秋色がはじまる季節に、ケイトウのバスケット|花のある週末、はじめませんか Vol.11

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
目次
9月のおすすめは「ケイトウ」
9月のウィークエンドフラワー.ケイトウ(和名:鶏頭、英名:Plumed cockscomb)
●原産国: インド、熱帯アジア
●主な生産地: 全国各地
ようやく気温が下がり始め、すこしずつ秋めいてきました。こっくりとした秋色を見つけると嬉しくなりますね。今日、紹介するウィークエンドフラワーは、まさに秋色の「ケイトウ」。これからますます、美しい季節を迎えます。
ケイトウはインド原産のヒユ科の花で、中国を経て日本にもたらされました。その歴史は古く、「万葉集」に「韓藍(カラアイ)」の名前で、すでに登場していたそうです。鮮やかな緋色は、仏教に描かれた極楽浄土や当時の中国の華やかな文化を物語っていたことでしょう。
お盆やお彼岸のお墓参りの花束に入っている、まっ赤な花のイメージが強いですが、最近はおしゃれなニュアンスカラーや、インパクトのある大きさの品種が増え、秋の人気花材の一つになっています。
久留米ケイトウ、鶏冠(トサカ)ケイトウ、ヤリゲイトウ、羽毛ケイトウ、ヒモケイトウ(アマランサス)、葉ケイトウなどなど、ケイトウには、さまざまなタイプがあります。最近は、佐賀県の生産者「明日香園」が独自に種を選抜した、セッカゲイトウ(石化ゲイトウ)が注目されています。自ら「地上の珊瑚」とうたうように、幻想的なカラーバリエーションと高級感のある質感が見事な品種群です。
秋のニュアンスカラー、ケイトウのバスケットアレンジ

今回、紹介するアレンジに選んだケイトウは、艶めくカシス色とシックなベージュピンクの2種類。グラデーションするように花色を組み合わせると、ベルベットを折り重ねたような花の魅力がいっそう引き立ちます。
■材料(花材費合計=1000~1500円)
●花材(画像下・左から)
ユーカリ・ポプラス/1~2本を小分けに
セッカゲイトウ/色違いを各1本
ワレモコウ/1本を小分けに

●器について
夏の間活躍した、バスケットのバッグを器に。バスケット系が続いてしまいましたが…。
●コーディネイトについて
バスケットの黒い持ち手に合わせて、黒い器を近くに並べてみました。画像では、姫リンゴをテーブルに転がしていますが、黒い器にこんもりと盛って、バスケットに並べて飾ってもかわいいですね。持ち手の色は、リボンや布などを巻いて、印象を変えることができます。
■3ステップでアレンジ
①バスケットの中に、安定感のある器を仕込みます。水に浸かる部分の葉を取り除きます。ワレモコウ、ユーカリ・ポプラスの枝は小分けにしておきます。

②ユーカリ・ポプラスの枝を左右、手前に広がるようにあしらいます。次に、短めにカットしたケイトウを、バスケットの縁にのせるようにいけましょう。


③小分けにしたワレモコウと、ユーカリ・ポプラスの小枝を小さく束ね、ケイトウの右側後方にあしらえばできあがり!
※ケイトウの花部の下には黒い小さなゴマのような種がつき、触るだけでポロポロ落ちます。活ける際には、新聞紙など敷いて作業するとよいでしょう。

■ケイトウを長く楽しむコツ
*カビやすい花ですので、購入時にはカビに気をつけましょう。
*葉が変色してきたら、早めに取りましょう。
*日もちのよい花ですが、鮮度保持剤でさらに長く楽しめます!
ケイトウの小さなアレンジをいくつか紹介します
1つ目は小さなカップアレンジ。シックなカップに、こんもりとケイトウの花を盛り付けるようにいけて、秋らしい「チョコレートコスモス」を合わせました。ケイトウがちょうど“花留め”の役割になり、細い茎のチョコレートコスモスがスッと立ちます。ケイトウがもつシノワズリーな雰囲気、小さなアレンジにも気品が宿りますね。週末のティータイムにいかがでしょう。

2つ目は、薬瓶のような茶色の小瓶を花器にして、トレンドのヴィンテージ風アレンジに。赤茶色のヒマワリに少し褪めたグリーンのケイトウと、ふさふさ感がユニークなワイルドフラワー「ゴールデンフィリカ・プロモーサ(1本を小分けにして)」を合わせた、ちょっと男前な組み合わせ。グリーンのケイトウは、どんな花にも合わせやすく、かつ個性的な花合わせになりますので、小さなあしらいも上級編に見えます。

最後に紹介するのは…。
以前、9月のはじめ頃、帝国ホテル(東京・日比谷)のロビーに飾ってありました、それは見事なセッカゲイトウのアレンジ! 鮮やかな色とりどりのケイトウたちは、錦秋の趣たっぷり。訪れるゲストの目を喜ばせていました。

季節の変わり目、秋の花々に癒やされながらどうぞご自愛ください。
ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
Credit

小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
「WEEKEND FLOWER」 http://www.floweringjapan.com/weekendflower/
インスタグラム、@weekendflower_official
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