花が好きで、インスタグラムなどのSNSに写真をアップしたい! だけどインスタ映えする写真の撮り方って、具体的にどうすればいいの? と、迷っている人も多いのではないでしょうか。じつは一眼レフカメラでもスマートフォンでも、写真を撮る時に押さえるべきポイントは同じ。コツをつかめば、誰でもきれいに花の写真を撮ることができます。ここでは、インスタ映えする花の撮影ポイントを8つご紹介します。

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インスタ映え写真講座①
撮る位置を考える

まずは、カメラを花へどう向けるかによって、見え方が変わることを意識してみましょう。何も考えずに撮ると、つい同じようなアングルになりがち。でも、アングルを変えてみると、同じ花が全く異なる姿を見せてくれたりして、写真のバリエーションが増えます。また、状況に応じて最適なアングルを選ぶだけで、花の魅力を、より引き立てることができます。

見上げて撮る

桜の写真

桜のように白っぽく小さい花なら、逆光(レンズが光源の方向に向いていること)気味に撮ると花びらが輝いて見えます。さらに背景に青空があれば、青色との対比でソメイヨシノのような薄い花色でもピンクがより強く感じられるようになります。空気感を同時に表現したい時にもおすすめです。

俯瞰(ふかん)で撮る

多肉の俯瞰写真

平面的に同じ花が連続して咲いている場合など、時には真上から撮ってみましょう。ミニマムで抑制された印象を与える、ハイセンスな仕上がりになります。クールなデザインのエッセンスを出したい時におすすめの手法です。

横から撮る

花瓶を横から撮影

室内で花瓶に活けた花など、移動させて背景を変えることができる場合には、ぜひ挑戦してみましょう。そのときに注意する点は、机や地面などの水平と、家具やガーデンアクセサリーなどの垂直を取ることです。画面が傾かないよう心がけましょう。

ローアングルで撮る

ローアングルの写真

足元に咲く花は、どうしても見下ろすように撮りがちですが、膝をつき、地面に近い低い位置から撮るだけで、グッと迫力のある写真になります。できれば広角レンズを使い、被写体に寄って撮るのが効果的です。

クローズアップで撮る

花のクローズアップ

マクロレンズを使って、日頃見られない世界を撮ってみましょう。人間の目には見えない花弁の繊細な模様など、写真に撮ってみて初めて分かることに驚きます。さらに工夫して、花びらに水滴をつけて撮ったり、蝶を画面に入れたりすると臨場感が出ます。

インスタ映え写真講座②
おしゃれな構図

日の丸構図
いわゆる日の丸構図と呼ばれる写真例。

撮る位置と共に、センスが現れるのが構図です。構図を考える上で重要なのは、画面の中で被写体の位置と割合を考えることです。例えば写真の学校では、主役を真ん中に置くことを日の丸構図といい、避ける傾向にあります。よく言われるのが、画面を1/3に割って架空の線を引き、その線上に主役を配置するというもの。しかし、そればかりでは飽きてきますし、そもそもインスタグラムの場合、基本は縦横のサイズが同じ正方形なので、あまりそれに捉われすぎる必要はありません。

写真の構図
構図を決めるとき、画面を3等分するような架空の線を引いてみる。

例えば1/5の線上に主役を配置したり、あえてきっちり真ん中に花を入れてみるなど、いろいろチャレンジしてみましょう。

大きめの一輪の花だけの構図の場合は、正方形の中に全ての姿を入れるのではなく、少しずらして4辺のうち2辺は花弁の先まで入れ、残りの2辺は花弁の先をカットするという方法もおすすめです。

写真を撮る際、どんなときも被写体の分量と背景の分量、その割合を意識することで、毎日の写真に変化が生まれます。インスタグラムの写真一覧を表示した時、似通った写真ばかりが並んでいないか時々チェックしてみましょう。変化のある写真が並ぶようになると毎日の撮影が楽しくなりますよ。

インスタ映え写真講座③
背景はシンプルに

白い背景のミモザ

室内や自分の庭のように背景を選ぶことができる場合は、まずはシンプルな背景から始めましょう。花はとても魅力的な素材です。その花を引き立たせることが命題でもあります。

室内で万能な背景は白です。壁、カーテン、テーブルクロスなど、白い背景で撮ると、植物全体に光が回り込み、優しく柔らかい写真になります。しかし、ひと口に”白”といっても微妙な違いがあります。オフホワイト、少し青みのある冷たい白、ミルキーな白、少しグレーがかった白など、どれも完全な真っ白ではありません。またカメラの露出を花に合わせると、背景の白も少し色づくことが多いです。その淡いトーンを大切にして撮るように心がけることで、素敵な空間が写真に写り込みます。そして、少しずつ背景の色に工夫を凝らしていけば、飽きることのない写真群ができ上がってきます。花と同じぐらい背景にこだわることが大切です。

屋外のガーデンなどで、どうしても背景にいろいろなものが移り込む場合は、望遠レンズやマクロレンズを使ってみましょう。背景をぼかしてシンプルにすると、花の色や形をはっきり写し込むことができます。

インスタ映え写真講座④
色合いと雰囲気を統一

ネモフィラと青空

さらに、花の色と背景の色の統一をはかってステップアップしてみましょう。茨城県の「国営ひたち海浜公園」では、ブルーのネモフィラが地平線まで群れ咲き、青空まで続いているように撮れることで、インスタ映えする人気のスポットとなりました。このように、主役と脇役を同じ色やトーンでまとめるというハイレベルな方法もあります。

照明

色だけでなく、全体の色調を意識して撮ると、格調やメッセージ性が加わります。例えば、明るい色の花には軽やかな布などを合わせ、明るめの露出(光の量)で優しい雰囲気に撮影。または、暗い色の花に合わせて重厚な家具やガーデンチェア、レンガなどの背景を写し込み、暗めの露出でシックな雰囲気を出すなど。センスのあるよい写真には、テーマが不可欠です。あなたが洋服をコーディネートする時を思い出してみましょう。「〇〇風に撮ってみよう!」と挑むのは楽しいですよ。

インスタ映え写真講座⑤
自然光を活用

自然光で撮影

写真は自然光(太陽の光)で撮るのが一番簡単です。植物を育てるために太陽の存在は偉大ですが、それは写真でも同じ。室内でも、なるべく蛍光灯や白熱電球は消して、昼間、自然光が差し込む窓に近い場所で撮るのがポイントです。多少薄暗くても、現代のカメラは優秀なので、明るく撮れます。

屋外では、自然光こそ唯一の光源といえます。太陽の向きを常に意識しながら写真を撮りましょう。太陽の光も、季節や時間帯でさまざまに変化します。夏や正午あたりは太陽が高い位置にあり、影が強く真下方向に出ます。日向は明るいですが、日陰は予想以上に暗く、コントラストが強くなります。

真夏のヒマワリ
光が強いため、陰影が強調される真夏のヒマワリ。

ヒマワリなど夏の花を撮る場合は、コントラストの強さも季節感が伝わるので、あるがまま撮影すればいいのですが、繊細な花を撮るのには適していません。真夏や正午あたりに日陰と日向を同時に撮る場合、あえて雲がかかって日差しが和らぐのを待つのも一つの方法です。一方、冬や朝方、夕方は太陽の位置が低く、日向と日陰の差が少ないので、撮影しやすい時間帯です。光が上からではなく、横から差し込むので、陰影に立体感が付きやすく、またその光も柔らかいので、印象的な写真になります。

マジックアワー

極端な例では“マジックアワー”と呼ばれる時間帯があります。日の出から40分、もしくは日の入りまでの40分程度ですが、一日の中で最もドラマチックな写真が撮れる時間帯です。太陽が傾き、空の色が紫やオレンジなどに染まることが多く、日中より暗いうえ、刻々と明るさが変化するので、上手に写真を撮るのは難しいですが、真夏や正午の撮影が平凡な写真を量産するのに比べ、特別な一瞬が待っているかもしれません。一度チャレンジしてみるのもいいでしょう。

また、逆光を利用するのも写真の印象に変化をつけるいい方法です。ひと口に“逆光”といっても、主役が完全に暗いシルエットになるハードなものから、花弁の先端だけ少し柔らかい逆光を入れるソフトなものまでさまざまです。薄曇りの時に花弁に少し逆光を入れるのは、その透明感を演出するのに効果的です。

このように、同じ花でも時間帯や太陽の方向によって写真に写る姿は変わってきます。時間やアングルを変えていろいろ試してみましょう。

インスタ映え写真講座⑥
レンズの選び方

カメラには、いろんな種類があります。レンズを交換することができるのは、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラで、撮りたいものや手法に合わせて、それぞれの機能に特化した最適なレンズに交換して使えることが強みです。一般に広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズといった種類があり、花好きさんには、マクロレンズもおすすめです。もし、レンズが交換できるカメラを持っていたら、以下のレンズの特徴を知っておくと役に立ちます。

マクロレンズ

マクロレンズ

簡単にいうと、近づいて花などを大きく、クローズアップして写せるレンズのことです。

全てのレンズには最短撮影距離というものがあり、通常、近づきすぎるとピントが合わず、ピンボケ写真しか撮ることができません。しかし、マクロレンズは、最短撮影距離が短く設計されており、通常のレンズではピントが合わない近い距離でもピントが合うので、小さな花を画面いっぱいに写すことができます。なお、ピントが合う花までの距離と背景の距離の差が相対的に大きくなるので、背景がボケやすくなります。

広角レンズ

広角レンズ

庭全体を画面に入れて撮りたいけれど、それ以上後ろに下がれないような場合は、広角レンズの出番です。画角が広いので、いろんなものを同時に写したい時に向いています。しかし、ここまでは初心者の使い方。広角レンズは、近いものほど大きく、遠くのものほど小さく写るという特徴があります。この特徴を生かして、一番見せたい花を手前に、少し見せたいけれど主役ではないものを背景にして撮影すると、華やかでリッチな、情報量が多く密度の高い写真になります。マクロレンズや望遠レンズは、主役以外が画面に入らないことも多く、入ってもボカしてシンプルにするのに向いたレンズですが、主役以外も同時に写したい、背景もそれなりに主張させたいという時には広角レンズを使いましょう。

準主役が画面に入る方向を見つけて、主役にグッと近づいてシャッターを切ることによって、ダイナミックな絵が撮れるのが広角レンズの醍醐味です。最短撮影距離はマクロレンズには敵いませんが、望遠レンズよりは対象物に近づいてもピントが合うことが多いです。なお多くの場合、スマートフォンの内蔵カメラアプリを立ち上げるとはじめに設定されているのもこの広角レンズ。馴染みのあるレンズですが、構図を決めるのに一番腕の差が出るのもこの広角レンズです。

望遠レンズ

望遠レンズ

公園やバラ園、観光ガーデンなど、限られた撮影環境で、遠くのものを大きく写す際に役立つのが望遠レンズです。例えば、高い位置に咲く樹木の花などを大きく撮りたい時、脚立に登れる環境でもない限り、このレンズが必要になります。しかし、望遠レンズの使い方は、それだけではありません。広角レンズで撮れるような手の届く範囲の近いものを撮る際にも、あえて後ろに下がって望遠レンズを使うことで、背景をぼかし、主役を浮かび上がらせる効果があります。これは特にスマートフォンが苦手とする機能なので、一眼レフやミラーレス一眼ならではの写真に仕上がります。それだけでプロっぽく見えると思う人も多いので、スマートフォン以外のカメラを手に入れたら使ってみましょう。きっと感動することでしょう。ただし、使いすぎには要注意。背景をぼかしてすっきりとした印象になる反面、写真が単調になりがちです。シンプルに主役を強調させたい時だけ使うようにしましょう。

また、高倍率ズームレンズという多機能なレンズもあります。これは一本で望遠レンズから広角レンズ、マクロレンズをそこそこの性能で使えるもので(残念ながら専用レンズには敵わないことが多く、専用レンズに匹敵するものは高価になります)、コンパクトデジタルカメラの一部にも採用されています。この高倍率ズームレンズでは、望遠、広角、マクロなどをズームリングなどで切り替えて使います。

年々進化するスマートフォンも、望遠レンズ、標準レンズ、広角レンズが別々に搭載され、タップして切り替えられる高機能なモデルが増えてきました。

ですので、仮に一眼レフやミラーレス一眼レフを持っていなくても大丈夫。スマートフォンでも上記のレンズの特徴を理解した上で撮影すれば、写真の仕上がりに差が出ます。同じ花でもレンズを使い分けることを意識して撮影すると、だんだん上達していくことでしょう。

インスタ映え写真講座⑦
加工

インスタグラムで映える花の写真を仕上げるのに、加工は便利なものです。撮影時に思うように撮れなかった部分を加工することは、今や必要不可欠といってよいでしょう。特に「露出」を調整する機能は重宝します。例えば、自然光がうまく入らず残念な写真だった場合、たいてい露出量を多くして明るくすると見違えるようによくなったりします。花色や背景の色味を変えたい時は、色温度を少し変えてみるのもよいでしょう。

写真の加工

もちろん、難しいことを考えないで、インスタグラムに搭載されているフィルターをかけることで素敵な写真に変えることもできます。他のSNSと比べて、標準で組み込まれたフィルターのセンスに定評があるのがインスタグラムです。ただし使いすぎには要注意。こういった加工には中毒性があるので、知らず知らずのうちに加工に頼りがちになります。加工された写真というのは、詳しい人が見ればすぐに分かってしまいますし、加工の量が多いと写真データ(情報)の劣化に繋がります。あくまで加工は最終手段。極力加工に頼らず勝負できるように心がけるのが写真上達の早道です。

インスタ映え写真講座⑧
小物を活用しよう!

テーブルフォト

テーブルフォトにおいては、小物をうまく取り入れることで、一味違った映える写真を撮れるとされています。秋から冬にかけては、花の色に合わせたブランケットを隣に置いて季節に合った温もりを演出したり、白のレースカーテンで包んで、写真全体を明るく柔らかく見せたり…。しかし、魅力的な花のもつ力には何ものも敵いません。まずは花をよく観察して、一番魅力的に見える時間、背景、レンズ、アングルに集中することをおすすめします。

ジョウロ

その次に、自分のライフスタイルが自然に写り込んでこそ本物です。普段読まない英字新聞や、一度も使ったことのない新品のブランケットなどが写り込んでいたら、写真を見た人は違和感を覚えます。しかし、普段から実際にこだわって使っている愛用のカップやガーデングッズなら、その人の人柄や魅力がにじみ出る写真になります。写真には記録という側面があることを、いつも念頭において撮影するとよいでしょう。あの時、あの麦わら帽子が気に入っていたなぁとか、あの長靴を履いていたことがあったなぁなど、遠い未来に振り返って楽しめる写真になることでしょう。

撮る対象別のワンポイントアドバイス

ここからは、カメラを向ける撮影対象ごとに意識したい、具体的な方法について解説します。

花のピントの合わせ方

ピントの位置

一輪の花だけを撮る場合や、一輪の花を主役にして撮りたい場合に悩みがちなのが、ピントの合わせ方です。これには2種類の方法があります。

1つ目は、花のおしべや、めしべにピントを合わせる方法。特にマクロレンズなどを使って花をアップで撮る際には、この方法が一般的です。理由は、花の中心にあるしべにピントを合わせることで、花全体にピントが合わない場合(一番近い花びらや一番遠い花びらがボケる場合)でも自然に見えるからです。ただし、しべが特に飛び出た花(ユリなど)の場合は、この方法はあまり使いません。

ピントの位置

2つ目は、手前の花びらにピントを合わせる方法。先に述べたしべが長い花のほか、チューリップやハスなど、しべを包むように咲く花の場合には、花びらに焦点を合わせて撮りましょう。花びらの質感を見せたい場合も、この方法がおすすめです。

なお、花全体にピントを合わせたい場合は、手前の花びらから奥の花びらまでの距離のうち、4/10の位置(真ん中より少しだけ手前)にピントの中心を据え、絞りを変えられるなら絞ります(f.11やf.16のように絞り値を大きくします。シャッタースピードが遅くなるので、手ぶれに注意し、場合によっては三脚を使いましょう)。なお、ピントが合う範囲が狭いマクロレンズを使うようなクローズアップ撮影で、ピントが合う範囲を広げたい場合は、一番近い花びらと一番遠い花びらがレンズから等距離に近くなるようにアングルを工夫します。それでもピントの合う範囲が足りないと感じた場合は、広角気味のレンズで撮った後、余分な部分を後からトリミングするとよいでしょう。

一輪のみや一輪を中心にした花の写真、もしくは少し画角の広い写真であっても、一番見せたい花にピントが合うように、常に注意しましょう。また屋外での撮影の場合は、花を揺らす風に注意する必要があります。

花畑を撮る場合

花畑の撮影

花畑や、混植された花壇などを撮る場合は、花の密度が高まる構図を考えましょう。中途半端に近い距離で撮ってしまうと、花と花の間が離れて、隙間ができてしまうことも多いものです。少し離れて望遠で撮ったり、低めのアングルから撮ることで、奥の花が重なって見え、密度が出せる場合があります。たとえ広い花畑やガーデンでなくても、奥に咲く花を入れることで、奥行きを感じさせ、密集して咲き乱れている感じを出すことができます。近づいたり離れたり、歩いたりして、いろいろなアングルを試してみましょう。

写真を撮るとき工夫を忘れないのが成功への近道

インスタ映えする花の撮り方について、お分かりいただけたでしょうか。常に撮り方を工夫することで、カメラの種類には関係なく、“インスタ映え”する写真を撮ることができるようになります。さっそく実践して、インスタグラムなどのSNSにどんどん写真をアップしていきましょう! 「#みんなのガーデンストーリー」というハッシュタグを付けてアップしていただけると、このガーデンストーリーサイト上にあなたの写真が掲示されるかもしれません。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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