フラワーショップ「Bear(ベア)」の熊坂英明が届ける、花の最旬ニュース。花市場で出合った旬の花からセレクトした、珍しかったりおもしろかったりする花やグリーン、実ものを、独自の視点で語り、紡ぎ、ブーケやアレンジで紹介していきます。
目次
香るラン エンシクリア
ランというと華やかで大きなものを想像することも多いだろう
しかし今回紹介するラン”エンシクリア”はとても小さく
どこか「和」の雰囲気も感じる
この小さなランは甘い香りを放ち
自分の存在を主張する
中南米原産で5月頃から7月が開花時期で
切り花の出荷は割と短く年に一度の印象だ
ピンクやグリーンのものが出荷されていて
基本小さな花だが花の厚みや大きさが
異なるものが出回っている
主張しすぎない奥ゆかしさ
可憐な花姿は主役の花の邪魔をせず
優しくサポートしてくれる
特別派手好きではない自分には
この奥ゆかしさがとても気に入っている
すこしくすんだグリーンの花弁に中心のリップと呼ばれる部分に
綺麗なラベンダー色を持つ”ファイングリーン”
シーズンを迎えたアジサイのパープルと
フレンチローズ”ラ・マリエ”の中に浮かぶように入れる
大きなアジサイと中くらいのバラの間から
姿を出すエンシクリアが浮遊感をつくり
全体を軽くしている
花に添えるグリーンにも季節感を
周りに添えるグリーン達もこの時期ならではの
トサミズキ、ギボウシ、ブルーベリーなどを使い
統一感を出しながら主役の色を
サポートしていくのが楽しい
春に花が咲き実がなってきたブルーベリー
グリーンに粉が吹いたような質感が可愛らしい
ギボシの葉もマットな質感で
花の色をよりスッキリ見せるのに役立っている
今回紹介したエンシクリアはランと言っても
比較的お手頃なランなので
季節の花と草花感覚で合わせたい
Credit
熊坂英明
『ベア(Bear)』主宰。1997年より家業の生花店(東京・方南町)を継ぎ、短期渡欧や独学でヨーロピアンデザインを学ぶ。色、香り、形などで本質を感じる“花”をコンセプトに、多種多彩な花を品よく紡ぐスタイルが人気。黒と茶でまとめられたシックでスタイリッシュなショップには、同じ花でも季節によって産地を使い分ける、こだわりの花が並ぶ。ウエディングやディスプレイなども手掛けるほか、旬のおすすめ花を本サイトで発信中。
http://www.fs-bear.com
https://www.instagram.com/bearflower_scape
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