いの方から、ボビンレース教室の作品展をするので、案内はがきを作ってほしいという依頼がありました。はがきの全体の色を決めるとき、絶対に薄い柔らかいピンク色にしようと思っていました。いくつかデザインの案を先生にお見せしたところ、「私たちにピンクを選んでくださって嬉しい」と言ってくださいました。その教室は、先生も生徒さんも60〜70代の方でしたが、ボビンレースという華やかな作品であること、女性の方が集まるということ、これはもうピンクしかない! という思いでデザインしました。やはりピンク色は、どの年代の女性にとっても楽しい嬉しい色なのだと、そのとき確信しました。

そう、女性にはピンク色がぴったりなのです! 世界中で、年代を問わず愛される色! 永遠の憧れの色!
ピンク色は、女性にとって、全体運をアップさせる色だとか。優しさ、思いやり、そして若返りなどのパワーがあるのだそうです! これはもう、取り入れるしかないですね。
今年はピンク色パワーで、優しく若々しく元気に過ごしましょう!
そんな思いで作ったヒヤシンスのお正月アレンジ。皆さんもぜひ、ピンク色の明るい気持ちで一年の始まりをお迎えくださいね。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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