普段、無意識に行っている呼吸ですが、現代社会で生きる私たちは、常に交感神経が優位になり、呼吸が浅くなりがち。そんな時には、ハーブの香りを体いっぱいに吸い込んで、深呼吸してみましょう。今回は、ハーブを詰め込んだマッサージアイテム「ハーブボール」の使い方・作り方をご紹介! 心身のメンテナンスに、ハーブの力を借りてみませんか?
目次
ハーブボールとは?
ハーブボールは、何種類ものハーブを布に詰め込んでボール状にしたもので、タイ発祥のマッサージの道具です。アーユルヴェーダ医学の影響を受けて誕生して以降、古くから、民間療法のひとつとして親しまれてきた歴史があります。
ハーブボールを使用することによって、筋肉のコリ、疲労感、冷え性の改善などが期待できます。また、ハーブの効能により、緊張をほぐす・イライラの解消・ホルモンバランスの調整・自律神経の調整など、心にも作用します。
ラベンダーの香りでリラックス! ハーブボールを手作りしよう
本場・タイのハーブボールは、タマリンドの葉・レモングラス・ウコン・ショウガ・コブミカンの葉など、多種多様な乾燥ハーブを使っているのですが、日本ではなかなか手に入れるのも大変なハーブが多いのです。そこで、手に入りやすいドライラベンダーを使って作ってみましょう。

ラベンダーには、鎮静作用があります。気持ちを落ち着けて、安眠へといざなう香りです。特に夜の入浴時におすすめのハーブですね!
加えて、ラベンダーのスキンケア作用も見逃せません。肌細胞を活性化させたり、炎症を抑える作用がありますよ。紫外線に一年中さらされているお肌ケアにもピッタリ。
ドライハーブは、ハーブ専門店で購入可能です。店舗が近くにない場合は、インターネット通販をご利用ください。購入する際は、食品用(ハーブティー用)のラベンダーかどうかをチェックしましょう。中には、クラフト用も売られていますが、肌に付けることを考えると食品用が安心です。また、妊娠中の方は、ラベンダーの使用は控えめにしてください。
ハーブボールの作り方
それでは、作っていきましょう。
【材料】
◯ラベンダー(ドライ) 30~50g
合計で150gになるよう組み合わせる
◯粗塩 100~120g
◯コットン布(30×30cm) 1枚
◯タコ糸
【作り方】
1. ラベンダーと粗塩を計量して、袋の中で混ぜる
ラベンダーと粗塩のバランスは、決まりはありませんのでお好みでOK!
2. 1をコットン布の中央に置き、四隅を持ち上げ、ボール状になるように布を束ねて形を作る
3. 2の下の部分をタコ糸でしっかり縛ったら、タコ糸を巻き上げてハンドル部分(持ち手)を作って完成
作ったハーブボールの使い方は?

ハーブボールの使い方は、大きく分けて2つ。水分を含ませて使用する方法と、水に濡らさないで使用する方法があります。お気に入りの方法を見つけてみてください。
水分を含ませて、ほかほかに温めて使用する
ボウルにぬるま湯を入れ、ハーブボールを浸します。ほどよく水が馴染む程度で十分です。その際、持ち手は濡らさないほうが後で使いやすいですよ。そのあと、蒸し器や電子レンジで温めます。様子を見ながら加熱し、温めすぎにはご注意を。
温めたハーブボールが人肌程度に冷めたら、直接肌に押し当て、セルフマッサージします。当てた部分がじんわりと温かくなり、血行促進作用も。疲れを感じる場所や、冷えている部分などにボールを当て、ゆっくりほぐしていきましょう。冷めてきた場合は、再度、温めてから使用します。
水分を含ませて、お風呂で使う
湯船につかりながら、ハーブボールでセルフマッサージ。おすすめは、半身浴をしながら行うこと。半身浴は心臓や肺への負担が少なく、体を温めることができます。じんわりと汗をかくことで新陳代謝を促し、デトックス作用・疲労回復作用も。そこにハーブの香りが加われば、ラグジュアリーなリラックスタイムになりますね。その際には、ぜひ呼吸を意識してみてください。お腹に空気を入れるように、ゆっくり深呼吸してみましょう。
※水分を含ませて使用する際の注意点
●温めて使用する場合、高温になるので、直接体に当てる際にはご注意ください。
●ハーブは色落ちし、粗塩の成分が溶け出します。汚れてもよい服装と場所で使用してください。
●水に濡らして使用したハーブボールは、冷蔵庫で保管しますが、長期保存はできません。特に手作りの場合は、衛生管理も自己責任。早めに使い切りましょう。私は2~3回マッサージに使用した後、ボールをお風呂に浮かべてハーブバスにして、新しいものに交換しています。
水に濡らさないで、温めて使う
水に浸さず、電子レンジで温めて使います。水分を使用していないので、どこでも気軽に使える点、長期に渡って使用が可能な点が嬉しい方法です。ラベンダーの香りを感じられなくなったら、新しいものにしてくださいね。
パソコンやスマホで疲れた目や首、肩などに当ててみたり、痛いと思う場所に押し当てて、少しマッサージするようにさするといいですよ。私は、粗塩を多めにした水分なしバージョンのハーブボールを作っておき、肩たたきをするのがお気に入り。
お気に入りのハーブボールでリラックスタイムを!
いかがでしょうか? 今回はラベンダーで作りましたが、ローズやカモミール、ミント、レモングラスなど、他のハーブとブレンドして作るのもおすすめ。使用するハーブによって、作用が異なるので、体調や気分に合わせて、お気に入りのハーブボールを作り、癒やしのひとときをお過ごしください!
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
編集部でもハーブボールを作ってみました(動画)!
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