ギリシャ神プロテウスの名を持つ花 春夏秋冬 旬の花を探しに Vol.16
フラワーショップ「Bear(ベア)」の熊坂英明が届ける、花の最旬ニュース。花市場で出合った旬の花からセレクトした、珍しかったりおもしろかったりする花やグリーン、実ものを、独自の視点で語り、紡ぎ、ブーケやアレンジで紹介していきます。
目次
南アフリカから来たプロテアという花
プロテアという花はギリシャ神話の神
プロテウスに由来し
それはとても立派な花で
中でもキングプロテアという品種は
南アフリカの国花になっている
昨今はドライにもなる
ネイティブ系植物ということで
知名度も上がっているかもしれない
プロテアは115種類あるらしいが
国内に入って来ているものは
そんなに多くはない
その中でも今回はピンク色が美しい
‘ジュリア’という品種が主役だ
プロテアの花の不思議
すごく大きな花と思っているこの形
じつは小さな花の集合体
その周りを総苞片(そうほうへん)とよばれる
羽のような形の器官で囲まれている
しかも総苞片がガバッと大きく
開いてくるわけではなく
軽く口を開ける程度
見た目に惑わされてしまうと
物の本質が分からないということだ
ワイルドで華やかなプロテア
大きなアレンジや花束で
利用することが多いプロテア
頭が重いからしっかり挿さないと
重みで傾いちゃったり
花瓶ごと倒れちゃったりするのでご注意
開店のお祝い用のアレンジの
白い花と色々なグリーンの中に
差し色で使って花の色と形を強調すると
アレンジの雰囲気がガラリと変わる
優しい爽やかな印象に
ワイルドで力強い感じが加わり
華やかさもアップ
ちなみに大きさが伝わりにくいけど
直径60センチ弱のアレンジ
両手で抱えて「重っ!」って思うくらい
南半球からやって来たプロテアが
ひとりぼっちだと可哀想だから
同じところから来たユーカリたちも一緒に
ちらっと赤い実が入っているのは
”ジューンベリー”
まだグリーンだけど少し経つと
だんだん熟して赤くなってきて
プロテアの色とリンクしていく
特殊な花なのでいつも店頭で
扱っているわけではなく
なにか用事がある場合に
入荷することが多い
ドライにもなるし花も長く楽しめて
そこそこ大きいから値段も高めだけど
この存在感だから十分価値はある
1輪で飾っても雰囲気あるので
見つけたら即買いしてね
Credit
熊坂英明
『ベア(Bear)』主宰。1997年より家業の生花店(東京・方南町)を継ぎ、短期渡欧や独学でヨーロピアンデザインを学ぶ。色、香り、形などで本質を感じる“花”をコンセプトに、多種多彩な花を品よく紡ぐスタイルが人気。黒と茶でまとめられたシックでスタイリッシュなショップには、同じ花でも季節によって産地を使い分ける、こだわりの花が並ぶ。ウエディングやディスプレイなども手掛けるほか、旬のおすすめ花を本サイトで発信中。
http://www.fs-bear.com
https://www.instagram.com/bearflower_scape
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