こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
目次
8月のおすすめは「モカラ」
8月のウィークエンドフラワー.モカラ(英名:Mokara)
●原産国: 人工的な交配種なので自生地はナシ
●主な生産地:タイ、マレーシア、沖縄県
お盆を境に、朝夕の風には少しずつ秋の気配。今年は尋常でない暑さだったせいか、早く秋になってほしいと思う反面、夏が終わる前にリゾート気分をもういちど楽しみたくて、迷わず「モカラ」をチョイスしました。
モカラは、バンダ属、アラクニス属、アスコケントラム属(早口言葉みたいですね 笑)の3種のランのよいところを生かして育種された人工交配種で、まさにアジアンオーキッドの集大成!
南国リゾートを彷彿させるビビッドな色彩が魅力です。彩度の高いオレンジ色や鮮やかなピンクからはトロピカルムードが溢れ、花屋さんの店先でぱっと目に留まります。
タイやマレーシアからの輸入品がほとんどで、一年中流通していますが、人気が高まる盛夏に出荷の最盛期を迎えます。高温下でも抜群に花もちがよいので、夏の花飾りの強い味方! 切り戻しながら楽しめば、先端のつぼみまでよく咲きます。花屋さんでは、花がみずみずしいものを選びましょう。

モカラは水が下がりにくい性質なので、水から離して料理に添えたり、テーブルに散らすなどのコーディネイトが楽しめます。タイ料理やベトナム料理などのエスニックなプレートに、色鮮やかなモカラが1輪添えられているだけで、おもてなし感がぐっとアップしますね。

サンセットカラーのモカラで彩る、アジアンテーブル
今週の主役はモカラ。8月後半のタイミングなら、カラフルなカリビアン風よりも、優雅に気怠いバリテイストが季節の空気感に合っているよう気がします。オレンジ色のモカラと南国のグリーンで、シンプルなテーブルアレンジを作ってみました。

■材料(花材費合計=1500円前後)
●花材(画像下・左から)
アンスリウムの葉/1枚
モカラ‘ハニーオレンジ’/2本
シダ/3本

●器について
アジアン雑貨のショップやバリ島のお土産で有名な「アタかご」。「アタ」という植物を編み込んだ伝統工芸品で、アジア風のみならず、和洋どちらのテイストにも意外としっくりくる人気の雑貨です。今回は、その「アタかご」のバスケットアレンジを、テーブルのセンターピースにしました。
●コーディネイトについて
器と同じ、アタ素材のコースターなど、小物もあるといっそう雰囲気が出ます。また、スクエア(正方形)や長方形などの、四角いお皿は、なぜか(笑)、エスニックなコーディネイトに大活躍するので、1セット持っていると重宝します。
ちょうど、シダの模様のペーパーナプキンがあったのでアクセントに。ペーパーナプキンは、素敵な柄を見つけると、ついつい買ってしまうアイテムの一つです。グリーン系の無地か、もしくはグリーンの葉っぱ柄のペーパーナプキンを常備しておくと、いろいろな花と相性がよく、テーブルコーディネイトに便利ですよ。
モカラをさりげなくグラスに浮かべたり、夕暮れ時ならキャンドルを添えたりすれば、さらにムーディーに。ロマンティックに夏の余韻を楽しみましょう。
■3ステップでアレンジ&長く楽しむコツ
①バスケットの中に、水を入れる器(ボウルなど)をセットし、バスケットの表面を覆うようにアンスリウムの葉をのせます。


②ハート形のアンスリウムの葉、茎の付け根部分の葉の穴を活用して、モカラを2本いけます。1本目は、葉の上にのせるように、さらにもう1本はその上にそっと重ねるように挿し、立体感を出します。
③最後に、シダの葉を流すようにふわっとあしらえば、できあがり!
※モカラはランのなかでも特に、エチレンガスが苦手な植物。果物や、タバコ、線香の煙などの近くに置かないほうが長く楽しめます。
※樹液で水が汚れると、花もちが悪くなるので、こまめに水替えをするとよいでしょう。

上から見ると、ハート形のアンスリウムの葉がかわいいですね。アンスリウムの葉の代わりに小さめのモンステラの葉でもOKです。濃いグリーンの肉厚な葉は、若干重たい印象なので、シダやアンブレラファンなど、風通しがよく動きのある明るいグリーンの葉をプラスすると、アレンジ全体が軽やかになります。テーブルのお皿や小物との、繋ぎ役にもなりますね。
オレンジ色のモカラは、茶系のドラセナとも相性抜群です。下のアレンジは、モカラ2本にこげ茶のドラセナ・パープルコンパクタ1本を、ガラスの器にさらりといけただけですが、シックで大人っぽい花あしらいに。リビングのコーナーやカウンターなどのスペースにおすすめです。

晩夏の黄昏どきのような色合いは、せつなさを加速してくれるようで…。大人になると、それもまたいいなあと思うわけです。
ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
Credit

小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
「WEEKEND FLOWER」 http://www.floweringjapan.com/weekendflower/
インスタグラム、@weekendflower_official
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