最近テレビやネットでよく聞くようになった「ボタニカル」という言葉。「自然」や「植物」をイメージさせる言葉ですが、本当はどんな意味を持っているのか、ご存知ですか? コスメや食品、インテリアやファッションなどさまざまな分野で注目されているボタニカル。オーガニックと似たイメージだけど、どう違うの? そもそもどんな意味なの? などなど、言葉の意味や暮らしに役立てるポイントなどをご紹介します。

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ボタニカルってどういうこと?

ボタニカル

「ボタニカル」は英語のbotanicalをカタカナ読みにしたもので、もともとは「植物の」という意味です。食べ物や飲み物、コスメなどでは植物由来の材料や素材を使っている場合に使われています。以前だと「自然素材」「天然素材」「植物由来」などと言っていたものも、今ではボタニカルという表現を使うことが増えているようです。

ファッションの分野では植物をモチーフとした模様、デザインのことを「ボタニカル柄」「ボタニカルモチーフ」などと呼んでいます。

服の生地やカーテン、壁紙なども、最近では観葉植物などの葉や、植物全体をモチーフにしたものが増えてきています。これまで植物をモチーフにしたデザインでは花をあしらった「花柄」や「フルーツ柄」をなどが定番でしたが、より植物全体を楽しむ傾向にあるようです。

スキンケア・化粧品の「ボタニカル」

ボタニカル

ボタニカルという言葉がポピュラーになった大きなきっかけの一つが、「ボタニカルシャンプー」です。

植物由来の素材を多く使い、中にはその90%が植物由来というものもあります。化学的に合成された素材でアレルギー反応が出てしまう人が使える商品などは、香り成分も植物由来のものなので、強い香りが苦手な人にもおすすめです。過剰なパッケージや装飾をやめ、環境負荷を低くすることを目指したものなど、エコな意識が高い現代人の感覚に合った商品も少なくありません。

ファッション・インテリアの「ボタニカル」

ボタニカル柄

草木や花、木の実やフルーツなどをモチーフにしているのがボタニカル柄です。

ボタニカル柄のテキスタイルを使った服や壁紙、カーテンなどが、ファッション、インテリアの分野でも人気です。

おなじみの花柄もボタニカル柄といえますが、最近は花だけでなく、葉などのグリーンをプラスしたり、植物全体をモチーフにしたものが増えて、上品で、落ち着きのある大人っぽさを演出することができます。また、あえてレトロ感を出したデザインや、刺繍を使ってクラフト感を強調したものなども人気があります。

オーガニックとの違いは?

オーガニック

「ボタニカル」と似た雰囲気の言葉に「オーガニック」があります。どちらも自然派で、よいイメージの言葉ですが、どんな違いがあるのでしょうか?

オーガニックの定義

オーガニックは英語のorganic、「有機的な」「有機質の」といった意味を持つ言葉です。

農産物や農産物加工食品については、日本国内では農林水産省が行っている「有機JAS」の認証を受けた場合にのみ「有機」「オーガニック」などの呼称を使ってよいことになっています。ただし、コスメについては特に規定がないため、「オーガニックコスメ」がどのようなものかは、曖昧なところがあります。ポイントは、オーガニックな原料をしっかり使っているかどうか、というところでしょうか。輸入製品については、それぞれの生産国で定められたオーガニック認証を受けているものだと信頼度が高いといえそうです。

「ボタニカル」については、特に法律的な定めはなく、植物原料を使った製品に対してその呼称が広く用いられています。

スキンケアなどの美容製品における「ボタニカル」

ボタニカルコスメ

一般に、安価なコスメは石油を原料としたケミカルな成分が多いのに対し、ボタニカルを謳っているコスメは植物由来の成分を多く使っているのが特徴です。

こうしたコスメは、石油由来の合成素材を使ったものに比べ、肌への負担を感じにくいといわれています。

アレルギー体質の人でも肌が荒れにくかったり、「自然治癒力が高まった」という声もあり、リピートする人も少なくありません。

ライフスタイルとしての「ボタニカル」

ボタニカルライフ

最近では「ボタニカルライフ」という言葉も聞かれるようになってきました。

SNSなどでは、現代的なライフスタイルや生活空間の中に観葉植物や多肉植物などを置いている暮らしぶりをよく目にすることができます。

そうしたポストなどを見ると、スマートフォンなどのデジタル機器を使いこなしつつ、それぞれのライフスタイルに合わせて植物を取り入れた暮らしを「ボタニカルライフ」と呼んでいることが多いようです。

葉や樹形を楽しむフィカスなどの観葉植物のほか、花が咲かないビカクシダなども人気で、花が咲いていないときの植物の姿も楽しむというスタイルが増えてきています。

こうした植物をインテリアに取り入れることで、生活空間にうるおいをプラスすることができます。

部屋に植物を一つ置くだけで、目に優しい葉の色合いや質感などが心を和ませてくれますし、インテリアのアクセントとしても生きてきます。

葉の色もブロンズや赤などバリエーションが増え、さまざまなスタイルのインテリアに合わせて選択できます。

ボタニカルライフを目指す! 観葉植物を上手に取り入れるコツ

ボタニカルライフ

暮らしの中に植物を取り入れた「ボタニカルライフ」を始めるにはどうしたらよいのでしょうか? 本物の植物を取り入れる方法や、植物をモチーフにしたアイテムの選び方などをご紹介します。

小鉢から始める

ボタニカルライフ

いきなり大きな鉢に植えられた植物から始めてしまうと、置き場所や手入れが大変で持て余すこともあります。まずは、お花屋さんの店頭などで売られている小さな鉢の観葉植物などから始めてみてはどうでしょう。

気に入ったガラスの瓶に、花を一輪飾ってみるところから始めてもいいかもしれません。

お花屋さんで買った花だけでなく、道端や野山で摘んだ花を飾るのもおすすめ。

清楚な野の花を一輪挿しにちょっと活けるだけで、心安らぐ空間が生まれます。

食べられるものを育てる

ハーブ

食べられる実がなる果樹や、食用にできるハーブは、育てる楽しみに加えて収穫の楽しみもあるのがいいところ。ハーブは、一年を通じて葉を観賞したり収穫できるものも多く、おすすめです。

中でもおすすめは、ローズマリーとミント。

どちらも日当たりと風通しがよい場所に置き、水やりをしっかりすれば、ぐんぐん育つハーブです。料理やお菓子作り、ハーブティーなどにも活用できるので、育てるモチベーションも上がるはず。

ミカンなどの柑橘類やオリーブ、観葉植物としても売られているコーヒーの木は、大きく育つ分、水切れもしにくく、育てやすいといえます。オリーブや柑橘類は、乾燥や暑さにも強いので猛暑にもよく耐え、実りも多く、おすすめです。

お世話が楽な多肉植物を育てる

多肉植物

植物を育てていると水やりを忘れて枯らしてしまうことがありますが、多肉植物ならそんな心配が少なく、おすすめです。多肉植物は、サボテンやアロエなどに代表される、葉に厚みがある植物の総称で、もともと砂漠などの雨が少ない地域に自生しています。

厚みのある葉の中には水が蓄えられていて、土がカラカラに乾いても平気な強い植物です。

しばらく水やりを忘れていてもすぐには枯れないので、うっかりさんでも長くつきあうことができ、世話も楽なことから人気があります。サボテンのような棘のあるものだけでなく、ぷっくりとした葉や、ずんぐりとした姿をしたものなど、造形的にも面白いものが多く、飾って楽しむのにもおすすめです。

ドライフラワーを飾る

ドライフラワー

暮らしに取り入れるのは、必ずしも生きている植物である必要はありません。

ドライフラワーはその名の通り、乾燥させた花です。

花だけでなく、葉や茎、果実などもドライフラワーとして販売されています。植物は乾燥させることでくすんだ色合いになり、その優しい色味が部屋をおしゃれな雰囲気にしてくれます。

ボタニカル柄の壁紙や家具を買う

ボタニカルライフ

植物をモチーフにした壁紙やカーテン、家具や雑貨を置くだけで、ガラッと部屋の雰囲気が変わります。

特に壁紙とカーテンは視界の中で大きな面積を占めるので、イメージチェンジの効果が絶大です。甘口な印象になる花柄ではなく、葉や植物全体がモチーフになった柄を選ぶと、今っぽい雰囲気になります。

ボタニカルライフに癒やされよう!

ボタニカルライフ

植物のグリーンは目に優しく、そばにあるだけで気持ちをリラックスさせてくれます。

また、建物や家具には直線の部分が多いのですが、植物ならではの自然な曲線が加わると、部屋全体が柔らかな印象になります。

日頃たまりがちなストレスを少しでも軽くするためにも、まずは簡単なものから植物を暮らしに取り入れ、ボタニカルライフを楽しんでみてください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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