育てたハーブ活用法! 色や香りを残す上手なドライの3つのコツとアレンジメント

育てたハーブがぐんぐん大きくなってきたら…ドライフラワーにして、アレンジメントを作ってみませんか? 自分で作った作品は、買ったものとはまた違う愛着が感じられるはずですよ。ここでは、ハーバルライフコーディネータの堀久恵さんに、ハーブをドライにするコツや、ドライフラワーのアレンジメントの作り方をご紹介いただきます。
目次
ハーブ栽培のコツ
ハーブは生育旺盛なので、すぐに背丈が伸びてきます。植えたら植えっぱなしにするのではなく、剪定を兼ねて、収穫を繰り返すことがハーブの健全な生育にとっても大切です。
まずは、花芽がつく先端は、優先してカットします。なぜなら、花が咲くと生育が衰え、葉っぱも堅くなってしまうので、ここはハーブティーにしておいしくいただきましょう。

そして、栽培には株元の風通しがいいことも大切! ハーブにとって風通しは絶対条件です。
密生してきたら、株元から思い切ってカットして、風が通るようにしましょう。枝数を減らすイメージですね。特にミント類などの生育旺盛な種類のハーブは、株元から切っても、2~3週間もすれば新しい芽が出てくるはず。怖がらず、剪定にチャレンジしてみてくださいね。
収穫したハーブをドライにしよう
風通しが確保されているかを、こまめにチェックしながら、食べたり飲んだりと、ハーブを暮らしのいろいろなシーンで活用していただきたいのですが、たくさん収穫でき持て余してしまったら、ドライにしてみましょう。乾燥させると、半年~1年程度、長期保存ができるメリットがあります。

どんなハーブでも、乾燥は可能です。特に、ハーブの花は咲く時期が限られているので、きれいな花を楽しんだ後は、ドライフラワーにするのも、ハーブを長期間楽しむための活用方法の一つです。
上手にドライフラワーにするコツは次の3つ。
1. 収穫後すぐに乾燥させる
まず、収穫したハーブは、虫がいた形跡がないかをチェックした後、軽く水で洗って水分をふき取り、すぐに逆さに吊して乾燥させましょう。しばしば、ドライフラワーにする前に、「一旦、花瓶に入れて、しおれてきたらドライフラワーに」と思いがちですが、このような二次的な方法では、色もきれいに残りませんし、バクテリアの繁殖のせいで、葉がぽろぽろと落ちる原因にもつながりますよ。ドライフラワーにする場合には、収穫後はすぐに乾燥させるのが最初のコツです。

2. 1束の量が多すぎないように束ねる
逆さに吊す際、1束の量が多すぎると中まで風が通らず、カビが発生してしまうこともありますので、ご注意くださいね。全体に風が抜ける隙間ができる程度に束ねるのが第2のコツです。
3. 短時間で乾かす
時間をかけて乾かすと、ハーブの持つ香りの成分がどんどん揮発してしまいます。エアコンや扇風機などもうまく活用して、短時間で乾かすことができると、いい状態のドライフラワーに仕上がります。乾燥させる場所は“室内で、風通しのよい日陰”にしましょう。湿気の多い季節は避けて、短時間で乾くような時期を上手に活用しましょう。
ドライフラワーができたら、アレンジメントを作ってみよう
ある程度の量のドライフラワーができたら、カゴに挿して、フラワーアレンジメントを作ってみましょう。
【用意するもの】

〇バスケットなどの器
〇フローラルフォーム(ドライ用または生花用吸水スポンジ)
*フローラルフォームは、生花店で購入できます。ドライ用があればドライ用を、なければ生花用でも大丈夫です。生花用は100円ショップでも売られていますよ。
〇乾燥させたハーブ類
〇キャンドル
〇フローラルフォームを隠すための梱包資材やラッピングペーパーなど
〇ワイヤー
〇お好みでリボン
【作り方】
1. バスケットにフローラルフォームをセットする

バスケットのサイズに合わせて、フローラルフォームをカットして、セットします。ここで大事なことは、フローラルフォームがぐらぐらしないようにセットすること。ワイヤーを使ってしっかり固定しましょう。また、バスケットの場合、フローラルフォームが横の隙間から見えるとせっかくのアレンジメントが台無しなので、梱包資材やラッピングペーパーなどを使って、隠しておきましょう。今回は紙パッキンを使いました。
2. フローラルフォームの上に、キャンドルを置いて、ボンドでとめる
3. 乾燥させたハーブを用意する
今回のアレンジメントに使用したバスケットのサイズは21×15cmほどですが、必要なハーブの量は下の写真くらいです。

4. まずはユーカリから挿す
ユーカリを5〜10cmくらいにカットしたら、フローラルフォームに挿し込む茎の部分の葉を丁寧に取り除きましょう。挿し込む深さの目安は2cmくらい。無理やり押し込むと折れたり、後々他のハーブが挿しにくくなったりします。

フローラルフォームが見えなくなるまで、挿します。
5. 他のハーブを挿す
空いているところに、他のハーブを1本ずつ、挿していきましょう。その際、ハーブの高さは、キャンドルよりも高くならないようにします。

花や目立たせたいものは、最後に挿すと、埋もれませんよ。また、キャンドルの付近にもハーブをしっかり入れると、キャンドルとアレンジが一体化して見えます。
作りながら、横から見た時、後ろから見た時、置きたい場所に置いたときの目線などを、随時確認しましょう。
6. 出来上がり

リボンを飾って完成!
自分で育てたハーブを使って、何かを作ることは「ガーデンセラピー」になる
フラワーアレンジメントを作ることは、芸術療法になります。芸術療法とは、作品作りを通じて手を動かし、脳を活性化させることを目的としていて、絵を描くことや写真を撮ること、陶芸などが含まれます。しかも、自分の手で育てたハーブを使うことは、園芸療法も事前に行っていることにもなりますし、育てながらいい香りに癒されて、芳香療法も同時に楽しんでいるはず。そのように、植物を使ってさまざまな療法を組み合わせて癒される自然療法を「ガーデンセラピー」と呼びます。ぜひガーデンセラピーを体験してみてくださいね。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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