長かった梅雨も終わりが見え、眩い太陽の季節がいよいよ到来! 野菜やハーブも嬉しそうにイキイキしていますね。庭やベランダで育てているハーブを、日々の食卓に取り入れたくても、なかなかレパートリーに悩む方も多いはず。そんな時おすすめしたいハーブを使った料理を、神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんが教えてくれます。今回は、皮には詰めず、手で成形するので気軽に作れる「イタリアンなハーブソーセージ」と、それを使ったイギリスの定番スナック「ソーセージロール」をご紹介します。

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イタリアンソーセージ「サルシッチャ」

イタリアンソーセージとは、ハーブとスパイスを使った、しっかりと味の付いたソーセージのこと。某ファーストフード店で、朝のマフィンの中に挟まれているアレです。別名「サルシッチャ」。サルシッチャとはイタリア語で「腸詰め」を意味しますが、家庭で作る時は皮には詰めずに、ハンバーグのように手で成形するだけ。とてもお気軽でお気楽、ノーテンキな料理なのです。私にピッタリ!

イタリアンソーセージ「サルシッチャ」

棒状、いわゆるソーセージ形に成形してもいいし、平たく丸いパティ状にしても大丈夫。サンドイッチの具にもなり、お弁当のおかずにも。もちろんビールとの相性もバツグン! バーベキューでホイルに包んで焼けば、歓声があがるほどのごちそうに。ミートボールにしてパスタに入れるのもいいですねぇ〜。とにかく汎用性の高い料理なのです。

材料に決まりはなく、お好みでハーブやスパイスを選ぶのも楽しみ。乾燥ハーブでもいいのですが、せっかくですから旬のフレッシュハーブを使って作ってみましょう!

夏はハーブが盛りだくさん

ハーブ

夏本番に向けて、我が家の畑のハーブたちが賑やかになってきました。畑の一角に、シソやエゴマ、オレガノ、ミント、ハッカ、ローズマリー、セージ、イタリアンパセリ、バジル、チャイブ、ディル、レモングラスなどを雑多に植えています。基本的には、ハーブなんて雑草のようなもの(ハーブよ、ごめんね!)。特に丁寧に育てなくても、土さえよければ、すくすくと育ちます。家庭菜園を始めてみたいけど「ちょっと自信がないわぁ」って方は、まずは夏のハーブ栽培から挑戦してみてはいかがでしょう?

自家栽培のハーブ

さまざまなハーブがすぐに摘めるなんて、最高の贅沢。これだけでも気分はお料理上手。摘みたては香りが強くワイルド〜! スーパーで売っている、パック入りのハーブとは香りが違います。

今回のイタリアンソーセージには摘みたてフレッシュな「セージ」と「オレガノ」を使います。ハーブってみじん切りにする時の香りが最高! 包丁で刻むたびに香りのカプセルが弾けて幸せな気分に。本当はフードプロセッサーでガーッとやれば一瞬で終わるのですが、ぜひ一手間かけて、香りを楽しんでいただきたいのです。

セージ

セージ

渋い香りと温かなスパイシーさが特徴的なセージ。古代ローマでは万能薬として使われ、「不死」と「健康」を象徴する長生きのハーブとして愛されていました。うーん! なんだか健康によさそうな気配がビンビン伝わってきますねぇ。

優れた強い抗菌・抗ウイルス作用を持ち、セージティーでうがいをすると、風邪の予防や口内炎の症状を和らげるともいわれています。セージティーは「良薬は口に苦し」って感じの独特な風味なので、お好みでミルクやハチミツを加えると飲みやすくなります。

セージは約900種類の品種が存在しますが、料理でセージといえば、ほぼこの「コモンセージ」のこと。ソーセージという言葉は、雌豚を意味する「ソー」に「セージ」を加えたものという説もあり、ソーセージ作りには欠かせないハーブなのです。臭みを取ってくれるので、肉料理、魚料理の風味づけにも欠かせません!

セージは丈夫で育てやすいハーブです。定期的に切り戻しをすることで、葉がたくさん付き、ふっくらとしたフォルムに育ちます。高温多湿の環境が苦手なので、風通しがよく水はけのよい場所を選びましょう。長い梅雨の影響なのか、うちのセージはちょっとお疲れ気味です……。

オレガノ

オレガノ

和名ではハナハッカ(花薄荷)と呼ばれ、薄荷に似た甘くスパイシーな香りを持つオレガノ。ギリシャ神話では、愛と美の女神「アフロディテ」が海の水から作り出し、太陽をたくさん浴びるように山の頂に植えた…という逸話の残る、ロマンティックが止まらない系ハーブです。

オレガノには胃腸の調子を整える作用があるので、夏バテしやすい時期にも積極的に取り入れたいハーブの一つです。また、強壮作用もあるので、心身の疲労回復にも効果的。「身も心もボロボロ」って時のために、ぜひ覚えておいてくださいね。

オレガノはバジルやローズマリーと並んで、イタリア料理に欠かせないハーブです。特に肉料理やトマト系のソースとの相性がピカイチ。

とても丈夫で生育旺盛なので、簡単に育てることができます。ただ湿気に弱いので、日当たりがよく、風通しのよい場所を選びましょう。あっという間にワサワサと葉が茂るので、蒸れないように刈り込みを忘れずに!

オレガノ

オレガノは乾燥させることで香りが強くなるので、スワッグにして風通しがよく直射日光の当たらない場所にハンギング。パリっと乾燥したら、手で揉んで乾燥剤と共に瓶詰めにしましょう。いつものトマトソースに加えるだけで、ワンランク上の味になりますよ。

ルーシーのハーブソーセージ レシピ

作り方は、とーっても簡単。「刻んで捏ねて焼くだけ」の3ステップ。冒頭にも書きましたが、ハーブを刻む際には、ぜひ深呼吸をして香りを楽しんでみてください。それだけでも「自然の恩恵」ハーブの効能を得ることができます。じつは、元気がない時や落ち込んだ時にもハーブ料理はおすすめなのです。もちろん元気な人もウェルカムです。さあ、みんなでクッキング、よーいどん!

材料

ハーブソーセージ材料
  • 豚ひき肉 400g
  • a)セージ 6枚程
    タイム 数本
    ローズマリー 1本(10cm程)
    オレガノ 数本
  • 生姜(すりおろし) 小さじ2
  • クミンパウダー 小さじ1
  • クミンシード 少々
  • メープルシロップ 大さじ1
  • レモンの皮(すりおろし) 1/8個分
  • 塩 小さじ1
  • 胡椒 小さじ1
  • 白ワイン 30ml
  • パン(細かくちぎる) 大さじ2  ※パン粉でもOK
  • (ニンニク お好みで少々)※私は入れていません

作り方

  1. a)のハーブ類をみじん切りにする。

    ハーブソーセージの作り方
    ハーブ類の太い茎は外して、葉だけを刻んで使います。
  2. 豚肉をボウルに入れ、①のハーブとその他全ての材料をよく混ぜ合わせ、最低でも30分程、可能であれば一晩寝かせて味を馴染ませる。
    ハーブソーセージの作り方
  3. 12等分に分けて、手の上で叩いて空気を抜きながら棒状に成形する。
    ハーブソーセージの作り方
  4. フライパンにオリーブオイル(分量外)をひいて焼く。途中で返しながら焼き色をつけ、蓋をしてしっかりと中まで火を通す(焼き始めは柔らかいので、無駄に動かさない)。
ハーブソーセージ

お楽しみはこれから、ソーセージロールのレシピ

さてさて、お楽しみはこれから。先ほどのハーブソーセージのレシピを使って「ソーセージロール」を作りましょう。

「ソーセージロール」はイギリスの定番フード。パイシートにソーセージミートを包んで焼いたものです。日本のパン屋さんで見かけるような、パンにソーセージを挟んだものではありません! イギリスで「ソーセージロール」は、クリスマスなどのパーティー、ピクニック、街中のカフェでも見かける、老若男女に愛されている「国民的フード」なのです。

材料

  • 成形した生のハーブソーセージミート
  • 冷凍パイシート
  • 卵黄
  • 飾り用のハーブ

作り方

  1. パイシートを解凍し、好みの薄さに伸ばす。
    ソーセージロールの作り方
  2. パイシートに生のハーブソーセージミートをのせ、包む。
    ソーセージロールの作り方
  3. 長いままでもよいが、お好みで一口サイズにカットしても(冷凍庫で20分程冷やすと切りやすい)。
  4. クッキングシートを敷いたオーブン皿に並べ、卵黄をパイシートの上面に塗る。
  5. 200℃に予熱したオーブンで20〜25分程焼く。
ソーセージロール
こちらは3等分に切ってから焼いたバージョン。
ソーセージロールレシピ
一口サイズにカットしてから焼くとフィンガーフードに。お好みでケチャップをつけてもグッド。

オレガノ、セージ、ローズマリー&タイムを使ったイタリアンなハーブソーセージ、いかがだったでしょうか? なんだか「サイモン&ガーファンクル」の歌に出てくるようなハーブたち。パセリはもちろんのこと、バジルやチャイブ、イタリアンパセリ、レモングラスなどを使うのもおすすめです。

コツは、しっかりと下味をつけること! 少し塩っぱいくらいがちょうどいいです。ハーブの香りとメープルの甘み、黒胡椒の刺激に食欲をそそられる一品。卵料理との相性がよいので、ぜひ朝ご飯に。いや、あえて「ブレックファースト」に! と言いたくなるハーブソーセージです。ぜひお試しください。チャオ!

Credit

ルーシー恩田

写真&文/ルーシー恩田
アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト
20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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