海デルフィ、山デルフィ 澄みわたるブルーの花|花のある週末、はじめませんか Vol.2
こんにちは! 「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
目次
7月第2週のおすすめは「デルフィニウム」
7月のウィークエンドフラワー.デルフィニウム(大飛燕草、Delphinium)
・原産国:ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、熱帯アフリカの山岳地帯
・主な生産地:夏場は主に、北海道や長野などの高冷地
7月の祝日といえば「海の日」! 今回はその「海の日」に合わせて、ブルーの花の代名詞「デルフィニウム」をチョイス。暑さのなか、目にも涼やかなブルーの花が心地よく感じます。
一言で“ブルーの花”といっても、デルフィニウムは真っ青から水色までブルーもいろいろ。鮮やかなマリンブルー、輝く水面のようなアクアマリンなど、どのブルーも魅力的です。それに、「青い花」ってどこか神秘的でもありますよね。
写真のデルフィニウムは、その名も‘グランブルー’。伝説のダイバーの物語、リュック・ベンソン監督の映画『Le Grand Bleu』の舞台となった地中海の色です。最近では、下の写真の‘トリックブルー’を代表とするトリックシリーズが人気急上昇、デルフィ二ウム特有の清涼感はそのままに、ややアンティーク調の落ち着きあるシックな色合いが独特です。ほかに、夏のイングリッシュガーデンをイメージさせる、ラベンダー色や白のデルフィニウムも素敵です。
ところで、デルフィニウム(Delphinium)という名前の由来、何だと思いますか? ギリシャ語でイルカを意味する「delphis」が語源、つぼみの形がイルカに似ているから、だそうです。言われてみれば似ているかも?!
波の音が聴こえてきそうな、もしくは高原に流れる涼やかな風のようなデルフィニウムは、海の色や山の空気を感じる、夏の想い出のような花ですね。
ということで今回は、「海デルフィ、山デルフィ」と題して、海辺や山間のキャンプ場で過ごす爽やかな朝…を妄想。同じくブルーで人気の夏花エリンジウムと、明るいグリーンが美しいハーブ、ゼラニウム」を合わせて、すがすがしい香りも一緒に飾ってみましょう。
花屋さんでデルフィニウムを選ぶ際には、花が花粉で汚れていないもの、花がパラパラと散っていないものを選びます。生産地の努力もあって、ひと昔前に比べ、随分と花もちのよい花になりましたが、自宅で長く楽しむにはコツがあります。
デルフィニウムは特に水を好む花なので、花器には水をたっぷり多めに入れ、切り花鮮度保持剤を活用しましょう。鮮やかなブルーをキープしてくれます。また、エチレンガスが苦手なので、果物や線香・タバコの煙を近づけないように飾るとよいですよ!
■材料(花材費合計=1000~1500円)
●花材(写真左から)
ゼラニウム‘スノーフレーク’(斑入りタイプ)/1本*ゼラニウムなら何でもOK
エリンジウム/1本
デルフィニウム‘グランブルー’/1~2本*写真はスプレー状の小枝に分けた状態です
●器について
ひとつ持っていると花を飾るのに本当に便利な「ピッチャー」。なかでもホーローの白いピッチャーは、丈夫で、どんな花ともインテリアとも相性がよく、おすすめです。
ピッチャーの少し口が広がったフォルムは、丈が長めの花もちょうどいけやすい形です。取っ手があるせいか、無造作にいけても何となく全体のバランスが取れて、花が上手にいけてあるように見えるから不思議! ピッチャーは、アレンジ初心者の方にも超おすすめな器です。
■3ステップでアレンジ
①デルフィニウムの長さは、器の約2倍くらいの高さになるようにカットします。スプレー状にたくさん小枝が分岐しているので、ふた枝くらいずつに小分けにしておくと活けやすいです。水に浸かる部分の下葉は取り除きましょう。
②器にたっぷりと水を入れ、切り花鮮度保持剤を正しい分量加えます。デルフィニウムを花と花があまり重なりすぎないようにしながら、無造作にナチュラルにふわっといけます。自然に放射状になります(ピッチャーのように口がやや広がっている器だといっそう簡単)。
③器の口元がスカスカだと全体に落ち着かないアレンジになってしまいます。器の口元から溢れるように、ゼラニウムの葉をあしらいます。最後に、エリンジウムをアクセントに加えれば、できあがり!
テーマを決めて、シーンを演出してみて
花をアレンジしたり、テーブルコーディネートをする際は、さっくりとテーマを決めた方が、花選びやスタイリングがしやすくなります。
今回のテーマは、“海デルフィ、山デルフィ 澄みわたるブルーの花”ということで、自然のなかで迎える、爽やかな朝食テーブルをイメージしてみました。ストライプのテーブルライナーやランチョンマット、白やブルーのホーロー食器、そしてアウトドア気分が盛り上がる、黒いフライパン「スキレット」もそのままテーブルに。気分はすっかり夏休みです(笑)。
蒸し暑い日が続きますが、ブルー系の花々がリビングにあるだけで、気持ちよい時間が過ごせますよ! ぜひ試してみてくださいね。
海辺で過ごすバカンスに思いをはせるもよし、避暑地の涼やかな風を感じるもよし。旅するように花を飾るのも、夏ならではの楽しみですね♪
今年はどんなバカンスをご予定でしょう?! ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
Credit
小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
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