鎌倉野菜でカラフルな大根のポタージュ&ハーブクルトン【ルーシーのおいしい暮らし】

冬は根菜が旬ですね。紫大根(紫師舞)、紅大根(紅くるり)、黒丸大根、紅芯大根など、大根にはこんなカラフルな種類があるのをご存じですか? 今回は、彩りも楽しめる紅芯大根を主役にしたあったかポタージュに、ハーブクルトンのトッピング作りまで、神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんが教えてくれます。まずは、鎌倉野菜のお買い物情報からスタート!
鎌倉野菜は「レンバイ」で!
鎌倉駅から歩いてすぐの所に、鎌倉市農協連即売所があります。通称「レンバイ」と呼ばれている鎌倉市近隣で収穫された農作物の直売所。

毎朝、近所の人やシェフ達で大賑わい! フレッシュな野菜、ハーブ、お花、普段スーパーでは見かけない野菜も手軽な値段で販売されています。

この「レンバイ」、雑誌やテレビなどのメディアでも度々紹介されているのでご存じの方も多いかもしれませんが、じつはとても歴史の古い即売所なのです。

以下、鎌倉市農協連即売所のホームページより拝借。
『鎌倉市農協連即売所の発足は昭和3年で、鎌倉在住の農家が各引き売りをしていたところ、外国人牧師から「ヨーロッパでは、農家が自分で生産した野菜などを決まった場所で直接消費者に販売している」という話を聞いたのがきっかけになったと言われています』
いまではよく見かける、「マルシェスタイル」のマーケットが昭和初期から行われていたとは驚きです。現在は23軒の生産者の方達が4班に分かれて交代で出店しており、日によって野菜のラインナップも接客も個性豊か。

私の勝手なご贔屓は1班! 旦那さんがハンガリー人のイケイケ夫婦や、おそらく鎌倉イチ商売上手なおばちゃんなど、生産者の方とのちょっとした会話も楽しみの一つです。美味しい食べ方も教えてくれるので、日々参考にさせてもらっています。
鎌倉散策の際には、レンバイのすぐ横に併設されている鎌倉中央食品市場にもぜひ立ち寄ってみてください。パンやケーキ、干物などの店舗があり美味しいものが盛り沢山。古都鎌倉らしく、昔ながらのお店とおNEWでオシャレなショップが混在しています。

私のオススメは「三橋商店」と「はな」。乾物を扱う「三橋商店」は乾物の他にも、なぜか急にオシャレな瓶詰めの調味料が破格で並んでいる不思議な魅力のお店。
「はな」はスタイリッシュな店構えですが、川崎に本店がある古き良きお団子屋さん。

お団子や太巻きが最高に美味しいうえに、お店の方の笑顔がとても素敵なので、ついつい通ってしまうお店です。

料理には彩りが大切!

なぜ私が鎌倉野菜をおすすめするかというと、カラフルなお野菜が多く綺麗だから!
「料理なんて胃に入れば一緒でしょ」なんてナンセンスなことを言う人もいますが、料理は五感で楽しむもの! 彩りのある料理は目にも楽しく食欲を誘います。

「レンバイ」では「温野菜セット」という名前で、さまざまな色の大根や人参などが入った「お試し小袋」的なものが売られています。

中を開けてみるとこんな感じ。なんだかスイーツを見ている気分になるほど鮮やか! 蒸したり、焼いたり、お漬け物にも万能です。
もちろん! 私のお料理教室でも鎌倉野菜を使っています。食材が綺麗だと毎日のお料理もモチベーションが上がって、もう、絶好調!

ピクルスに鎌倉野菜を使うと、こーんなに華やか!

大根はとてもカラフル
人参やジャガイモ、カブ、トマトなど、カラーバリエーションが豊富な鎌倉野菜たち。


中でも、ひときわ鮮やかで目を引くのが大根ちゃん。大根と言えば真っ白なイメージですが、赤や緑、紫、黒など沢山の種類が存在します。
せっかくなのでいくつかご紹介。
紫大根(紫師舞)と紅大根(紅くるり)

外皮も中肉も鮮やかな色味が特徴的な2種類の大根。色味を生かして大根おろしに! スライスしてサラダや、お漬け物にしてもキレイです。特に紅大根は加熱しても色が残るので、お肉と一緒にグリルするなどなど、幅広く使えます。
黒丸大根

ヨーロッパ原産で真っ黒いカブのような形状の黒丸大根。フランス料理で使われることも多く、しっかりとした固めの歯ごたえで、荷崩れしにくいのが特徴的。
この黒丸大根は一般的な大根の仲間ではなく、ラディッシュの一種だそうです。サラダなどの生食も可能ですが、火を通すことで甘みが増すのでグリルがおすすめ! 天ぷらでも美味しいらしいです(私はまだ未経験)。
紅芯大根

大きなカブのような丸いフォルムで、フルネームは「青皮紅芯大根」。皮の緑からは想像できないほど、中は眩しいほどの赤! 色合いがまるでスイカなのです。大根特有の辛味がほとんどなく、甘味が強いので、大根の辛味が苦手な方にもオススメです。
ルーシーの紅芯大根スパイスポタージュ

冬に飲みたくなるのが、根菜で作る暖かいポタージュスープ。我が家での登場頻度はかなり多め。カブや人参、ジャガイモ、そして今回ご紹介する大根のポタージュなど。基本の作り方は同じなので応用が利くメニューです。今回は、大根の中でも辛みが少ない「紅芯大根」を使ったピンク色のポタージュをご紹介します。
材料 3~4人分

- 紅芯大根 300g
- 玉ねぎ 1個
- 生米 大さじ3 (洗っておく)
- バター 15g
- 顆粒コンソメ 小さじ1〜1と1/2
- ハーブソルト 小さじ1/2(なければ普通の塩で)
- 水 500cc
- 牛乳 250cc
- 塩・胡椒 適量
- クミン 小さじ1/4
- クローブ ひとつまみ
作り方
- 玉ねぎは繊維を断ち切る方向に薄くスライスし、紅芯大根も薄くスライスする。
- バターを鍋に熱してスライスした玉ねぎを入れ、バターが絡んだら塩少々と水大さじ3(分量外)を入れて混ぜる。蓋をして弱めの中火で数分間蒸し煮にしてからよく炒める。
- スライスした紅芯大根と生米を②に加え、中火でさらに炒める。
- 水、コンソメ顆粒、ハーブソルト、クミン、クローブを加え、15~20分ほど蓋をして煮込む。
- ハンドブレンダーやミキサーにかけて④をペースト状にする。
- 牛乳を⑤に加えて混ぜ、塩胡椒で味を整える。
- 器に入れ、ハーブクルトンやハーブを盛りつけて出来上がり!

ルーシーのハーブクルトン

クルトンって子供の頃から大好き! コーンスープが見えなくなるほどクルトンをのせちゃう「クルトンラバー」な私の簡単レシピです。食べ損ねて固くなってしまったパンでもいいし、冷凍庫で眠っているパンを解凍してもOKです。数日間保存が可能なので、スープやサラダにもご活用下さい。ザクッとした歯ごたえがクセになるはず。
材料

- お好みのパン 適量
- お好みのハーブソルト(乾燥ハーブと塩でも!) 適量
- オリーブオイル 適量
作り方
- パンをサイコロ状に切って耐熱皿や天板に並べる。
- オリーブオイルにハーブソルトを混ぜ、①のパン全体にからめる。
- トースターやオーブンでカリッとするまで焼いて出来上がり。

今回は千葉の「大多喜ハーブガーデン」のハーブソルトを使いました。クレイジーソルトなど他のハーブソルトでも大丈夫! お家にハーブソルトの用意がなく、乾燥ハーブで作る場合は、バジル、ローズマリー、オレガノ、パセリ、タイムなどをお好みでお使いください。
今回は紅芯大根を使ったレシピですが、カブや人参でも作り方は同じ! カラフルな根菜を見かけたら、ぜひポタージュを作ってみてください。紫人参や黄カブなんかいいですねぇ。
美味しいだけではなく、消化促進作用や加温作用のあるスパイス、「クミン」と「クローブ」を使うことで寒い冬の免疫力アップにも効果的。切って炒めて、ミキサーでガーッ! とやるだけ。どう? 簡単でしょう? 旬のお野菜を取り入れて、心も身体もポカポカな冬をお過ごしください。
Credit

写真&文/ルーシー恩田
アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト
20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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