ガーデンの中で植物と触れ合うことで、心身の健康維持を目指す「ガーデンセラピー」が注目されています。さまざまなセラピー(療法)から、絵画や彫刻、写真などの芸術活動を通して行う芸術療法(アートセラピー)を紹介します。

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芸術療法で心と体を癒やそう

高齢化社会を迎えて、これからのガーデンの役割とは…

医療の発展や福祉の充実により平均寿命が延びた反面、健康(介護を必要としない)寿命との格差が問われています。今後さらに高齢化が進む中で、私たちがすべきことが、おのずと見えてきています。

そんな中で、ガーデンの担う役割が、ますます注目されています。ガーデンは今まで、豊かで安心して暮らせる空間であることがテーマでした。これからは、植物たちと触れ合うことすべてがセラピーになる「ガーデンセラピー」という考え方がとても大切になっていきます。

 

ガーデンセラピーって何だろう?

ガーデンセラピーでは、植物との触れ合いを通じて、心と体の健康維持を目指しています。さらに、植物と接することで、人同士のコミュニケーションが生まれることも期待されています。

ガーデンセラピーは大別すると、

  1. 芸術療法
  2. 食事療法
  3. 音楽療法
  4. 園芸療法
  5. 芳香療法
  6. 森林療法

に分かれます。それぞれの療法に効果的な植物を選ぶことが大切です。

ガーデンセラピーのすすめ 芸術療法
植物との触れ合いで、新たな話題も生まれ、会話も弾みます。家族や近所の人など、世代を問わず、コミュニケーションが深まります。

 

ガーデンで楽しむ芸術 心を弾ませ、癒やす、新しいセラピー

芸術療法は、絵画や彫刻、写真などの芸術活動をガーデンで行う精神療法の一つです。20世紀中頃に始まった比較的新しい療法で、「アートセラピー」ともいわれます。

これは、植物を介してさまざまな芸術活動を行うなかで、病気を予防したり、症状を改善したり、病気を治療して心身の安定をはかるもので、写真療法、陶芸療法、音楽療法、ダンス療法、詩歌療法、書道療法、舞踏療法、箱庭療法、コラージュ療法などがあります。

ガーデンセラピーのすすめ 芸術療法
花は古来から芸術のモチーフとして描かれてきました。有名な先人の絵画や写真は、セラピーに有効です。美術館などで展覧される芸術作品は、取り入れる参考になります。

 

ガーデンセラピーの庭づくり

ガーデンセラピーの庭を考えるとき、主役となる植物を選ぶ前に、全体の構成を考えておく必要があります。特に暮らしの庭では、住人の嗜好や家族構成など、さまざまな要素までしっかり検討しましょう。

たとえば柑橘系の香りを放つ植物は、人に対しては前頭葉に刺激を与え、もの忘れなどの予防になりますが、ネコは大変嫌がります。つまり、事前に植物の特性を理解し、その家の状況に合った植物を選ぶ必要があります。

一般に有用植物が推薦植物としてあげられますが、うまく活用できなければセラピーとしての効果は期待できません。その植物の専門的な生態を理解するよりも、活用方法を考えましょう。食事療法に使う場合、最近はインターネットなどでも多くのレシピが紹介されています。芳香療法も家庭で簡単に楽しみながらできる方法を探しましょう。

まずは、気になる療法を見つけて、植物に興味を持つことから始めてみませんか?

ガーデンセラピーのすすめ 芸術療法

 

絵画によく描かれる植物

ローズ
ローズ
Rosa バラ科 バラ属
ベルギーの天才画家、ピエール・ジョゼフ・ルドゥーテの描いたボタニカルアートはとくに有名。

 

ハナショウブ
ハナショウブ
Iris ensata var. ensata アヤメ科 アヤメ属
江戸期に大流行したハナショウブは、江戸系、肥後系、伊勢系など多くの品種を生み出した。

 

アカンサス
アカンサス
Acanthus キツネノマゴ科 ハアザミ属
ウィリアム・モリスのアカンサスの葉のテキスタイルは、世界的に有名。
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