マリーゴールドと紅葉の枝で楽しむ、大人ハロウィン | 花のある週末、はじめませんか? Vol.16
こんにちは! 「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
目次
10月のおすすめは「マリーゴールド」
10月のウィークエンドフラワー.その4/マリーゴールド(和名:万寿菊、孔雀草 英名:marigold)
●原産国: メキシコ
●主な生産地: 愛知県、埼玉県、北海道 他
「Trick or Treat! (いたずらしようか? それともお菓子くれる?)」
仮装した子供たちがやってくるお祭り、ハロウィン。本場アメリカでは子どもたちのイベントであるハロウィンですが、大人も一緒になって遊ぶのがジャパニーズスタイル。このウィークエンドは、ハロウィンイベントやおうちで楽しむホームパーティーを予定している方もいるかもしれませんね。
花屋さんの軒先にもさまざまな色や形のパンプキンが並び、こっくりとした秋色の花々や紅葉した枝葉たちがハロウィン気分を盛り上げてくれています。そんななか、鮮やかなオレンジ色に魅かれて手にした花「マリーゴールド」、今週のウィークエンドフラワーです。
マリーゴールドは、公園の花壇や鉢植えでおなじみの、とても身近な花ですね。春から晩秋までと開花期が長く、元気いっぱいな色合いで私たちの目を楽しませてくれます。マリーゴールドは「植物のお医者さん」という異名があるほど、優秀なコンパニオンプランツ。一緒に植えると病害虫の被害を防いだり、生育がよくなったり、野菜なら風味がよくなるともいわれています。
最近は切り花でも人気で、花屋さんに出回るのは、茎が長く大輪の花がこんもりと咲くアフリカン・マリーゴールドというタイプ。明るいオレンジ色や黄色のほかに、バニラ色のやさしい色合いも加わって、ますます注目されています。柔らかな花弁がクシュクシュっと集まって咲く花姿は、なんともいえない愛らしさ。キク科の花独特のちょっとスパイシーな、スッとするようなハーバルな香りがします。虫が嫌がりそうな匂い…、ともいいます(笑)
パンプキンカラーのマリーゴールドでハロウィンアレンジ
ハロウィンに欠かせないオモチャカボチャ、ユニークな色形のものがさまざま出回るなか、もっともポピュラーなものがオレンジ色のミニパンプキンです。おなじみのカボチャも、組み合わせ次第で大人っぽい雰囲気に飾れます。
今回は、ミニパンプキンと同じオレンジ色のマリーゴールドと、美しく紅葉したベビーハンズ(木苺)の枝葉が主役! 紅葉した葉のボルドーカラーや赤色を重ねるように、シックなボルドーカラーのリューカデンドロンと、魔女のホウキのようなアマランサス、コロンとした赤い実が可愛らしいローズヒップを合わせました。
■材料(花材費合計=2000円前後)
●花材(画像下・左から)
*紅葉ベビーハンズの枝/1本を小分けに
*マリーゴールド/2本を小分けに
*アマランサス/2本
*リューカデンドロン/2本
*ローズヒップ/1本
器の外周の長さ+2cm程の長さ、高さはお好みでカットします。ペーパーは、巻き始めをガラス器に両面テープで固定し、ぐるりと巻いた最後はペーパー同士を両面テープで留めておきましょう。
●コーディネイトについて
紅葉ベビーハンズの枝の下の葉は、だんだんカラカラと乾燥してきます。アレンジ用に短くカットした枝の下の葉は、1枚1枚ばらばらにして、落ち葉のじゅうたんのようになるよう、アレンジの周りに無造作に並べてみましょう。ミニパンプキンなどのオモチャカボチャは、1個よりも複数個(できればたくさん!)を、ゴロゴロと並べたほうがおしゃれに見えますよ!
■3ステップでアレンジ
① 器に切り花鮮度保持剤を希釈した水を入れます。紅葉ベビーハンズの枝を小分けにして、水に浸かる部分の葉を取り除きます。取り除いた葉は器の周りに並べましょう! マリーゴールド、リューカデンドロン、アマランサスをいけやすい長さにカットし、下葉を取り除きます。
② 器の口元に、小分けにした紅葉ベビーハンズの枝を数本入れて花留めにします。ベビーハンズの葉に重ねるように、中心にマリーゴールドをあしらいます。数輪のマリーゴールドの花が横並びにならないように、若干の高低差をつけながらいけましょう。
③ マリーゴールドの背景に、リューカデンドロンやアマランサスを配します。器の奥にいける花は、手前の花より長くしないと…! と思いがちですが、たとえば、重たい質感のリューカデンドロンはあえて低めにいけてアレンジをぐっと引き締め、アマランサスの穂は軽やかに飛ばして、といった感じに、花の質感で強弱をつけると、アレンジに奥行きが出て素敵になります。最後に、アクセントにローズヒップをプラスすれば、できあがり!
今回は、ペーパーアイテムを使った、ややおめかししたハロウィンアレンジになりました。同じ花材でも、器をブリキのバケツに替えたり、生成りやオレンジ色のラフィアを花期にたっぷり巻いたりすれば、よりナチュラルな“収穫祭”っぽい雰囲気になると思いますよ♪
■マリーゴールドを長く楽しむコツ
とても花もちがよい花です。涼しくなった今の時期でしたら、2週間ほど楽しめます。
*花店で選ぶ際に、葉が青々とした鮮度のいい花を選びましょう。
今回アレンジに使用したマリーゴールドは北海道から届いたものです。ベビーハンズも北海道が名産地。近年北海道では、地震や台風などの自然災害も発生していますが、災害に見舞われながらも、こうして私たちに季節の恵みを届けてくださって、なんてありがたいことでしょう…!!
ハロウィンのテーブルコーディネイトのアイデア
花の色を赤~オレンジ系、オレンジ~黄色系などの同系色にして、食器や小物などで黒やパープルのアクセントを効かせるとぐっとハロウィンらしくなります。
オモチャカボチャは傷がついたところから傷みます。ハロウィン直前までは、そのまま飾って、ハロウィンパーティ当日に、表面に果物ナイフなどで切れ込みを入れ、そこにネームカードやメッセージカードを入れるのも素敵なアイデアです。市販のパンプキンプリンに市販のクッキーを組み合わせただけの手抜きスイーツも、コーディネイトにひと工夫あれば、おもてなし風になります♪
最後にマリーゴールドの話をもう少し。
鮮やかな花色から想像されるように、太陽の国メキシコが原産地。メキシコといえば…、映画『007 スペクター』をご覧になった方、冒頭シーンの舞台となったメキシコシティ「死者の日」の祝祭、骸骨たちのド派手なパレードを覚えていらっしゃいますよね!
カトリックにおける「諸聖人の日(万聖節)」11月1日と「万霊節(All Soul’s Day)」11月2日。ラテンアメリカ諸国においてこの日は「死者の日(Day of the Dead)」とされ、全ての死者の魂のために祈りを捧げる祝日。なかでもメキシコの「死者の日」は盛大で、祝祭の日はオレンジ色のマリーゴールドで街全体が華やかに彩られ、色とりどりのガイコツ人形が飾られる風習があるそうです。
マリーゴールドが飾られるのは、その名の由来「聖母マリアの黄金の花」が関係あるのか? と思いきや、メキシコでは「死者の世界から死者を祭壇まで呼んでくれる花」なのだそうです。悪霊祓いの「ハロウィン」と、死者を崇める「死者の日」では意味合いが異なりますが、キリスト教の「万聖節」を由縁とすることから、そのルーツは似ているのかもしれないですね。
週末は花屋さんを覗いて、ハロウィンを楽しむテーブルの仕上げにぜひ花をプラスしてみてくださいね♪
ではでは皆さま、Happy Halloween!! 花と素敵な週末を。
Credit
小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
「WEEKEND FLOWER」 http://www.floweringjapan.com/weekendflower/
インスタグラム、@weekendflower_official
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