シャクヤクのフラワーギフト、選び方とおすすめ11選
すらりと細い茎の先に咲く、華やかな大輪の花、シャクヤク。「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合(ユリ)の花」と、古来よりシャクヤクは、立ち姿が美しい女性にたとえられ、人気を博してきました。「季節の花のなかで、とりわけシャクヤクに関心を寄せる方が多いですね。SNSにこの花のアレンジをアップすると、イイネの数が急増するんです」と語るのは、東京・用賀の花店『ブロッサム(blossom)』の嶋 友紀さん。シャクヤクのギフトについてお話を伺いました。
目次
シャクヤクのフラワーギフトを贈りたい。ぴったりのシーンは?
シルクのような花びらを重ね、艶やかに咲くシャクヤク。気候に左右され、出回り時期はその年によって異なりますが、多くは4月から7月ごろです。5月の第2日曜、母の日には、カーネーションやバラに次いで、人気の花。ボリュームがある花なので、カーネーションと合わせて、ワンランク上の母の日のプレゼントにもできますね。
明るいピンクの花色に、新緑のグリーンを合わせた爽やかなギフトは、習い事の発表会のお祝いにもぴったり。大輪のシャクヤク、1、2輪に、小さなバラや草花を合わせると、かわいらしい花束やアレンジになります。
ちょっとした手みやげにシャクヤクの花束を持っていけば、花のことから季節の話題に広がり、話が弾むこと請け合いです。インパクトの強い花だけに、ここいちばんというときのギフトや、パーティのお祝いなどにも好印象です。シーンを盛り上げたいときは、よく開いたシャクヤクを大きな花束にして贈ってみてはいかがでしょう。
贈るときに気になる! 幸せを意味するシャクヤクの花言葉
「立てば芍薬、座れば牡丹…」の言葉のように、シャクヤクはすらりとした美人をイメージさせる花ですが、その花言葉の「はじらい」「はにかみ」は、イギリスの言い伝えに由来するそう。はにかみ屋の妖精がシャクヤクの花に隠れたところ、その花までいっしょに赤らんだとか。ほかにも「謙遜」「おもいやり」という花言葉があって、大輪の豪華な印象とは案外異なるかもしれません。また、「幸せな結婚」という花言葉もあるため、白いシャクヤクで初夏のウエディングブーケを希望する人が多いとか。
花言葉はその花の特質などに合わせて象徴的な意味をもたせたもので、明確な根拠があるものではありません。監修する人や国、文化などによって、選ばれる言葉が違うこともよくあります。贈られる相手は花言葉を知らないことも多いので、あまりこだわりすぎず、自分や相手の好きな色の花を選ぶのが、いちばんよいでしょう。
シャクヤクのフラワーギフト(プレゼント)としての価格や相場は?
フラワーギフトの価格は、花の種類や本数、大きさ、地域、時期(季節)によって、かなり異なります。一般的に走りの時期は高値。流通量が多くて需要が多くない時期は安価になります。そのため母の日前には価格がアップします。また、ギフトを作る花屋さんの立地条件、そのポリシーなどによっても、価格はかなり幅があるといえるでしょう。
このため、あくまでも目安にはなりますが、シャクヤクをメインに、ほかの花やグリーンをミックスしたギフトは、およそ3000~5000円。同じ価格でもシャクヤクが大輪なので、バラメインのギフトよりもボリュームはアップします。シャクヤクだけを豪華に合わせると、1万円以上になることも。艶やかでインパクトがある花なので、スペシャルなギフトになること間違いなしです。
シャクヤクのフラワーギフト(プレゼント)、2つのスタイル
シャクヤクが主役のフラワーギフト(プレゼント)の種類は、大きく分けて次の2タイプです。もちろん、これ以外のスタイルをオーダーすることは可能なので、花屋さんに相談してみましょう。
アレンジメント
器に吸水性スポンジを入れて、デザインしながら花をいけたものです。花屋さんが素敵にいけた花を器と一緒に贈るので、そのまま飾れるというのが便利です。花に詳しくない方、病院や施設など手間をかけられない場所にいる方、給水ができるので遠方の方に花を贈るときにはおすすめです。
ただし、シャクヤクはつぼみと開花後で、大きくボリューム感が変わります。吸水性スポンジを使ったアレンジの場合、シャクヤクが大きく開くことを考えて、合わせる花材を選びましょう。どんなに色合わせが素敵であっても、花同士がぶつかってアレンジの形が崩れてしまっては、アレンジの寿命を縮めてしまいます。シャクヤクの量感の変化に合わせられる、ふわりと空気感のあるグリーンや小花をあしらうのが理想です。
そう考えると、箱のなかにあしらうボックスアレンジは、シャクヤクにはあまりおすすめできません。大きく咲くシャクヤクの魅力を発揮できるギフトのスタイルがいいでしょう。
シャクヤクは1輪。つぼみから開いて形が変わったときに、心地よく眺められるのは、ふわっとした小花やグリーンだから。窮屈な印象にならない花材を選びます。
花束
いちばんオーソドックスな、贈り花のスタイルです。ラッピングペーパー、リボンの色や素材にこだわると、よりおしゃれにセンスよく見えます。実際に会って目の前で渡せるシチュエーションなら、花束がいいでしょう。花束ならばつぼみ同士をきゅっと合わせても、ふわりと開く花姿を生かしてもOK。贈られた相手が、あとから束をほどいて、好きなスタイルにいけ直すことができます。
シンプルに、シャクヤク1種類だけをまとめても、咲いたものとつぼみの、色のグラデーションが楽しめます。
シャクヤクのフラワーギフト(プレゼント)の選び方。その秘訣が知りたい
フラワーギフトは基本的に、用途、予算、主役にしたい花、贈る相手の年齢、性別、好きな色などを伝えて、花屋さんにおまかせすることをおすすめします。シャクヤクが主役のフラワーギフトの場合はまず、希望するシャクヤクの色やイメージを花屋さんに伝えてください。香りを添えたいときや、長もちさせたいときは、しっかりその旨もオーダーしましょう。シャクヤクの多くは軽く香りますが、芳香の品種を選んで贈れば、より印象深いフラワーギフトになるでしょう。
シャクヤクのフラワーギフト(プレゼント)、おすすめ11スタイル
花屋さんにおまかせではなく、自分の好きなスタイルのフラワーギフトを選びたい。そんなときにおすすめしたいのが、ここに挙げた11種類のフラワーギフトのスタイル。花屋さんにオーダーをする際に、イメージを伝えると、より自分好みのギフトに仕上がるでしょう。贈るのは、花の魅力が引き立つギフト、あなたの気持ちが伝わるギフトを。参考にしてみてください。
その1 大きな花をきゅっと束ねて、キュートに
小さな花束にすると、シャクヤク1輪の艶やかさがさらにアップ。ラフィアをサテンやレースのリボンに変えれば、さらにキュートに。ラッピングペーパーでくるりと巻いて贈りましょう。
その2 シャクヤク1輪とバラの、小さな花束
小さな花束ですが、シャクヤクとバラの取り合わせがリッチ。落ち着いた色合わせや飾らないラッピングは、ちょっとしたプレゼント、手みやげに。
その3 シャクヤク1種をたっぷり、シンプルに
花材はシャクヤクだけ。シンプルな花束はどんなシチュエーションでも好感をもたれること請け合いです。さりげなくセンスのよさを感じさせるはず。
その4 どんな場所にも飾れる、小さなアレンジ
アレンジは小さくても、飾るとぱっと明かりを灯したような華やかさに。小粒の花が、大きなシャクヤクをより引き立てます。
その5 白にシックな花色を合わせた大人ギフト
とりわけ大きなシャクヤク(かぐや姫)をメインに、シックな紫系の花をあしらっています。シャクヤクとバラは丸い花形。紙を丸めたようなカラー、下を向くクレマチスを合わせて、花形も楽しめるアレンジに。
その6 野に咲く花のようなみずみずしさを贈ります
艶やかな赤紫色のシャクヤクを贈ります。自然な動きを見せるグリーン、枝ものを合わせると、今、摘んできたばかりのようなみずみずしさが浮かびます。
その7 強いインパクトは、シャクヤクだからこそ
花材はシャクヤクと枝ものだけ。丸い小さなつぼみが全部咲けば、目を見張るほどの豪華さなので、シャクヤクは淡い花色を選び、新緑の枝ものと爽やかな色合わせにしています。シャクヤクばかりを集めると高価になりますが、インパクトのあるギフトになること間違いなしです。
その8 バラ好きさんへ、初夏の季節を贈ります
バラが大好きな方へ、いつも吟味したバラを贈っています…。そんな方にはぴったり。シャクヤクとバラを楽しむアレンジにしてみては。シャクヤクはこの大きさですから、バラは数を多めにあしらいましょう。
その9 珍しいシャクヤクの黄色は草花と一緒に
珍しい黄色い花色は、シャクヤクのイメージを広げます。グラスやハーブを合わせ、ナチュラルなイメージに。
その10 初夏の濃厚な香りを、贅沢に集めました
色と大きさはシャクヤクに勝るものはありませんが、初夏の濃厚な香りといえばクチナシ。併せて、香りのバラと爽やかなハーブも一緒に。シャクヤクは控えめに香ります。
その11 黄色と赤を合わせたエスニック風アレンジ
オリエンタルゴールドは、黄色い花びらの中心が赤く染まる個性的な花色。シャクヤクのその花色を重ねるように、赤い花と黄色い花を合わせて、エスニックなムードのアレンジに。
Credit
嶋友紀
『ブロッサム(BLOSSOM)』オーナー。
1輪の花との出合いをきっかけに植物に魅了され、2000年、会社勤務から花の世界へ。人気花店、市場の仲卸で経験を積み、2011年、東京・用賀にショップをオープン。日々の暮らしを豊かにする花を提案し、ヨーロッパスタイル、トロピカル、和テイストの花などをオーダーメイドで応えている。さりげない1本、葉や枝ものをたっぷり、といった植物そのままの魅力を生かした作風に定評がある。
https://www.blossom-jp.com
https://www.instagram.com/blossom_shima/
撮影・嶋 友紀、瀧下昌代 構成と文・瀧下昌代
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