花屋さんで見かけるガーベラの花。パッと咲いた花顔がおなじみですが、じつは年々、咲き方が多彩になってきています。どんな種類があるかアレンジと一緒に、『花時間』が紹介しましょう。『花時間』は花から始まるライフスタイルを提唱。雑誌やカレンダーを発行するほか、SNSを展開しています。
ガーベラって、切り花のなかでも新旧交代が早い花です
トップ写真でご紹介しているアレンジは、9種類ものガーベラを主役にしています。どれも似たような花顔ながらも、花びらの形が違うことに気づきましたか? 一般的にガーベラの苗は植えてから2~4年経つと、植え替え時期を迎えます。種苗メーカーは新品種を出していますから、このタイミングで品種の交代が起こります。そのため、花屋さんに並ぶガーベラはいつも同じ品種ではなく、変化しているのです。

ガーベラが南アフリカで発見されたのは、19世紀末。イギリスやフランスで切り花用に改良され、日本に渡ってきたのは20世紀になってからです。このときのガーベラは大輪サイズでした。現在、切り花として出回るガーベラは、この大輪と中輪が合わせて全体の2割ほど。使い勝手がいい小輪タイプが8割を占めています。
また、花屋さんに並ぶガーベラは、昔からある一重咲きが少なくなりました。今の主流は花びらの枚数が多いダブル咲き。他には、花びらがフリルのようにひるがえっているもの、ストロー状に丸まった花びらをもつものなどユニークなタイプまで揃います。
実際に、出回っている品種をあしらったアレンジと一緒に、進化するガーベラの世界をお見せしましょう。
細い花弁が特徴的。軽やかに羽根を揺らす飾りのように

ピンクの2色のガーベラは、スパイダー咲き。花びらの先端が細くてシャープな印象がある一方、ふわふわっと空気を含んでいるから、花を何輪重ねても重さを感じません。首を伸ばし、翼を広げた野鳥のような草花を合わせると、まるでおしゃれな羽根飾り。微風が吹いても揺れる繊細さが自慢です。
【花材】
ガーベラ(レネゲード、クリームスプリングス)、クレマチス、アンスリウム
花びらの形がおもしろい! 大胆な色と形を集めました

花びらを奔放に踊らせるのは、花合わせがしやすいフリル弁の小輪。波打つだけでなく、花びらをストロー状に丸めたり、表弁と裏弁で色が異なる複色があったり。それぞれ動きのある花をカラフルにあしらえば、トロピカルムード満点。ガーベラ同士は色合わせにこだわらなくても、よく調和します。
【花材】
ガーベラ(パスティーニコルヴァーラ、パスティーニモデナ、パスティーニベネチツィア、パスティーニノヴァーラ、パスティーニシエナ)、グズマニア、アカシアなど
まん丸の形がかわいいポンポン咲き。量感たっぷりです

すらりとした茎に、ぽったりと花をつけるポンポン咲きが3種類。花の高さを変え、角度を変えて、かわいいまん丸をリズミカルに表現しました。花色はソフトでも、量感は十分。同じくパステルカラーの小花は長めにあしらって、軽やかに仕上げます。
【花材】
ガーベラ(テラマガ、テラヒマリア、ボレロディヴィディヴィ)、オンシジウム、マリーサイモン、スカビオサ、マトリカリア
花びらが詰まったダブル咲きは小輪を選ぶと、かわいらしく

小枝を組んだ器、切り株の設えに、メリハリのある花色を合わせた山小屋風アレンジ。オレンジ色のガーベラを引き立てるのは、紫系の数種の草花です。ライトグリーンの枝ものと、白い花を合わせて、アレンジを明るめに見せています。
【花材】
ガーベラ(デビー)、スカビオサ、スターチス、アンスリウム、ヘリクリサム、ヒメミズキなど
選んだガーベラの咲き方で、アレンジのイメージがぐっと変わりますね。『花時間』はすべての花好きの方々へ、花にまつわる旬の話題を雑誌やSNSでお届けしています。
ただいま発売中の『花時間2020』では、「いま注目の花で季節をめぐる~ベストフラワー2020」を大特集。ここで紹介したガーベラをはじめ、バラ、サクラ、シャクヤク、コスモス、ダリアなど、この秋から来年にかけて一緒に過ごしたい14花をピックアップしました。その花ならではの飾り方、楽しみ方を紹介しています。年末年始に役立つお正月の花飾りやテーブル、プリザーブドフラワーで手作りするインテリアの企画なども。付録は、2020年を華やかに彩るバラカレンダーです!
■花時間2020

特別付録/バラカレンダー2020
定価/本体1750円+税
A4判変型/176ページ
ISBN 978-4-04-896546-0
発行/株式会社KADOKAWA
詳細は
https://www.kadokawa.co.jp/product/321902002145/
Credit
花時間編集部
『花時間』は、花やグリーンから始まる、ボタニカルライフを提案しています。フラワーアレンジ、ガーデニング、クラフト、インテリア、イベント…暮らしの中に咲く花や癒やしのグリーンを、雑誌やムック本、書籍、SNSなどで発信中です。雑誌は1991年創刊。生産者や花市場との交流が深く、美しく役に立つ情報を厳選してお届け。
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