ハーブというと、西洋のもの…というイメージがあるかもしれませんが、シソは立派な和ハーブ! 食欲増進・殺菌・防腐作用などがあり、身体の維持管理に役立ちますよ。食べないなんてもったいない♪ というわけで、今回は、和ハーブ・シソを食べるレシピ『シソの実の塩漬け』と、作った塩漬けを活用した『シソ餃子』の2つをご紹介します。
シソってどんな植物?
シソの歴史は古く、日本では、平安時代から栽培が始まったと言われ、古くから人々の暮らしの中に取り入れられ、健康維持に役立てられてきました。
シソは、料理の薬味として使われることが多いですが、これは、シソに食欲増進作用があるためです。また、殺菌・防腐作用があることから、葉・花穂がお刺身やお寿司などに添えられているのも、うなずけますね。
シソは、ビタミンやミネラル類を豊富に含んでいる栄養価の高い植物で、加えて、シソの種子にはα-リノレン酸やルテオリンが、そして、赤ジソの葉には、ポリフェノールの一種・ロスマリン酸が含まれており、花粉症などのアレルギー症状を緩和する効果が期待できるとされています。葉だけでなく、花・種まで活用できる万能和ハーブなのです。
シソの保存レシピ「シソの実の塩漬け」を作ろう

シソの葉は、1株でかなりの量が収穫でき、食べ飽きるほど…。薬味にしたり、てんぷらにしたりしますが、今回は、我が家で重宝している、シソの消費レシピを2つ、ご紹介しますね。
まずは、1つめ。花が咲いている時にしかできない保存レシピ「シソの実の塩漬け」です。
8月までは花を咲かせないように管理し、9月以降は花を咲かせて、1か月ほど経ったら、保存食「シソの実の塩漬け」を作ります。

【材料】
◯シソの実(青でも赤でもどちらでも可) 50g
◯天然塩 10g ※シソの実の20%
【作り方】
1. シソの花穂を収穫し、茎から丁寧にシソの実を外す

2. 洗ったあと、熱湯で1分茹でてあく抜きをする
今回は赤ジソの花穂を使用しているのですが、紫色をしていた実は、茹でると緑色っぽくなりますよ。
3. ざるにあけ絞った後、ペーパーなどを使って、しっかり水気を取る
4. 天然塩を入れ、混ぜ合わせたら完成

2日後から召し上がれます。密閉容器に入れて、冷蔵庫で1か月程度を目安に食べきりましょう。
ふりかけとしてごはんにかけてもいいですし、おにぎりにもおすすめ! 味噌汁の具材や、ハンバーグに混ぜたりと、活用の幅も広いです。
葉も実も使った「シソ餃子」を作ろう
そして、もう1品はシソ餃子。先ほど作った、シソの実の塩漬けも使いましょう。シソの実のプチプチとした食感も楽しめますよ。
【材料】
- 餃子の皮(大判) 20枚
- シソの葉(青でも赤でもどちらでも可) 20枚
- 豚ひき肉 240g
- キャベツ 1/6個
- ニラ 30g
- にんにく 1片
- しょうが 適量
- 鶏がらスープの素小さじ1(大さじ1のお湯で溶かしておく)
- こしょう 少々
- シソの実の塩漬け 大さじ2~3程度 ※量はお好みで調整してください
※塩漬けがなくても作れます。その場合は塩を適量お入れください - ごま油 適量
- たれの用意
- 酢や黒酢・ショウガの千切り・ラー油・醤油などお好みのもの
【作り方】
1. キャベツは下茹でして粗みじんに切り、水気をしっかり切っておく
2. ニラを5mmくらいに切る
3. ボウルに豚ひき肉・紫蘇の実の塩漬けを入れて、粘り気がでるまでよく混ぜる
4. ボウルに、キャベツ・ニラ・にんにく・しょうが・お湯で溶かした鶏がらスープの素・こしょうを加えて、よく混ぜ餡を作る

5. 餃子の皮にシソの葉を置き、その上に餡を乗せて包む


6. フライパンにごま油を入れて餃子を並べ、焼き色がつくまで焼く
7. 水を加えて蓋をして、弱火で5分ほど蒸し焼きにする
8. 蓋をとったら強火で残った水気を飛ばし、最後に、ごま油をまわし入れ、カリッとするまで焼いて完成
初心者さん向けハーブ! シソの上手な育て方
このように、シソは活用の幅が広く、楽しめる期間が長いため、ご自宅に1鉢あるととても便利に使えます。栽培も簡単で初心者さん向けハーブでもあります。また、プランターでも栽培可能ですので、ぜひ、春から栽培にチャレンジをしてみてください。
上手に育てるためのポイントは、3つ。
まずは、6~8月は花芽を付けさせないようにすること。花が咲いてしまうと、新しい葉を出す力は種を充実させるほうへ回してしまい、結果、葉があまり採れません。花芽が伸びてきたら、すぐ摘み取り、食べましょう。また、伸びてきた上の柔らかい葉をこまめに摘みとるようにすると、脇芽がどんどん出てきて、多くの葉が収穫できます。はじめのうちは、どこで切ったらいいのかわからず、もう出てこないんじゃないか…と不安になりますが、これも「慣れ」です。怖がらずチャレンジしてみてくださいね。
2つめは、水やりのタイミングです。シソは乾燥が苦手ですので、水が切れないようにしましょう。
3つめは、置き場所です。シソは日当たりが強すぎる場所より、半日陰といったような、直射日光が当たらない場所のほうがおすすめ。日光が強すぎると、収穫する葉がごわごわしてきます。全般的にハーブや野菜栽培には、日当たりが必須になるのですが、そんな場所がない方にとって、シソは重宝しますね。ただし、ひょろひょろと上に伸びてしまう・葉の色が薄くなってくるようなら、日照不足のサイン。もう少し日当たりがいい場所へ移動を検討してくださいね。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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