フラワーショップ「Bear(ベア)」の熊坂英明が届ける、花の最旬ニュース。花市場で出合った旬の花からセレクトした、珍しかったりおもしろかったりする花やグリーン、実ものを、独自の視点で語り、紡ぎ、ブーケやアレンジで紹介していきます。
目次
紅と白
和のイメージでの装花に
マムとダリアを使って制作
和だからと言って和花を使う
というわけではなく
普通にバラなど洋花も使う
花材だけでなく
この紅と白の組み合わせで
和が感じられるように構成していく

ボール咲きやカクタス咲きのダリアを混ぜて
ダリア咲きやボール咲きのマムを混ぜる
シンメトリーの形は
いろいろな表情の花を使うことで
リズムに変化が生まれ
均一な感じがなくなる

花の表情を確認して
みんなが一斉にこっち向いてると
恥ずかしいから
ちょっとはにかむように
色々な向きで差しながら
フォルムを作っていく

花の間からヒュルっと出ているのがリキュウソウ

シモツケという花
ダリアの間にところどころ入ってる
小さなツブツブの花がシモツケ(下野)
この初夏の草花がいい感じで
バランスを整えてくれる
バラ科でspiraea japonicaという学名
spiraeaがギリシャ語で螺旋という意味
下野国(今の栃木県)で最初に発見されたので
シモツケと名付けられたそう

シモツケは草ではなくて低木
ツブツブのグリーンのつぼみが
アレンジや花束に
爽やかな印象を与えてくれる

こういった何気ない季節モノが
加わることで
いつもの見慣れた花たちが
ググッと艶やかさを増して
”今”という瞬間に
ぴったりとはまってくれる
もしかしたら
気づかれないぐらいの脇役が
その全体の雰囲気を作っている
だからその時期にしかないものが
欲しくなってしまうのだろう
ちなみにこのシモツケは
咲き進むと花弁がハラハラと
散りやすいけど
出てくるとやっぱり
一度は買いたくなってしまう
Credit

熊坂英明
『ベア(Bear)』主宰。1997年より家業の生花店(東京・方南町)を継ぎ、短期渡欧や独学でヨーロピアンデザインを学ぶ。色、香り、形などで本質を感じる“花”をコンセプトに、多種多彩な花を品よく紡ぐスタイルが人気。黒と茶でまとめられたシックでスタイリッシュなショップには、同じ花でも季節によって産地を使い分ける、こだわりの花が並ぶ。ウエディングやディスプレイなども手掛けるほか、旬のおすすめ花を本サイトで発信中。
http://www.fs-bear.com
https://www.instagram.com/bearflower_scape
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