クリスマスが近づくと、フレッシュな針葉樹や常緑樹を使ってリースなどを手作りをするという、神奈川県横浜で小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さんの花暮らし。玄関ドアに飾るスワッグや室内飾りのフライングリース、そして、スワッグやリースの端材で作る、クリスマスプレゼントに添えるタグやポプリについてもご紹介します。

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手作りで迎えるクリスマス

クリスマスクラフト

街にイルミネーションが灯り、どこからともなくクリスマスソングが流れてくるこの時季。

わが家も、少しずつクリスマスの支度を始めます。毎年、玄関ドアに飾るスワッグや室内に飾るフライングリースは、フレッシュな針葉樹や常緑樹を用いて手作りします。時間も手間もかかりますが、この時季だけの清々しい色合いと香りに触れるだけで、不思議と幸せな気分になります。

また、スワッグやリースの端材で、クリスマスプレゼントに添えるタグやポプリを作るのも楽しみの一つです。

お気に入りの針葉樹

針葉樹の香り

数ある針葉樹の中で、特に気に入っているのがオレゴンモミ、西洋ネズ、ブルーアイスの3品種。どれも青灰色を帯びた葉の色と清々しい香りが魅力です。

オレゴンモミは、マツ科の北米原産の常緑針葉樹。クリスマス前のこの時季だけ、北米のオレゴン州から直輸入されているそうです。日本産のモミと比べると、葉の色や密度が異なります。こんもりと丸みを帯びた形も美しく、ドライになってもパラパラと葉が落ちないので長く観賞できるのも嬉しいところ。オレゴンモミを見ると、「今年もいよいよクリスマスシーズンだな」と、ワクワクします。

フライングリース

ヒノキ科の西洋ネズは、北米やヨーロッパ、アジアの寒冷地に自生している常緑針葉樹。青灰色の小さな実は、「ジュニパーベリー」といわれ、熟すると黒紫色になりスパイシーな独特の香りを放ちます。西洋では、古くから香辛料や洋酒のジンの香り付けとして用いられているのだとか。日本では、アロマショップで見かける「ジュニパー」という精油が馴染み深いかもしれません。ちなみに、この精油の効能は、「心身を温め強くする」。真冬の寒さが増すこれからの季節に最適なアロマですね。

そして、ここ数年、大人気のブルーアイスもヒノキ科の常緑針葉樹。比較的暖地でも栽培可能のようで、庭植えしているお宅も見かけます。雪を纏った樹氷のような滑らかな葉が特徴で、常緑針葉樹の中でも最もシルバー系で、強い香りを放ちます。

森の香り漂う針葉樹のポプリ

針葉樹のスワッグ

そんな針葉樹をリースやスワッグに用いると、青灰色を帯びた緑のグラデーションがシックで落ち着いた雰囲気に。玄関や室内に飾ると清々しい森の香りがふんわり漂います。

そして、余った材料はハサミで小さくカットしてポプリに。「パチンパチン」とカットする度に弾ける香りが、これまたたまりません。ポプリを入れる容器は、葉の形や色のニュアンスの違いを楽しめるようにガラス製のものを。

針葉樹のポプリ

ガラス越しに見る青灰色の緑は、よりスモーキーで幻想的。どこか北欧の冬をイメージする色合いにうっとりします。さらに、相性のよいスターアニスやシナモンを加えると、見た目もお洒落。スパイス香がブレンドされて、鼻腔を刺激するキリッと深みのある香りが楽しめます。

細くカットしているので、香りはそのまましばらく楽しめますが、乾燥して徐々に弱くなったら、ヒノキの精油を1、2滴。これを何度か繰り返して香りを持続させます。針葉樹から発散されるフィトンチッド(木の香り)には、鎮静、浄化、殺菌作用があるようなので、風邪やインフルエンザの予防にもなりますね。

●前田満見さんのクリスマス飾りの記事は、こちらでもご覧いただけます。

クリスマスプレゼントには、常緑樹のタグを添えて

ユーカリの葉のタグ

針葉樹の他にも、ユーカリやヒイラギなどの常緑樹も好きな花材です。それぞれ葉の形に個性があるので、針葉樹に合わせるとリズミカルに仕上がります。

特にユーカリは、丸葉や細葉など種類が豊富です。中にはハート形のかわいらしい葉も。ブルーグレーのおしゃれな色や、ドライになっても続く香り、クリスマスが終わってもインテリアとして飾れるところが女子に大人気です。

ヒイラギのタグ

そして、艶のある深緑と独特の造形美が魅力のヒイラギ。どこかツバキの葉に似た風情もあります。それぞれを漢字で表すと「柊・椿」。冬から春へ季節をつなぐ植物だということがよく分かりますね。ヒイラギもまた、ツバキと同じく邪気を払う聖なる植物として、昔から日本人に親しまれてきました。西洋でも、クリスマスになると玄関ドアにヒイラギのリースを飾っているのをよく目にしますが、文化や風習は違っても、ヒイラギに込めた想いは同じのようです。

葉っぱのタグ

そんなユーカリやヒイラギは、余った葉でクリスマスプレゼントに添えるタグを作ります。作り方はとっても簡単で、一葉ずつ穴あけパンチで穴をあけて麻紐を通すだけ。細字の油性ペンで名前を書き、プレゼントに添えます。この時、銀や白のペンを用いると文字が映えてきれいです。

贈る人の顔を思い浮かべながら作るユーカリとヒイラギのタグは、この一年の「ありがとう」の気持ちを込めたささやかなひと手間です。

庭からもらったクリスマスプレゼント

シジュウカラの巣

それから、ちょっと余談になりますが、去年、ヤマボウシにかけてある巣箱を掃除した際に、あまりにきれいで捨てずに取っておいたシジュウカラの巣で、クリスマスプレゼントを作りました。

シジュウカラの巣

空き箱の中心に巣を入れ、周りにモミやヒムロスギ、カラマツなどの端材を詰め込んで。きっと、誰も欲しがらないと思うけれど、私には最高に嬉しいクリスマスプレゼントになりました。

さて、今年は庭からどんなプレゼントをもらえるかな?

今から楽しみです。

クリスマスクラフト

Credit


写真&文/前田満見
高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。

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